試される子育て
次男が5泊6日の学校の学習旅行@秋田。
次男くんの予定
7時50分長津田駅で友達Aと待ち合わせ→8時1分の横浜線に乗って新横浜→8時半に新横浜にて友達Bと待ち合わせ→8時45分の新幹線で東京駅→学校の集合時間9時半の30分前に東京駅に到着(駅弁購入も出来ちゃうよ❤️)
う〜ん、我ながら完璧。
完璧な計画だ!
これならうっかり次男くんも予定通り行き着けるだろう。
夏の合宿もこの通りに東京駅に集合できてたし。
夏休みは大阪の実家まで一人旅もしたしね。
7時半には家から送り出し、今日は友人宅で多肉植物の寄せ植え教室の予約をしていた。その時までゆったりコーヒータイムを満喫しようとしていた私だった。
そう
あの電話を受けるまでは…
その電話が鳴ったのは8時46分、私の計画では次男が友達A Bと共に新幹線に乗り込んだであろう時間である。
ちゃんと乗れたという報告の電話なのであろうか。
教えていないのに、中学生ともなると中々しっかりすんだな。
私「もしもし」
次男「お母さん…中々新横浜に着かないよ…」
私「今どこにいるの?電車が止まってるの?」
次男「今橋本っていう駅」
ええええええっーーーーーーー!!!
反対方面ではないかーーーー!
しかもその時間は友達Bと新横浜で約束した時間を大幅に過ぎている!!
そして、新幹線に乗っているであろう時間のはずなのだ!!!
私「逆だよ逆!!うおーーー!乗り換えるんだーーー!」
次男「だよね、なんか違うと思ってたんだよ」
うがーーーなら降りろよ!誰かに聞けよ!!14だろー!!
私「すぐ新横浜に向かって!お母さん B君と学校に連絡するから!!」
電話を慌てて切って、B君ママに電話。
先に東京駅に行けるか確認。
学校に電話。事情を話し現地にいる先生から連絡をもらう手配を取る。
そしてそして運命共同体となってしまったA君ママと現状把握をするためにラインと電話。
先生の携帯より電話がなる。現在橋本にいて新横浜に向かおうとしている事、お弁当を買う時間がないため、秋田行きの新幹線内で購入可能かの確認、友人 Bが一人で新幹線に乗る事を伝える。
今までおじいちゃんとしか見てなかった携帯の向こうの先生がなんだかテキパキしていて素敵に思える。
かめちゃん、ステキ❤️
なぜだろう、何故かしら。。
そして次男より恐怖の電話第二弾…
次男「お母さん…今八王子みなみのっていう駅だよ」
私「ぬおーーー!!さらに新横浜から離れてるよー!!逆だよ逆!!」
次男「だよね、八王子って書いてある」
ちーん。。。
この電話を受けつつ、携帯アプリで新横浜行きの電車と新幹線を確認。
電話があったのは8時59分。八王子みなみので乗って欲しい電車は9時発。
1分しかない…
私「はしれー!すぐ乗ってくれー!!」
その電車に乗らないと、みんなと乗る予定の秋田行きの新幹線の時間10時23分に乗るための新横浜発の東海道新幹線に間に合わん!!間に合わんのだ!!
私、今パジャマ。
私今ノーメイク。
私コーヒー入れたところ。
パジャマの上から近くにあった黒いワンピースをかぶり、ノーブラのまま走り出す!!
なんとか長津田で彼らと同じ電車に乗れたら。
新横浜でスムーズに新幹線へといざなえたら。
おじいさんからステキな先生に昇格した彼に電話をして、現在の詳細を伝える。
「八王子みなみのから9時発の電車に乗れてたら、新横浜に9時45分に到着、新幹線の時間は9時52分。到着は10時10分になるので、秋田行きの新幹線の出発時間23分に間に合うと思います!今から私も長津田に向かって合流できるかやってみます!」
久々の全速力で雨の中最寄駅にダッシュ!!
多分私はサリーちゃんに出てくるよしこちゃんの弟たちのような足の回転だったであろう…
その間走りながら、今日の多肉植物の寄せ植え教室に一緒に行くはずだった友人に電話。
今日はいけないかもしれない事。もしかしたら秋田まであの子達を連れて行かなきゃいけないかもしれない事。多肉の先生が電話に出てくれない事を報告。
頭のいい友人は少ない情報で全てを把握して、諸々の連絡を快諾してくれた。
そのまま電話の通じない地下道へと走り出す私。
最寄駅から長津田へ。
そして長津田での横浜線への乗り換え時間はわずか1分。
間に合うのか自分、やれるのか私…
久々の全速力はアラフィフの身体を痛めつける。
もう長津田で人を避けて走るような脚力も残されていなかった。
田園都市線の改札を出た時点で横浜線の改札までイメージ通りに取ったポールポジション。
そのおかげで、滑り込みで次男が乗っていてくれるであろう電車にダイブできた。
しかしアラフィフの私はリバース寸前…早く彼らと出会わなければ赤の他人の前でリバース。
やばい…
メールで「今どこにいるの?何両目?」と聞くと
となりの車両にいることが判明。もつれる足と戦いながら私がとなりの車両に移った時には次の駅の十日市場についていた。
一両渡るのに、一駅かかってしまった…
フラフラしながら歩いて探すと、
なんだかおじいさんみたいなほんわりした二人を発見。
座ってますけど…そりゃそうだよね、なんてったって、八王子みなみ野からのっているんですものねっ!
