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ReDesigner for Studentの森内さんと、就活への向き合い方や、女性のキャリアデザインについて考えてみた

こんにちは。アドウェイズの遠藤です。

いきなり宣伝になってしまい大変恐縮ですが、現在、お友達のhacoさんと一緒に「White Space」というポッドキャスト番組を運営しています。


「White Space」は毎週金曜日の夕方に最新話を配信しており、今後の段取りでは、デザイナーを目指す学生と、デザインの力を信じる企業をマッチングする就活プラットフォーム「ReDesigner for Student」を運営する、Goodpatchの森内直子さんのゲスト出演回をお届けする予定でした。

というのも、去年の春に私とhacoさんは、森内さんからReDesigner for Studentのイベントにお誘いをいただき、就職活動を行っている学生さんの前で話をする機会がありました。実は、そのイベントをきっかけに、私とhacoさんの話をコンテンツ化することが、もしかすると微力ながらも学生さんやデザイナーを目指す皆さんのチカラになるのではないかと考えるに至り、ポッドキャストを始めたのでした。

つまり、「White Space」は森内さんがきっかけでスタートしたポッドキャストでもあるため、第一回目のゲストは森内さんしかいないと二人して思っていました。

2023年5月に実施した採用イベント

しかし、機材トラブルの影響で更新することが困難となってしまい、3回分の配信のうち2回分を断念することに……。森内さん!リスナーの皆様!本当に申し訳ございません……(土下座)

とはいえ、ゲストに来ていただくという、またとない機会をなかったことにするのは勿体無い、そして大変忍びないため、noteにてその時の様子を「書き起こし記事」としてまとめさせていただき、皆さまに共有させていただくことにいたしました。ぜひ、よろしければご覧ください。

(森内さんのプロフィールやキャリアのお話は、epilogue00としてポッドキャストにて配信中です!ぜひ聴いていていだけると嬉しいです!

左から、hacoさん、yuitaso、森内さん

episode 01.人生は就活だけじゃない。歯車を自分で調整することも、きっとできるのでは?

歯車が噛み合わなかったり、なにをやっても上手くいかなかったりする時は、誰にだってあります。私たちも就活中はそうでした。期限も決められているし、周りの動向も気になるし、結果も返ってくるし……。でも、人生は就活だけじゃない。「自分の充電方法」や誰かに自分の気持ちを相談することができれば、歯車を調整することだって、きっとできると思うんです。止まってしまう、休んでしまう自分を責める必要はないんです。そんなことを、あれこれお話ししました。

yuitaso:森内さんは、おそらく学生さんと毎日のように話す機会があると思うのですが、相談事で多いテーマって、どんなことがありますか?

森内さん:私が向き合っている学生さんは、デザイナーやクリエイターを目指して就活を行っている学生さんが多いんです。よく挙がるのは、なかなか就活へのモチベーションが上がらなかったり、ポートフォリオの作成が上手くできなかったり、企業の方と話をするのが怖かったり、そもそも社会に出るのが怖いなど、そうした具体的な就活の「手前のレイヤー」に対する相談が多いかもしれません。お二人はパワフルな印象があるのですが、そんなお二人でも悩みを抱えていた学生時代があったのかなと思うので、逆にその時のエピソードを聞いてみたいです。

haco:もちろんです。でも、まさに駆け込み寺ですよね。私も学生時代だったら森内さんに駆け込みたかったです。

yuitaso:本当ですよね、そんな人がいるって環境自体がうらやましい……

haco:それで言うとまさに私、原体験があったんですけど、実は就活が止まっちゃったことがあったんですよ。そのまま、止まっちゃって、やめたんです。
yuitaso:え〜、そうだったんですね。

haco:キャリアイベントでも話したんですけど、私、大学と大学院とで、就活を二回行っているんですよね。その一回目の就活の時に、やる気が急に無くなっちゃって。説明会もおもしろくないし、エントリーシートも書いていてテンションが上がらないし、企業調べやOB/OG訪問とかも……。どうにもこうにも、ふさぎ込んじゃった時期があったんです。それでもがんばってポートフォリオとかを作ったりしてたんですけど、志望していた企業に落ちちゃって、結局一ヶ月間くらい真っ白になっちゃって。ただでさえテンションが上がってなくて、ようやく温まったところで落ちちゃったから、一ヶ月くらいじっとしてました(笑)。

yuitaso:私もエンジンかかるまで待つことは結構あるので、その気持ちはよくわかります。コロナ禍でリモートワークになった際も、長い時間落ち込んでいた覚えが……。ただ、その時は、今まで頑張ってきたからこそ、今はそんなに頑張らなくて良いってことなのかなと解釈をして。タイミングって、自分から作れることもあるけど、人との出会いとかをきっかけに、偶然に出てくるものでもあると思うんです。今はやらなきゃならないことだけを最低限やって、調整する時間も必要なのかなと。

