まだフリマアプリで消耗してるの?~買う前に考える習慣を身に付けよう~
記事の題名にかの有名なフレーズを使わせてもらいましたが、フリマアプリとの付き合い方についてまさに今日思った事があったので、自戒の意を込めて思いを書き残すことにしました。
フリマアプリ、皆さんは使っていますか?
もし家に要らないものがあった場合、2010年代初頭まではヤフオクで売るか、近所のリサイクルショップで売るか、はたまた知り合いに譲渡するかのほぼ3択だったのですが、メルカリの登場で「要らないものを個人で売る」ことに対する壁は格段と下がりました。
私は2017年頃に初めてメルカリをインストールし、以来こんにちまで約7年ほど使っていたことになります。
その間ラクマやPayPayフリマなど総合型だけでなく、magiやスニーカーダンクなど種類特化型など、様々なフリマアプリが登場しています。
各アプリでそれぞれ特徴が異なるので、複数のアプリを使っているという方も多いのではないでしょうか。
個人でも簡単で手軽に物を売ったり買ったりすることができるという便利な一方で、フリマアプリが生活に浸透すればするほどそれに振り回されてしまうという本末転倒な結果を招いてしまうことがあります。
今回は私の7年に及ぶフリマアプリ生活を通して気付いたことや感じたことを、自戒の意を込めてnoteに書き記していこうと思います。
予め断っておきますが、別に何もフリマアプリを全否定する記事ではありません。フリマアプリというサービスはとても便利であることには変わりないですし、それによって要らないものを置かなくなったり少額なりともお小遣い稼ぎができたりします。こういう経験はお子さまなどと一緒に取り組むことでむしろ社会生活に適応するための下準備になったりする一面もあるでしょう。
本記事はあくまでも、今後の自身の生活をよりよいものにしていくために、私個人がフリマアプリを通して感じたことを文字として残そうと思ったのが前提にあるので、その点誤解なきよういただけたら幸いです。
フリマアプリで変わった生活様式
今は何の疑いもなくもはやインフラとも化したフリマアプリ。それによって生活面が大きく変わったことと言えば「手軽に個人が物を売ることができるようになった」ですよね。
冒頭で書いたように、それまではリサイクルショップで纏め売りすることが大抵だったのが、自分が売りたい時に売りたい値段で売りたい人に売ることができるようになったというのはとても大きな変化だと思います。
現に、当時のヤフオクですらフリマアプリほど手軽に売れる機能は備わっていませんでした。そんな中、実際のフリーマーケットに近しい形で価格交渉したり売買したり。加えて匿名配送も整備され、見ず知らずの人と売買取引が行なえるようになったのは本当に画期的だなと感じます。
意外と労力が圧し掛かっている事実
しかし、そんな画期的な仕組みがある一方で、個人間取引であるがゆえに付いて回る作業も増えました。それが以下です。
出品作業
売る商品を検品(欠け、ほつれ、破れなど)する
売る商品の写真を撮る
商品名、商品説明文を考える
相場を調べる
送料も計算し、値付けする
商品管理作業
価格交渉などコメント応対
出品中商品の定期的な在庫確認(紛失してないか、状態変化はないか等)
相場変動に応じて値付け変更
発送作業
発送前検品(この時点で商品説明と差異があればキャンセル手続きや代替案の提案等が必要になる)
梱包資材の調達
箱詰め
コンビニや郵便局などへの持ち込み発送 or 自宅集荷対応
受け取り作業
届いているかの定期的な確認
届いているのに評価がまだなら催促のメッセージ
未着事故の疑いがあれば関係各所へ問い合わせ
評価付け
売上管理
引き出し期限に迫る資金の確認
売却益の引き出し
定期的なアカウント維持対応
本人確認対応
利用規約が改定する度に目を通し、禁止行為等の把握し直し
1つの商品を「売ろう!」と思い立ってから「実際にお金に変わるまで」の流れを文字に起こしてみました。
