フィンランド流!就職できないなら最終手段だ、起業しよう!
北欧の多くの企業では、日本企業のように新卒枠を設けていない。学校で勉強だけをしてきた人より、様々な経験値やスキルのある人が欲しいのだ。その為、卒業後は、旅をしたり気になる会社のインターンに行ったり趣味を極めたり、就職以外のことに取り組む人も多くいる。
国の未来を作る子供たちの教育を国がしっかりサポートする。また、年齢に関係なく、学びたい・チャレンジしたい人も同じように応援する。
「教育は国力に直結する」それが北欧の性格で、トータル70%以上の税金によって徹底して賄われている。学費が無料なので、子供の進学に経済面で頭を悩ませる親はいない。なんと大学生には、一定期間の生活補助金も支給されるという。
北欧には、デンマーク生まれのフォルケホイスコーレという、大人が興味を広げられる全寮制の学校がある。テストも通信簿も制服もなく、好きな教科を選択する。その教科は、一般的に学校で習うものに加え、陶芸・裁縫・料理・ヨガ・スポーツ・建築・ウェブスキル・デザイン・写真・DJ・宗教・演劇・などとても幅広い。嬉しいことに、外国人も同じ料金で受けられる。
デンマークでは、転職中に、フォルケホイスコーレに通って歌に目覚めて歌手になった人もいると言う。3歳から始めなければその道のプロになれないとか、耐え続けて1つのことを全うすべき、という凝り固まった価値観で縛る風潮はない。いつでも方向転換やチャレンジできる環境が整っているので、始めるのに遅すぎるということはないのが北欧流だ。
学ぶことにいちいち決断と料金負担と未来への縛りがセットで付いてくる日本のシステムから見ると、夢のようなシステムである。
だが、この北欧の高福祉社会の恩恵が面白い現象を生み出している。フィンランドでは、興味のままとことん学べる環境が整っている為に、高学歴者が溢れている。誰でもできる仕事は、インドや中国に安く外注されている為、就職の間口そのものが狭くなっているのだ。
他国で働くこともできるが、北欧は世界一物価の高い地域だ。わざわざ他国の低い物価で稼ぐことはばかばかしい。ならばと、フィンランド人が取る最終手段が起業である。国内でスモールビジネスを起こすのだ。
これまた、高福祉の恩恵で、失業手当が充実しているので、日本のように起業することにリスクとプレッシャーを背負う覚悟が必要ない。
学生時代から起業を始める人も多く、これがダメなら次、まただめなら次!と10回以上の起業を経てやっと成功する人もいる。ダメもとでチャレンジできるセーフティネットがある為、起業のハードルは日本に比べるとかなり低くなる。
起業は、誰もにでもチャンスのある選択肢の1つ。そんな国が、世界にあるんだってことを知った。既成概念ってものは、一歩外に出れば、簡単に壊すことができるんだろう。