森内さん:止まってしまう、休んでしまう、そんな自分を責めてしまう学生さんもいると思うのですが、皆さんはそうはならなかったのですね。

haco:だっていい結果出ないんだもん(笑)。

yuitaso:そうですよね〜。

haco:本当に行きたい企業の面接のスケジュールなどは抑えておいた方が良いとは思いますけど、やってもしょうがないなどの諦めの気持ちがあったり、イヤイヤでエントリーシートを書いたりするんだったら、いさぎよく何もせずに、その時間を自己研鑽や、自分が心ときめくものに時間を使って元気をもらうとか、そうした切り替えをしてしまう方がよっぽど気持ちは楽になると思います。

yuitaso:すごくわかります。目的が就職活動じゃなくて、自分に火を付けることに切り替えた方がいいというか。上手くいく時とかって、自分を奮い立たせなくても、勝手にとんとん拍子で物事が進む気がするんです。だから、歯車が噛み合っていない期間には無理に動かそうとせず、その歯車をメンテナンスするっていうのが大事かもしれないですよね。

haco:そうそう、自分の心に元気を灯すアイドリング期間みたいな感じですよね。今思い出しましたけど、私は当時本屋さんによく行っていました。

yuitaso:私は美術館とか博物館に行ってました〜。

森内さん:確かにこうした気持ちの切り替えは、すごく大事だと思います。人生は就活だけじゃないですからね。

yuitaso:本当ですよね! 森内さんはそういう切り替えのコンテンツを見つけて、普段から実践していることはありますか?

森内さん:私は「無の時間」をすごく大事にしているんです。何も考えずにぼーっとしている時間が大事で……。何も聞かずに散歩をしたり、何も考えずにソファに寝っ転がってSNSを見たりとか、自分を甘やかして、だらだらする時間を作るのは大事だと思っています。

haco:充電するというか。

yuitaso:社会人になると、みんな、自分の充電方法が自然に身につくのかもしれないですね。ただ、学生さんにとってそれはなかなか難しいのかも。就活は結果も返ってくるし、期間も決められているし。

森内さん:そうなんですよね。自分のことを責める癖が付いちゃっている方もいるので。私も少しでも解放してあげることができると良いなと思いながら、日々向き合っています。

haco:自分のコンディションが、アウトプットするものにつながることもあるじゃないですか。ポートフォリオや作品作りもそうだと思いますし、エントリーシートとか面接とかも、コンディションが良い時とか、そうじゃない時だと結果が変わりますよね。なので、そのベースをきちんと作ってあげるっていうのは大事かもしれないですね。

yuitaso:こうした、森内さんが向き合っている学生さんの「キャリアデザイン」の仕事、本当に素敵です。学生さんとのコミュニケーションの他には、いつもどのような業務に向き合っているんですか。

森内さん:ありがとうございます。学生さんとの面談以外には、学校に赴き、就活のレクチャーを行ったり、ポートフォリオの作り方講座を行ったりしています。また、カスタマーサクセスという役割も担っているので、企業の方達の採用の支援なども行なっています。上手く言えば、学校と学生さんと企業、三方の橋渡しをしているイメージですかね。

haco:翻訳していらっしゃるようなイメージですよね。「ReDesigner for Student」を活用していた学生さんたちも、今ではどんどん社会に出ていって、デザイナーとして各業界で働いている……。ご活躍されている方とかも増えている印象です。

森内さん:はい、ありがたいです。もともと「ReDesigner for Student」を使ってくれていたユーザーの方が、それこそ企業の窓口担当者になっていることもあって。本当に嬉しいですよね。

haco:エコシステムができあがっているというか。

森内さん:循環している感じですよね。

yuitaso:ちなみにさっき、駆け込み寺ってワードが出たと思ったんですけど、私たちの時代はそういう素敵な仕組みがなかったじゃないですか。hacoさんは、就活をやめるとか、そうしたタイミングで誰かに相談とかはしてましたか?

