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【楽・曲・考・察】幽谷霧子「雪・月・風・花」 ―「雪」「月」「風」「花」の背景―
はじめに
お世話になります。夜風悠衣音です。
本記事はべンプさん企画「シャニマスソロ曲解説・我儘なnote連作企画」の一記事として、幽谷霧子のソロ楽曲「雪・月・風・花」への所感を「雪」「月」「風」「花」のテーマで述べていきます。
7月のソロパフォーマンスライブ「我儘なまま」に向け、幽谷霧子と
「雪・月・風・花」のことを今より少し、知ってもらえたら嬉しいです。
LP編までの共通コミュ、「ストーリー・ストーリー」までのアンティーカシナリオ、pSRコミュのスクリーンショットを掲載します。ご承知おきください。
「雪・月・風・花」は、Apple Music, Spotify, LINE Musicならここから聴けます。
歌詞はこちらから。歌詞では「雪」「月」「風」「花」が順に登場します。
雪 ―霧子が見ている世界―
触れたら溶けてく なにも語らない妖精
寂しくないようにと
会いに来てくれた刹那の雪
幽谷霧子は、身の回りの様々なものに寄り添うことができる人です。その対象は人間に限らず、動植物、機械、自然現象など森羅万象に及びます。
霧子は対象の心が分かるわけではなく、自分がそう感じているだけかもしれないと述べています。
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ただ、想いを馳せようとする姿勢そのものに、霧子の優しさが表れているのではないでしょうか。
「雪」について
pSR「白・白・白・祈」では最初に降る雪を"長い距離を綺麗なまま降りてきて頑張ったね、他のみんなも励まされたよ"「雪・月・風・花」では"寂しくないよう、会いに来てくれた" と表現しています。
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両者で表現は異なるものの、雪に対してこれほど繊細な感性で向き合える人間は稀有でしょう。個人的に「雪・月・風・花」が「花・鳥・風・月」でない理由のひとつがここにあるのではと考えています。(イメージとして霧子と雪の親和性は高いです。)(鳥にまつわるエピソードもあります。)
月 ―パンをあげられるひと―
真昼を見下ろす ぼんやりがちな半分
焦らなくていいんだね
お返事みたいに雲隠れた弓張り月
ゆらゆらと
幽谷霧子はアイドル事務所のオーディションに合格できるビジュアルを持ち、心身ともに健康で、国公立医大B判定で、両親が医師です。アンティーカや283プロの皆も、霧子に対して好意的に接してくれます。
非常に恵まれた境遇にあると言えますが、同時にそれを負い目に感じている描写も見受けられます。
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"もらってばかりで、あげることができているだろうか" "誰かを負かしておきながら、何も生み出せなかったらどうしよう" 。他人に寄り添えるからこそ、”世界の残酷さ” に対して自分が無力なのではないかと思うのではないかと考えます。
ただ、実際は既に、幽谷霧子のアイドルとしてのパフォーマンスや、ひたむきに取り組む姿勢に励まされている人が数多く存在します。
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霧子自身も、そのことを次第に受け止められるようになっていきます。進路をはじめ課題は残っていますが、今は答えがわかるまでやるべきことを全力でする、と前向きに考えられるようになりました。
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「月」の節や歌詞全体のメッセージは、こうした背景を踏まえることで、地に足をついて受け止められる気がします。
余談ですが、「弓張り月」と「結名美月」で押韻できます。覚えておくとどこかで活用できるかもしれません。
風 ―アンティーカ―
うろたえて迷う 瞳を宥めたのは
髪を梳いていった
夢見る魔法をかけるような弓張り月
そよそよと
幽谷霧子は所属ユニットであるアンティーカのことを大切に思っています。 "仕事でも、何気ない日常であっても、共に時を過ごせることが嬉しい。アンティーカが、新たな世界を見せてくれる。" という趣旨の発言が数多くあります。
「風」の節は、シナリオイベント「MAGIA L'Antica 〜アンティーカの5つの魔法〜」を的確にまとめたものと考えられます。
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個人の楽曲で歌詞にするほどに、霧子にとってアンティーカの存在が大きいのだと想います。
花 ―物語を編む―
残酷にも見えそうなこの世界には君がいるよ
一瞬をつむいで物語を編む美しい花
ひらひらと
事務所の植物を丁寧にお世話することで知られる幽谷霧子。「花」の節が何を指しているかは迷うところがありますが、私は霧子自身のことではないかと思っています。
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「物語」で想起するのはやはり、シナリオイベント「ストーリー・ストーリー」での一節。
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生きていく上で、上手くいかないとき、不条理なときもある。それでも、近くに、遠くにいる大切な「君」の心を感じながら、共に重ねる時を愛しく思う。
周りの人を励ますことができる、幽谷霧子という人間のあり方が現れているのではないでしょうか。
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総論
やさしく やさしく 隣にいてくれる
俯く日はみんなの心を感じよう
ほどいて ほどいて 揺れるわだかまりを
霧の向こうには澄んだ空
待ってるいつも
いつでも
私は楽曲「雪・月・風・花」は、幽谷霧子のあり方を示していると同時に、霧子が皆に伝えたいメッセージでもあると捉えています。
身の回りのもののあたたかい心を感じながら、焦らず前向きに生きていく。霧子の感性に根ざした上で、普遍的な価値も持ち合わせているのではないでしょうか。
個人的にはわだかまりを ”ほどく” という表現がめっちゃおしゃれで好きです。包帯、うまく巻けてます。
揺れるような6/8拍子のリズムと、バグパイプ・ティンホイッスル・ハープ等ケルト音楽(スコットランド音楽らしいです。)の要素を感じられるサウンドも、優しく寄り添ってくれる印象を与えています。
「我儘なまま」での注目ポイント
Landing Point編で霧子は「歌う」ことと向き合い、ステージで「聴こえた」ものに応えることが自分にとっての「歌」であると見出しました。
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「我儘なまま」はユニットではなくソロのパフォーマンス。幽谷霧子はそこで何を聴き、どう歌うのでしょうか。注目です。
幽谷霧子役の結名美月さんの歌唱も、ライブや音源毎に良い意味で変化を感じます。最近は霧子のブレないところ、芯の強さが出てきている気がしており、音源や過去の公演とはまた違った魅力を見せてくれるはずです。
おわりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。霧子の意外と「我儘」な部分など、記事で伝えきれてない素敵なところがたくさんあります。気になったコミュは読んでいただけると嬉しいです。
企画してくださったべンプさん。今回執筆に当たってコミュを読み返す中で、たくさんの発見がありました。機会をいただけて感謝しています。
#シャニマス我儘なnote連作 では、ライブまでに全アイドル / 楽曲の記事が執筆されます。熱意のこもった紹介記事を読むことで、アイドルと楽曲の魅力を理解しやすくなるはずです。要チェックです。
杜野凛世「常咲の庭」の記事も書きました。