いかがでしょうか。これだけでもざっと20作業ほどあります。普段無意識にやっていることでも、作業一覧に起こしてみると意外と労力が掛かっていることが分かると思います。
そうなんです、フリマアプリは意外と労力が掛かるんです。私も7年間使ってきましたがこの事実に気付くまで7年掛かりました。
特に、出品時と商品管理の手間はなかなな無視できない時間を使います。最近ではアプリ側で相場を提示してきたり説明文を自動生成したり類似商品をコピーできたり一括値付け編集ができたりと、できるだけ利用者の負担を減らす機能が実装されてきてはいるものの、それでもその精度は十分とは言えず、やはり個人で売るからには利益最大化を狙いたい気持ちになるためこの辺りの手間は大きく圧し掛かり、時間浪費に繋がりやすい部分です。
発送作業では、普通郵便の場合、住所を書き切手を貼り封入してポスト投函乃至窓口で発送。らくらく便などの場合は品物が入る段ボールの調達から始まり、できるだけ送料を抑えるため段ボールの大きさを再調整したり。折れ防止・水濡れ対策や緩衝材の配慮などを含めるとあっという間に数十分~小一時間ほど経つので、億劫に感じている方も多いのではないでしょうか。
試しに今回、自宅に残っていたPSP2000を出品(写真撮影、検品状態確認、商品説明、相場調査、値付け)~梱包(水濡れ対策、衝撃対策、段ボールを見繕い実際に郵便局へ持っていける形にまとめる)までしてみたところ、1時間22分掛かりました。もちろん売る商品やどのくらい詳しく説明文を書くか等によっても差はありますが、それでも1つの商品を売り出すためには数十分~小一時間ほど要することが分かります。
さらに忘れてはいけないのが、アカウント維持対応です。昨今、古物業界では盗品や模造品の流通を根本から阻止する動きが活発化しており、本人確認の強化が広まっています。1度審査に通過したらOKという時代ではなく、定期的に本人確認が行なわれるようになってきました。加えて、転売などの迷惑行為等が目立ってくるにつれて都度利用規約も更新されます。今まではよかった行動も制限が掛かるようになり、知らなかったは通じません。以前の認識のまま最新規約上では禁止される取引行為を行なってしまい警告が来る事もあります。私の場合、数年前までは出品できていた国鉄時代の制服を出品したところいつの間にか出品禁止になっており警告を受けた経験があります。「公的職員になりすませる詐欺幇助の可能性があるからダメ」との理由で規約更新されていました。
当初は「スマホさえあれば家にある不要品をすぐに片づけられる」という手軽さが売りだったはずのフリマアプリですが、意外とそれに関わる労力の多さや年々規約が厳しくなることから、不要品だけど出品できない/結果的にリサイクルショップの方が楽という意見も結構散見されるようになってきています。
簡単に手放すことができるがゆえの、買わないという思考の喪失
ここまでは、物理的に目に見える範囲についてお話してきました。ここからは、目に見えない範囲についてお話ししていきます。
上記の労力を踏まえても確かに、「今までは業者が負担していた上記の各作業を個人が肩代わりすることでより高く売れるならそれでよし!」と思われる方もいらっしゃると思います。
本章でぜひ考えてみて欲しいのは「フリマアプリで売ったその品物は、どういう経緯で売ることになったのか?」です。
物を売る(=手放す)に至るには、いろんな経緯があります。例えば、
乳幼児の子供が成長して物理的に着れなくなった
引っ越し代を浮かすため取捨選択が必要になった
趣味の変化/推しが変わった
お小遣い稼ぎのためやむを得ず
買ったけど着なかった/使わなかった
自分の体質に合わなかった
買い過ぎた
同じものがすでにあった
プレミア化を狙って買ったものが値上がった
過去との決別
壊れたけどジャンク品扱いで売れるなら売りたい
コレクション整理
家族の遺品整理
