幽谷霧子と歌:みんなの声が聴こえて、歌になっていく
はじめに
幽谷霧子の歌とは、どんな歌だろう。
私は、彼女の歌をどのように捉えているのか。
あなたの心には、どのように聴こえているのか。
幽谷霧子と「歌」にまつわるエピソードに触れながら、彼女が歌に込めている祈りを垣間見たい。
アイドルになる前の歌:W.I.N.G.編
霧子が普段からボランティア活動をしている病院の近くで、ライブイベントが開催された。関係者も多く集まり、ホームグラウンドのような和やかな雰囲気。
MCが終わり次の曲が始まる刹那、観客の赤ちゃんさんが泣き出してしまう。
霧子がとっさに披露した子守唄により、赤ちゃんさんは無事泣き止んだ。
実はこのように子守唄を歌うことが、以前からあったのだという。
彼女がアイドルとなる前から、幽谷霧子の歌は誰かに寄り添い、わだかまりをほどいていた。
その歌が運命の鍵だった:廻る歯車、運命の瞬間
アンティーカのデビューライブが決まり、ユニットコンセプトを考える5人。思い思いのアイデアを出し合うも、これだ! というものが浮かばない。
親睦を深めるため、カラオケボックスへと足を運ぶ。選曲や行動から、徐々に互いの持ち味が見えてくる。歌で魅了する恋鐘ちゃん、マイペースな摩美々ちゃん、かっこいい咲耶さん、気配りができる結華ちゃん。
そして、重い腰を上げた霧子さんが、歌う。
歌われたのはゴシック系の楽曲。霧子の第一印象からは想像がつきにくい曲調に驚きもあったが、実はアンティーカの5人の琴線に触れるモチーフであった。
その後はテーマの深堀りから衣装制作へとつながり、私達のよく知るアンティーカが形成されていく。
霧子の「自分を知ってほしい」想いを乗せた選曲が、運命の鍵を廻したのである。
みんなの声を聴いて、歌う:Landing Point編
ユニット単独ライブを控えた霧子に、ボイストレーナーから課題が提示される。
自分だけの歌。専門家でも答えを出せないような命題と、彼女は向き合う。
レッスンと並行して「幽谷霧子らしさ」を学習する人工知能コンパニオン「霧ちゃん」と対話する霧子。
私らしさとは。本当の私があるなら、嘘の私もあるのか。
自分の歌を探す霧子が、自我を持ち得ない霧ちゃんに歌を歌う。
「霧ちゃん」にも心があってほしいという願いが霧子の心にあった。
彼女はステージで一つの答えを見出す。
ステージで聴こえる、たくさんのあったかい声を受け止めて、歌にしていく。お返事のような過程が、霧子の歌の特質なのかもしれない。
音が、音楽になるように:【奏・奏・綺・羅】
ダンスレッスンをする霧子。霧子は知ってるステップが少ないって言われる上に、アンティーカ楽曲は難しいので苦労も多いはずだ。
練習を重ねて、表現を追求していく。
繰り返す過程が、音を音楽にしていくのだと彼女は捉えている。
ひたむきにランニングを続ける西城樹里にも、彼女は音楽を見出している。
華やかなパフォーマンスの裏にある研鑽に、想いを馳せずにはいられない。
歌が生まれたあと:【唯・唯・寧・詠】
ソロ楽曲「雪・月・風・花」の収録に臨む霧子。
ボイストレーナーの次の宿題は「アンティーカの外の霧子を見せる」こと。
本シナリオにおいては、表現に悩む彼女にプロデューサーがかけた言葉が印象的だ。
歌は、音源が完成したら終わりではない。
何度も歌う。何度も聴く。違う人が歌うこともある。
私達、霧子の中で、「幽谷霧子の歌」が紡がれていく。
おわりに
・今回は「歌」「音楽」に絞った内容としましたが、「音」に関するエピソードが大量にあるので、いずれきちんとまとめたいです
・LP編で語られる霧子のステージ観は【霧・音・燦・燦】を踏まえるとより楽しくなれます。ねぶたです。
・改めて、Landing Point編のシナリオが秀逸と感じました。幽谷霧子やシャニマスと自分が向き合うとき、いつも心に留めておきたいメッセージが詰まっています
・【奏・奏・綺・羅】は歌じゃないかもしれませんが、鼻歌がso cuteであるため歌枠です
お読みいただきありがとうございました。
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