【16話】幼馴染みの想いで話(唯と梨紗ちゃん)
行きたい高校の理由
「高校やっぱりAA高校 梨紗ちゃん」
「A高校よ」
「そうなの 梨紗ちゃんだったら AA高校 行けるんじゃない」
「そうだけど 私はA高校の 理系進学科に行きたいのよ」
「そこって 難しいの」
「理系進学科はAA高校より 偏差値高いわよ」
「そっかー じゃあ一番いいとこなんだね」
「それは別に関係ないわよ 大学受験は そこの方がいいからよ」
「・・・大学・・もう決めてるの 梨紗ちゃん」
「そうよ」
「どこなの」
「KT大学の 理工学部情報工学科よ」
「情報工学って コンピュータとか そこ出て どうするの」
「私はね その分野の 研究がしたいのよ いずれコンピュータやネットワークは 身近になるわよ 色んな分野で応用されるわよ まだ何を研究したいかは もっと勉強しないと分らないけど だからこそ日本で一番研究体制が進んでる KT大学に行く必要があるのよ」
「そこって 一番いいとこなの」
「一番はTK大よ ここは二番目ね でも ここの情報工学科は一番偏差値高いわよ」
「梨紗ちゃんって 二番目で一番が好きなんだね」
「そういう訳ではないわよ たまたまそうなっただけよ」
「そっかー もうそんなとこまで 決めてるんだね 唯なんか全然だよ」
「そこまで決める必要は 今はないわよ たまたま私は やりたいことが見つかったからよ それで唯は B高校にするのよね」
「唯は C高校にしようかなーって」
「C高校って 唯なら B高校でも 大丈夫と思うわよ」
「いいんだよ C高校で 唯は三流高校でも確実な方が」
「B高校でも 心配ないんじゃないかしら」
「いいんだよ そこで そこがいいんだよ 唯は」
「・・・何か理由がありそうね」
「そんなのないよ 勉強が楽だからだよ」
「楽なとこってないわよ・・・なんか いやにC高校にこだわるわね 唯 絶対なんかあるでしょう 隠さず言いなさいよー」
「わっ 分ったよ梨紗ちゃん 言うよ 言うよ」
「それで何なのよ」
「あのね 梨紗ちゃん」
「それで」
「大きな声では 言えないんだけどね」
「そっ それで」
「小さな声では 聞こえないんだよ 梨紗ちゃん」
「・・・ゆいー 何ふざけてるのよー いい加減にしなさいよー」
「もー梨紗ちゃん すぐ怒るんだからあ 唯のたまの冗談なのにい」
「たまじゃないでしょー しょっちゅうでしょー 理由は何なのよー」
「制服だよ 制服」
「制服・・・・」
「そうだよ そこの高校の制服 去年から新しくなったんだよ それがまたスカートも短めで 唯好みなんだよ 格好いいんだよ だからだよ」
「それだけ」
「そうだよ」
「それで B高校蹴って C高校に」
「そうだよ 制服って 毎日着るものだから 大事だよ」
「あっ 呆れた そんなことで」
「だって梨紗ちゃん 制服ダサいと 行きたくなくなるよ 勉強もする気なくなるよ 唯にとっては譲れないところだよ」
「じゃあ そこだったら 勉強する気になるのよね」
「それは まだ分らないよ 入って何日かしないと」
「アホくさ あーアホくさ 真剣に考えて損したわよ 好きにしなさいよ 好きに もーどーーでもいいわよ もう知らないわよ」
「わー 梨紗ちゃーん 唯を見捨てないで欲しいんだよー お願いだよ梨紗ちゃ~~ん お願いだよ~~」
「・・・もー 本当に唯は・・・見捨てるわけないでしょう」
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