haco:いえ、基本的に一人で悶々としていて、友達にもあんまり話さず……思い返してみると、一番相談をしたりヒントをもらっていたのは、大学の先生ですね。

その先生に「大学院に行ってみたら」と言われたのが、私は当時全く考えていなかった選択肢で、先生から景色や可能性を広げてもらったという経験がありました。その一言がきっかけでエンジンが切り替わったんですよ。

yuitaso:え〜良いですね。私はそういう経験がなくて、自分で決めて自分で実行していただけでした。

森内さん:私も全く相談をしなかったタイプだったんですけど、相談はした方が良いなと今では思っています。友人、家族、学校の先生、なんだったら採用面接の面接官に相談しても構わないと思うんです。相談できる人は意外にたくさんいるんですよね。周りの大人に頼ってはいけないと勝手に思っていたんですけど、頼ると意外に相談に乗ってくれたりするじゃないですか。頼ることってすごく難しいことだとは思うんですけど、ちょっとしたことでも話しかけてみて、コミュニケーションを取っていくと気持ちが楽になることもあると思うんです。

haco:視点とか視座とかが自分と違う、社会に出ている人に壁打ちをしてみることは、すごい大事なことですよね。

森内さん:はい。一人の人の意見を鵜呑みにして動くよりは、周りの色んな人の意見を聞いて、決断することができるとより良いですよね。

haco:そういう意味では、先ほど森内さんもおっしゃっていましたけど、面談とか面接とかをうまく使ってもらえたら良いですよね。私も採用担当をしていた時も思っていて……例えば「最後の質問」とか。

yuitaso:確かに! キャリアの相談とかでも全然良いですよね。

haco:「質問ではなくて相談でも良いですよ」と言うと、本当ですか、という感じで、自分を主語にして話してくれる方もいるんです。私たちもより理解を深められるし、すごく良い時間の使い方だなと思っていました。

episode 02.遠回りになりがちな日本の女性のキャリア。戦略的にステップを歩んでいくにはどうしたら良いのか?

世界経済フォーラム(WEF)が発表した、男女平等の度合いを示す「ジェンダーギャップ指数」(2023年版)によると、日本の総合ランキングは146か国中125位と、G7では最下位となっており、海外と比較するとまだまだ遅れをとっている状況です。3月8日の「国際女性デー」に合わせて、一定のキャリアを重ねてきた3人の女性が、女性のキャリアデザインについて、あれこれお話ししました。

haco:yuitasoさんが働く会社は、女性の働き方について取り組まれていることはあったりするんですか?

yuitaso:私が働いている会社も、決して活躍している女性の割合が多いというわけではないんです。広告業界なので、やっぱり体力的にも時間的にも、どうしても女性で活躍をするには、ハンディキャップが発生していて……。ちょうど最近、人事と一緒に仕組みを整えようと動き始めたんですけど、やっぱりその中で課題として出てくるのは、上司や組織の中だけでサポートするには、少し限界があると。例えば、産休前に仕事をセーブしたりとか、そうした取り組みはもちろんしているんですけど、そもそもの仕事のスタイルや、評価システムが、男性的な働き方に寄って構成されていたりして、なので会社のあらゆる構造から変えていかなければ問題は完全に解決しないと気づいたんですよね。

haco:そういった組織体制や、風土風習、ワーキングスタイルは、私も根深い問題だと思っています。これまでの社会の成り立ちにより醸成されていた「男性中心の働き方」みたいなのが、会社、そして家庭のコミットメントにもつながっているのかもしれないですし……。今は根本から整理していかなければならないフェーズなんでしょうね。

yuitaso:森内さんって、学生さんからの相談の中で、働きやすさとか女性が活躍できるとか、そういったワードとかって挙がってきますか?

