フランスのアーティスト・ビザ "Passport Talent" - これまでの2回の更新の話
こんにちは。
フランス在住のサクソフォニスト・パフォーマーの阪越由衣です。
2012年に留学という形で渡仏して今年で11年。音楽家と舞台芸術をとりまく諸々をシェアするためnoteで執筆しています。
前回の記事でフランスのアーティスト・ビザである Passport Talent(パスポート・タラン)の概要と、2020年に申請した際、どのような書類を提出したかを書きました。
本記事ではそのパスポート・タランの更新についての話をしたいと思います。
*パスポート・タラン「芸術・文化活動従事者」(Profession artistique et culturelle)の場合の話です。
パスポート・タランの更新
パスポート・タランビザを申請すれば最大で4年分の滞在許可証がもらえるのですが、私の場合、2回連続で1年分しかおりなかったので、2021年、2023年にそれぞれ更新の手続きを行いました。
つい先日の2023年2月、2回目の更新をしてようやく2年分の滞在許可証がおりたのですが、初回の申請時に比べ契約がさほど増えていたわけでもなく… 2年分おりた理由は正直なところよくわからないのですが、2回の更新時に提出した書類とその契約内容をご紹介したいと思います。
◆ 更新手続きは全てオンラインで
2020年に初回申請した際はパリの警察庁に紙の書類を提出しましたが、2021年の更新からは全てオンラインで手続きを済ますことができました。
こちらのサイトから自分のシチュエーションをたどっていき、最終的に書類を提出するサイトへと案内されます➡︎
https://www.service-public.fr/particuliers/vosdroits/F16922
◆ 更新準備は出来るだけ早めに
パスポート・タラン ビザを更新するには雇い主に契約証明書などの書類を用意してもらわなければいけません。フリーランスで活動している場合、雇い主が複数あることも珍しくはないでしょう。(所属している団体、出演予定の演奏会の主催者、などなど)早めにコンタクトを取り、書類や手紙が必要な旨を伝えることを強くおすすめします。なぜなら、ビザが切れるとアンテルミタンの失業保険の支給が即打ち切られてしまうから。(身を以て経験済み)
まあ、打ち切られたとしても更新の手続きが完了した旨を Pole emploi(フランスの職業案内所)に伝えれば再開されるのですが、余計な事務作業とストレスが増えることになりますので、可能な限り期限内の更新をおすすめいたします!
めったに起こり得ないケースだと思いますが、私の場合は1回目の更新後に滞在許可証自体が1年以上手元に届かず、そのせいで2回目の更新手続きが始められなかったという経緯があります。(「フランスだから何か知らんけど遅れてるんでしょ〜」と呑気に待ちすぎていたのが間違いでした… )
どれくらいの契約が必要?
どこまで参考になるかは不明ですが、私がパスポート・タランの申請時・更新時に持っていた契約の量をまとめてみました。
2020年から2024年にかけての私の芸術活動は以下の通り:
1. メインの契約(サーカスショーへの出演)
2. 単発の契約(単発依頼の演奏会等への出演)
3. 自主企画の展開(作品制作や楽曲委嘱)
◆ 2020年 学生ビザより切替 ➡︎ 12ヶ月分のビザが支給される
◆ 2021年 1回目の更新 ➡︎ 13ヶ月分のビザが支給される
◆ 2023年 2回目の更新 ➡︎ 24ヶ月分のビザが支給される
そしてこれらの先々の契約とは他に、過去12ヶ月に得た全ての契約書を提出しましたが、その中にはもちろん更新申請時には予定していなかった単発の演奏依頼の契約書なども含みました。
以上です!
ひとつの例として参考になれば幸いです。