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【18話】幼馴染みの想いで話(唯と梨紗ちゃん)

今回は、唯ちゃんと梨紗ちゃんの、中学時代の想いで話です。

中学生の、唯ちゃんと梨紗ちゃん

中学生になった唯ちゃんは、小さい頃の唯ちゃんが、そのまま中学生になったと思って下さい。その特徴や破天荒さは相変わらずですが、少し大人になったせいか、可愛さよりも愛らしさが増し、ギュッとしたくなる可愛さになっていたのです。

一方、梨紗ちゃんは、小さい頃より精悍さが増し、その冷たい表情が、本来もっている綺麗さをより引き立たせ、不思議な魅力が加わっていたのです。
もう梨紗ちゃんを、顔つき顔立ちでいじめる人は、もういません。
ただ、冷たい表情とは言われますが、少しでも梨紗ちゃんを知ると、それが魅力へと変わっていくのでした。

唯ちゃんは、ギュッとしたくなる可愛さから、ラブリーキュートと言われるようなりました。
梨紗ちゃんは、表情こそ冷たいが、顔立ちが精悍で綺麗なことから、
クールビューティーと言われ、後に感情によって精悍さと冷たさが増すことから、良い意味で、アイスビューティーと言い直されました。

唯ちゃんは可愛さで、梨紗ちゃんは綺麗さで、校内一と謳われ、二人が一緒に廊下を歩いていると、一層の注目の的になりました。
一躍、人気者となったのです。

下がっていく、唯ちゃんの人気

さて、そんな唯ちゃんですが、多少大人っぽさは出てきましたが、それ以外は全く変わっていません。
最初は唯ちゃんのギュッとしたくなる可愛さに、ドキドキしたり、彼女にしたい、と思う男子は数知れずいました。
しかし、唯ちゃんのことを知ると、ガッカリする男子も数知れずいました。

・周りの子達とキャーキャー騒いで、ゲラゲラ笑っている。
・机に伏して、ヨダレを垂らして爆睡している。
・男子と一緒に、廊下に立たされている。

など、あとは【17話を参考にして下さい。

「唯 どこ行くの」(A子)
「ウンコだよ」(唯)

「唯 トイレ行かない」(B子)
「オシッコ出ないから 行かないよ」(唯)

このような唯ちゃんを、目の当りにするのですから、小学上がりの中学生には、理解されません、幻滅されるだけです。
よって、唯ちゃんの人気は、下がる一方です。

うなぎ登りの、梨紗ちゃんの人気

一方、梨紗ちゃんは、やはり精悍で綺麗とはいっても、冷たい印象は避けられず、近寄りがたいと思われてしまいます。
大人っぽさもあるので、これも小学上がりの中学生には、理解されません。
しかし、怖い物見たさで、梨紗ちゃんを見に行くと、

・言葉遣いが、はっきりとして丁寧で綺麗。
・クラスの人達に、勉強を教えている。
・唯ちゃんといるときの表情に、暖かみ出て優しい感じになっている。
・フッとした軽い笑みをこぼすときの、ギャップが魅力的で萌える。

など、最初のネガティブな印象が、ポジティブに変わり、大人っぽさも手伝って、頼れる素敵なお姉さん的な印象になって、人気がうなぎ登りになっていきました。
しかし、やはり、小学上がりの中学生には、梨紗ちゃんはハードルが高かったようです。

と、両極端な、唯ちゃんと梨紗ちゃんでした。

唯ちゃんも、幻滅されてばかりではなく、上級生や一部の同級生には理解されることも多く、元気で可愛く天然な妹キャラで、人気の高さは変わりませんでした。

梨紗ちゃんは、上級生からはツンデレ彼女キャラ、下級生からは頼れるお姉さんキャラで人気が高かったのですが、なんと男子より女子からの人気が高かったそうです。
中学生の男子では、梨紗ちゃんはハードルが高かったようです。

バレンタインデーには、梨紗ちゃん、女子に沢山のチョコレートを貰ったそうです。唯ちゃん、ホワイトデーに、あげてもいないチョコレートのお返しを沢山貰ったそうです。これらは、仲良く二人で食べたそうです。

「今年もチョコ沢山貰ったね 箱に全部入れるんだよ 梨紗ちゃん」
「この段ボール箱でいいかしら 唯 包んでるの剥いじゃってよ」
「もう剥いでるんだよ」
「じゃあ 全部入れるわね」
「入ったから 蓋するよ」
「唯 ちゃんと蓋に穴開けた」
「開けたよ 丸いの」
「じゃあ 食べましょう 掴んだのは必ず食べるのよ」
「分ってるよ チョコだったら 何でも食べるよ」
「次は ホワイトデーね 唯 期待してるわよ」
「分ったよ 梨紗ちゃん」

こんな会話が、有ったとか無かったとか。
二人にとって、バレンタインデーとかホワイトデーは、おやつの日です。

そして、中学の三年間、唯ちゃんと梨紗ちゃんには、浮いた話は一つもありませんでした。

では、また次回に、お会いしましょう。

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