私を見つけた B君
「あ、こんにちは〜」
めっちゃ爽やかですね。
もうお尻に根っこ生えてますね、二人とも。。
肝心な次男君も「あっ、きたんだね」的な扱い。
ええ、参りましたとも。
秋田まで一緒に行く覚悟ですよ。
新横浜に着いたら乗り換えに8分しかないからね、走ってね!と、これから訪れるであろう計画を改めて説明。
新横浜に着いてダッシュする計画だった。
しかし、大船から来た電車とほぼ同時に到着し、中々新幹線の切符売り場までたどり着けない。
「スミマセーん!通りまーす!」
いやいや、みんな同じ方向だよ…多分そう思われていたことでしょう…周りの人から…
その節は申し訳ありません。お許しください。
でも私たちに残された時間は8分。いやこの時点で8分はなかったであろう…
別々に切符買うとかマジありえない状況に、すでに横浜線に乗っていた時からクレジットカードを握りしめ、心の中で「大人三枚自由席で…」と、唱えていた。
あ、私行くんだね、東京駅に。
幸い有人の切符売り場がガラガラ。野球ならスライディングしたい気持ちで飛び込んで三枚購入!
二人に走るよーと声をかけて新幹線の改札をくぐる。
次男猛ダッシュで走り出す。
…
すみません、次男くん、そっちは新大阪方面ですよ
ここで初めてA君が次男に「こっちだよ」と声をかけた。
それ、朝の長津田でもお願いしたかったやつです…
ホームに駆け上がり駅員さんに自由席はどこかを聞き飛び乗る。
そしたステキな先生(かめちゃん)に電話
私「予定通りの新幹線の5号車に乗れました。お弁当はやっぱり買えませんでした。」
先生「大丈夫です。◯◯番線のホーム5号車の降りてくる位置で待ち構えてます!」
お、男らしい!
亀ちゃん、めっちゃ、男らしい!!
おじいちゃんとか思ってて本当にごめんなさい。
すぐ降りられるように三人でドア付近で立ち話。
A君「このまま一緒に僕たちだけで秋田までいけたら楽しいだろうね」
私、この時ちょっと思ったわよ。
そうね、秋田まで一緒に行ったら楽しいかもね❤️って。
なんだか張り詰めてた心も体も緩んだ瞬間で、ステキな夢も見ちゃったよ❤️
きりたんぽとか食べちゃってさ。
そういえば学生の頃、家で母がきりたんぽ鍋を作ってくれた時のこと。
父が「おー今日はきりたんぽんか」と言った。
思春期の私の耳はダンボとなったがあの時は上手に突っ込めただろうか。。今なら言えるよ、違うよって。
そして東京駅に新幹線が止まり、ドアの向こうにいたかめちゃんを見た時、それは戦友に会ったかのような気持ちだった。
か、かめちゃん!!やっと会えた!!
ドアが開いて二人をかめちゃんに差し出し、走り出す三人の姿に思わず私まで一緒に走り出してしまった。
途中で次男が振り返り
「お母さん、いつまで着いてくるの?」と…
あ、そうだよね…
さようなら、お願いします…
一人残された私は帰り道も分からなくなった。。
あれ?帰りも新幹線なんだっけ?
いやいや、東京メトロに乗りましょうよ、半蔵門線に乗りましょうよともう一人の私がナイスアドバイス。
帰りは変な時間のせいか電車もガラガラですぐに座れた。座った途端放心状態の私…
多肉植物の寄せ植え教室…行けるかな…
その格好で?何にも持ってないけど?
手ぶらだしノーブラですよ?
そんな中気の利いた友達が途中駅で私を拾う。
そして多肉教室へと…
実はその後の記憶があまりない…
今家に帰って証拠となるステキな寄せ植えがここにある。
いつのまにか作ってたんだ、私…
こんなステキな寄せ植えを。。
ただ鮮明に覚えているのは、私がかめちゃんがおじいちゃん先生ではなく、男として魅力的に見えたと話した時の友人からの一言。
「それってつり橋効果っていうんだよ。なにかを一緒にのりこえた時、相手と恋に落ちたような気持ちになるんだよ」と…
私は亀ちゃんに恋をしたのでしょうか、教えておじいさん。