【中国】命がけの鳥人間と99のヘアピンカーブ
2017年、8月。東京。
キラキラした眼差しでパソコンの画面に食い入って歓声を挙げるヒロ。
一体何がそんなに面白いのか後ろから覗いて見ると、山肌にぽっかり開いた穴の中に向かって、ウイングスーツジャンプで時速200kmのスピードで通り抜けているスリリングな動画だった。
ウイングスーツジャンプとは、手と足の間に布を張った滑走用特殊ジャンプスーツ(別名ムササビスーツ)を着て、スカイダイビングの様に空へ飛び出すアクティビティだ。
そうは言っても命の危険と隣り合わせな為、スカイダイビング熟練者など、限られた人のみができるもので、飛んだ8秒後には時速200km以上に達する、その姿・スピードはまさに鳥人間そのものである。
当然そのリスクは大きく、事故で亡くなるジャンパーも多いと言う。
「俺、絶対ここ行くから!中国にあるんだって!」
「おーいってらっしゃい!気をつけて」
なんて野放しにしたら、航空券を取ることは愚か、日本から1歩も出ることができない39歳。笑
なので今回の旅で組み込むこととなった。
空への憧れは、いつの時代も人が強くロマンを感じるものなのだろう。ライト兄弟の成功に始まり、現在の飛行機が開発され、我々は今日、低コストで自由に世界を飛び回れる時代に生きている。
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もう1つ。
世界最長級の7455mのロープウェイで山頂まで行く途中、眼科に広がっているのは99のヘアピンカーブ。
人口が作り出したものとは言え、つくづく奇形きわまりない。 もちろん帰りはこの道をバスで降るのだが、一歩でもハンドル操作を誤ったら、崖の下へと真っ逆さまな恐怖心を煽る道である。
一般の走行でも危なっかしいのに、なんと2013年にはRedbullが協賛でドリフトイベントを開催し、日本のD1にも出場している香港のドリフター・ジェームズ・タンとイタリアのフェデリコ・フェリシオが断崖絶壁のコースで迫力のドリフトを披露している。
魂震わすロマンとはつくづく命がけだ。命をかけた人にしか味わえない、それだけの感動や達成感が感じられるのだろう。 様々なリスクは取っても、授かった命だけは大事にしたい。
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当日。
肝心の天門山観光の天気はと言うと、まさかの濃霧。 ロープウェイでも、途中から自分がどこにいるのかわからない程、四方八方真っ白で一向に晴れる気配がない。。。
天門山の山肌の穴も濃霧で一切見えず。と言うか、5メートル先も見えない程の濃霧だから当然だよね。
目玉スポットであるガラス張りのウォークポイントも霧が濃すぎて高所恐怖症な私も余裕な程なにも見えない笑
もちろん、ウイングスーツジャンパーもドリフトもやってるはずがない。
天門洞の999段の階段をひたすら足場の悪い中下り、真っ白な思い出と筋肉痛だけはしっかり残った。
チーン。
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