見出し画像

苦手な人にギロチンシャッターを下ろさないために

いつだって毎日楽しく笑っていたい。でも、合わない人と笑顔で話をしなきゃいけない日もある。合わない人って、自分を攻撃してるように見えてしまうから、気づけば疎遠に。。。

どんどん人付き合いも狭くなって、同じ人としか絡まなくなったり。刺激を求めているのに、自分とマッチしない人はギロチンシャッター降ろして排除!
ますます孤独になって、ついに親友はHuluに。笑



これ数年前の私。笑



でも、中国で自分と違う価値観を受け入れることができるようになってから、異国のカルチャーに対する「なんでそうなるの?」にイライラしなくなったし、世界がうんと楽しくなったんだよね。



中国人って常にせかせかしてるし、大声で話すし、なにかと強すぎるし本当に苦手だったけど。
理解に苦しむ、「いやいやなぜそうなってしまうの?」について、実際に中国での経験を元に書こうと思う。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


西安のホテルの部屋で、「中国らしいなー!」と窓際でケタケタ笑っているヒロ。一緒になって外を見ると、大通りの信号機がない交差点で、バスと一般車の衝突事故!

当人同士には、警察や保険屋を呼ぶほどの冷静さや落ち着きもない。急いでいるのだろう。どちらかが車から降りて謝ったり話あったりすることもなく、どちらもその場で車の窓から叫んでいる。


不運にも、この忙しい時間帯に通行止めをくらっている他の運転手らは、「邪魔だどけ!」と言う思いをクラクションに込めて、ひたすら鳴らし続けている。

5つ星ホテルの防音ガラスと言えども、クラクションの重奏が奏でる音量には叶わなず、私たちも様子を見守った。

画像1


次第にバスの乗客が苦情を言い始めたのか、バスは道路脇に寄って、乗客を降ろし始めた。が、その隙に、一般車はまさかの逃走!!!笑
やはり日本の常識は通じない。逃走もそうだが、それ以前に、


「どうして交差点のど真ん中で喧嘩し続けられるの?」


理解しがたい謎が頭にこびりついた。


ーーーーーーーーーーーーーーー


中国ではどの都市を訪れても、喧騒と排気ガスと競争は必ずセットで付いてくるし、訪れる誰もがこの洗礼を受けるだろう。お先にどうぞ、なんて美しき思いやりは、殺気のある音量マックスの北京語に瞬時にかき消される。


北京でガイドをしてくれたマーさんに聞くと、中国では、人を押しのけてでも大声を出してでも、我先にと強く主張して歩かなければ、人が多過ぎて、バスや電車の乗り降りもできず、学校や会社に遅刻してしまうと言う。


中国人はこの環境下でも負けずに生きなければならない為、親は子に、自分の利益をまず再優先することを教えると言う。日本人が中国人に違和感を感じる行動は、突き詰めるとほとんどがこの教えに辿り着く。


その為、子供であろうが、一歩家の外へ出ると、前つんのめりな戦闘モードにならざるを得ないのだ。

確かに、ラッシュ時に、満員バスに小学生が無理やり乗る姿を何度も見た。駅員が乗客を押し込める朝の山手線なんてもんじゃない。人に何かを譲ったり、気を使うと言うことは、中国で生きていく上では死活問題となる。


割り込まれるほうが悪いと言う価値観の為、日本の空港で荷物検査などに並んでいても、後ろに隙間なくぴったりくっついて並ぶのはだいたいが中国人である。いつも、なに!せかさないでよ!とイラついていた私も、それを知ってから、誰も割り込まないのに!と笑えるようになった。そしたら、相手も笑っていた。中国人のせかせかは全く悪気がないことを知った。



そもそもの人口もカルチャーも違いすぎるのに、それを知ろうとも受け入れようともせずに、日本の価値観に当てはめて、ノー!と、勝手にイラついていたのは私だ。自ら心を閉ざすことは、偏った見方から勝手に敵を作り、自分で自分をただただ生きづらくさせる。



ヒロが西安で飛行機内にキンドルを忘れた時も、懸命に空港と電話のやりとりをして発見してくれたし、張界家では、心優しい隣の部屋の中国人が朝4時にタクシーを拾うのを手伝ってくれた。

上海蟹の養殖場のおばあちゃんだって、言葉が一切わからない私を気にかけて、自ら手書きで絵を書きながら、始終レストランでサポートしてくれた。

同じ人間に、一生懸命に線引きをしていたのは、他でもない自分だと気づいて、中国人に対する当初の苦手意識はほとんどなくなった。

いいなと思ったら応援しよう!