などなど。思い当たるだけでもこれほど列挙できるので、恐らく人の数だけ手放す理由があると思います。
もちろん誰しも買うときは「使うから買う、好きだから買う」という気持ちで買うものですよね。「要らないけど買う」という人は転売屋でもない限りあまりいないでしょう。
今日私がフリマアプリを使っている最中にハッと気付いたのが「売った品物の在籍期間」の短さでした。
私は昔から星のカービィやシナモロール、ヒメグマのキャラクターが大好きです。時折新作グッズが出ればガチャガチャ巡りをしたり、限定コラボグッズが出れば送料を気にせず通販で買ったりします。
「限定品をゲットできた!やったー!」
「どこに飾ろうかな~♪」
「いつこの服着ようかな~♪」
「次の新作グッズはいつ出るか楽しみ!」
と、手に入れられた嬉しさと好きなものに囲まれる空間にご満悦になります。結果、仕事のパフォーマンスが上がった事もあったかも知れません。電車で座席を譲るほど心に余裕が持てた日もあったかも知れません。
で・す・が、
私がフリマアプリで手放した商品一覧を振り返ると、かつて必死に集めたそういうグッズ達が多く占めている事に気付いたのです。
そして、買った日付と売った日付を見比べると、平均してグッズ達が自宅にいた在籍期間はわずか2年足らずという事が判明したのです。
皆さんは、自分が買ったものがどれだけの期間、自分の身の回りにあるのかご存知でしょうか。というか、そもそも考えたことはありますでしょうか。
私自身も今回の気付きを得るまで全くそんな思考になっておらず、まして1-2年で手放していたのだと、正直ショックでした。
そうなんです。実はここにフリマアプリの落とし穴があるんです。
フリマアプリは確かに便利です。思い立った時に売ることができる。そして売ったそのお金でまた新しい物を買う。普通に考えれば「売った売上金を使えば安く買えるんだし、お金が循環しているんだから別にいいじゃん」と思うかも知れません。
でも、手放す選択をしたという事は、無くても困らないと少しでも思ったから手放すのです。極論ですが、本当はそこまで欲しくなかったものでもあると言えるのではないでしょうか。
私の場合まさにそうでした。振り返ると、
この商品可愛いなぁ。買うかどうか悩む。フリマアプリでちょっと相場見てみよう!それなりに取引されてるわ。買って使わなくても売ればいいっか。
この限定品、定価で買うと高い…。フリマアプリ見たら1000円くらい安い!即買いだ!
という考えで買っていたグッズが多かったです。
そうして買った商品は最初使ったり飾ったりします。でも新作が出る度に、部屋の模様替えをする度に押入れや引き出しに仕舞われ、そこも圧迫してくると順次手放すということをしていました。
簡単に売ることができるからこそ、本当にその商品が欲しいかどうかを考えず、まずは買って手に入れる。その後で要るか要らないかを検討する。
そんな思考になってしまっている方も多いのではないでしょうか。もちろん私もその一人です。
このように、生活の便利さと生活の豊かさは別物であることに改めて気付かされた瞬間でした。
”物”は買われる前が一番価値があり、”あなた”は買う前が一番お金持ち
物の価値について考えてみます。
意外と見落とされがちなのですが、プレミア品でもない限り殆どの商品は例え新品未開封で売ったとしても、あなたがお店で買った金額が戻ってくることはありません。大抵は定価の20%~30%引きの価格帯で売れるものです。
いくら「新品未開封です、1度も使ってません」と商品ページに記載したところで定価で出品してもまず売れません。加えて、販売手数料やら送料やらで数百円~数千円ほどが引かれてしまいます。
せっかく写真を撮り説明文を練り1時間かけて出品し、コメント対応もしてようやく売れて梱包も頑張ったのに、結果手元に残ったのは僅か1000円ほどということもしばしばあります。
時給換算したらあまりにも低いことに気付きます。