森内さん:そこまで多くはないんですけれども、気にしている学生さんの数は以前より増えている印象です。特に、長くその企業で働きたいという方は気にされるかなと。

yuitaso:なるほどですね。とはいえ、まだまだ日本だと、女性が活躍できる場をきちんと構築できている会社は、私のイメージではありますが、比較的少なそうですよね。また、どうしても中間管理職になると、自分の仕事以外の仕事が増えてきたり、会議の数とか、関わるハブが増えていくことで、時間のバランスを取るのが難しくなると思うんです。自分だったら無理だなって、自然にブレーキをかけちゃっているのかなって。なので私も最近、諦めない女性を増やすには、どうしたら良いのかなとすごく考えています。例えば管理職の仕事自体のボリュームを、別の役割を持つ人に受け渡すなどで減らしてあげて、女性でも管理職になることが高いハードルではないことを、会社として見せていく仕組みを作ることができたらなと……。

haco:素敵ですね。そもそも男女関係なく、そんなに仕事をたくさんやりたくないって話でもあると思うし……。忙しそうだなとか、ああなりたくなないとか、そう思わせてしまうことはやっぱり問題だと思います。

yuitaso:よく、北欧とかはそうした醸成ができていると言われていますけど、そもそもの仕事の物量や休日の数などを、国として上手にコントロールできているんですよね。現状、一つの会社でできることの限度はあるかもしれないけれど、今後会社をより成長させていくためには、どうしても女性の力は絶対に不可欠だと思っていて、女性が活躍できる場を提供できなければ、会社も世界に広がって価値を届けられないと私は思っているんです。なので、必須事項として今は動いています。

森内さん:勉強になります。ちなみに、学生さんの悩みを聞いていると、将来的には管理職にチャレンジしてみたいという声も聞くんです。hacoさんとは、同じ会社で働いていた際、マネージャーもプレイヤーもどちらも経験されていましたが、正直なところ、どちらの方が働きやすかったですか?

haco:どっちもどっちの良さがあると思っています。プレイヤーも現場で奮闘して、腕を振り回して楽しいけれど、ライフステージの変化によってこのアンサーは変わると思っています。そう考えると、子どもを産んだ後は、マネージャーの方が働きやすかったかもしれませんね。

yuitaso:わかります、わかります。

haco:20代の女性と話すと「え!?」ってびっくりされるんですけど、実際はそうなんですよね。

yuitaso:実はわたし、子どもを産む前に管理職になっておこうと、計画的に動いていたんです。30代は家庭と仕事を両立できるようにしておこうと昔から思っていて。

森内さん:計画的……!

haco:マネジメントの仕事って、チームで働くことだと思うんです。もちろん難しいことや大変なこともあるし、頑張らなきゃいけないことはたくさんあるんですけど、チームで働くってことは生産性が上がるし、自分だけがそれに対して時間やリソースを割かなくても、チームで解決して、価値を最大化できるんです。働きながら子どもを育てることになると、これまで仕事に全部注ぎ込んでいたリソースを家庭にも分配する必要があるので、使えるリソースは減るので、価値の作り方がそれまでと変わると思うんですよね。つまり、少ないリソースで大きな価値を出すとなると、マネージャーの方が組織に対しても社会に対しても価値を発揮できるかなと……。

yuitaso:現場のプレイヤーだと、納期が決まっていたりとか、自分の代わりに誰かにお願いしなきゃならないことなども出てきますしね。反対にマネージャーの業務って、自分の中で裁量やスケジュールを決めて、ある程度動かすことができるんです。もちろん負荷がかかる時期もあるのですが、このタイミングなら、会社にも家族にも誰にも迷惑かからないなって思う瞬間が結構あるんですよ。

haco:ワーキングバランスを組みやすい感じはしますよね。もちろん予想不可能なことも起きるけれど。なにより、チームで一緒に頑張れる仲間がいるという心理的安全性は、やっぱり、管理職の方があるかもしれないですね。

いかがでしたでしょうか。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今回、hacoさんと森内さんとお話をさせていただき、私は改めて「どんなフェーズであれ、周りに相談ができる人がいると助けになるな〜」とひしひしと考えていました。

私たちはキャリアを歩んだ後に出会った三人ですが、例えば就活時に、このように自分の考えをインプットし、ディスカッションすることができる人がいれば、全く違う心境で就活を終えることができたのかもしれないと感じています。

それでは最後に、もう一度、ReDesigner for Studentの宣伝をさせてください!

ReDesigner for Studentは、デザイナーを目指す学生と、デザインの力を信じる企業をマッチングする就活プラットフォームです。ひとりで考えることも大切だと思いますが、誰かと一緒にキャリアを考えることも、時には大事なことだと思います。ぜひ、ご活用してみてください。

「White Space」は、毎週金曜日の夕方に最新話を配信していますので、日常のちょっとした余白のお供に、よかったら聴いてみていただければ嬉しいです。


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