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長井短『内緒にしといて』/もしかしてほんとーにできちゃうかもしれないよ⁉︎

「やな宿題はぜーんぶゴミ箱にすてちゃえ〜」
これはアニメ・おジャ魔女どれみのオープニング『おジャ魔女カーニバル‼︎』の歌詞です。

私は1981年生まれなのでおジャ魔女世代ではないのですが、20歳くらいのころ、子どものためのダンス&演劇教室で働いたことがあり、休み時間のBGMとして流れていたこの曲を聴いて
「え……? 捨てていいの……?」
と驚いたのを覚えています。

昭和生まれド根性育ち、宿題に「ヤダな〜」とため息をつくことはあっても、「そうは言ってもやらねばでしょ!!」と自分を追い込むことを美徳とする世代の私に、「捨てちゃえ〜!」は、ちょっとしたカルチャーショックでした。ああ、捨ててもいいのか! やなんだもんね!

長井短さんの『内緒にしといて』、連載中も読んで「ほお〜」って思っていたけど、このたび書籍になって、一冊まるっと通して読んだときに感じた気持ち、それはまさに『おジャ魔女カーニバル‼︎』を聴いたときと同じものだったので、ふと思い出したのでした。(長井さん、いつだったかおジャ魔女の歌、歌ってたよね……?)

「そうは言ってもやらなくちゃ〜」「やだけどしかたないよな〜」と思ってることや、よくよく考えたら嫌なんだけど、もはや慣れすぎて嫌かどうかもわからなくなり、気づけばやな感じのノリに積極的にのっかってしまってるかもしれない、そういう……世の中の「やなこと」=宿題を、長井さんはこの本のなかで「捨てちゃえ〜」と言ってくれます。
 しかも、じっくり考え、その結論に至る流れも見せてくれたうえで。「私、最初っからポイポイ捨てられる人です」
っていうふりを決してしない長井さん。「こうするべき!」も言わないし、捨てる前に色々と考えている部分もしっかり書いていて、その思考の流れがまた面白いので読んでて楽しく、
「ああいいな、今の若い子たちはこれを読んで大人になれるんだな」
とうらやましくなります。揺らいだりしていいんや〜って思えるのって大事ですよね。
私の時代は「熱血ポンちゃん」シリーズか「つれづれノート」だったから……(やや極端)。

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若い人はもちろん、昭和の我々にも良き本です。はしばしに忍ばせられたお遊びページに対する懐かしさよ。

旧世代がボンヤリ嫌がりながら残してしまった宿題を、かろやかに捨ててくれる存在がいるのは頼もしくて、うれしいことです。抽象的なことばかり書いてしまったけれど、まあ、読んでください。わたしが特に好きなのは「くノ一」です。いる。

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