少し脱線しますが、お金を稼ぐとき一番最初に言われる格言に「自身の時給知ってますか?」があります。アルバイトなら時給いくらと知っている人が多い反面、いざ正社員となると月給に単位が変わるためなかなか調べない方も多いと聞きます。
ちなみに私の会社員での時給は3487円です。
昔は「手数料や送料が引かれて売上金に残る額が500円未満だった不要品は時間がもったいないので売らずに捨てる」を実践していた時期もありましたが、数百円でも塵も積もれば山となる!と考えが変わってしまい、結局それ以来は何でも売るようになってしまいました。
話しを戻すと、物というのは消費者の手に渡る前が一番価値を持つという性質があります。どうせしばらくしたら要らなくなるのなら、買わない方がいいに越したことはありません。それならあなた自身もお金を使わずに済みます。物を買う前があなたにとって一番お金持ちな状態ですからね。
私はこの2つの事に気付いたとき、そっとフリマアプリをアンインストールしました。
浪費しないことでお金を稼ぐ
お金を稼ぐと聞くと多くの方は「割のいい仕事をする」「昇進して給料を増やす」「副業や投資をする」というように、プラスの額を高める手法を想像すると思います。
でも実は、マイナスの額を減らす手法でもお金を稼ぐことができます。この視点は意外と見落とされがちです。
マイナスの額を減らすというのは具体的に何か?例えば、
固定費を減らす
郊外など家賃が安いところへ引っ越す
キャリアではなく格安スマホに変更する
車を持たない
空き家になった実家を手放す
サブスクや保険を見直す
消費を減らす
買う前に本当に欲している物か考える…★
衝動買いをやめる
安いところで買う
送料を気にする
借金を完済する
などが挙げられます。
プラスの額を増やす手法と異なり、こういったマイナスの額を減らす手法ではあまり実感が湧きにくいため、本当にお金/資産/貯金が増えているのか?と認識しづらい側面もありますが、これ、結構効いてきます。
私もある時、消費者金融で数百万円の借り入れがありました。
毎月2万ほど返済していてもなかなか元本が減らず、苦労していた時期もありました。住み心地が良かった部屋から家賃が低い部屋に借り直したり、キャリアから格安SIMに変えたり、ボーナスを充当したりして何とか数年で完済しました。
するとどうでしょう。今まで天引きされていた2万円が口座に残るだけでなく、家賃も携帯代も抑えられていることでかなりの額を貯金できるようになったのです。
私の場合は自由に使えるお金が増えた反動でついつい「買ってから要不要を考える」というリッチな思考になってしまっていたところはあったのですが、それでも着実にお金は貯まります。浪費をしないという意識をするだけで、それこそ昇進試験や新しいスキル学習など何の努力もせずにお金を稼ぐことができるのです。
今日私はフリマアプリの意外な盲点や★の考え方に気付いたことで、過去の自分の浪費癖を見直すきっかけができただけでなく、今所持している物に対してももっと丁寧に扱わないといけないなと再認識することができました。
フリマアプリは便利です。便利ですがそれが中心になってしまうような生活になっては本末転倒です。
自戒のためにも書きますが、そこまで欲しくなくても要らなくなればフリマアプリで売れるから買っちゃおう!はあまりお勧めしない生活様式だと思います。
ぶっちゃけ、フリマアプリはなくても生きていけます。その時点でインフラではありません。給料が下がり続けると言われる現代において、浪費はとても死活問題です。殆どの人は新作商品が出る早さに稼いだ額が追い付いていかないものです。
物が大量に溢れている時代だからこそ、安易に買わず1つの物を大切に長く使い続けるという昔ながらの考えが、今こそ必要なのではないかと感じました。
冒頭でも記したように私自身がフリマアプリとの付き合い方について思った事を自戒の意を込めて書き残したものですので、読み辛い点などありましたらご容赦くださいますようお願いいたします。