【5,895m】人生を変える体験になったキリマンジャロ登頂
こんにちは。ゆいきです。
2024/5/2に、標高5,895m、高低差約4,000m、往復68km、酸素は地上の半分、頂上は極寒というアフリカ最高峰キリマンジャロに登頂しました。
キリマンジャロへの挑戦は、まさに総合格闘技で、今まで培ってきたリサーチ力、計画力、体力、筋力、チームワーク、コミュニケーション力、問題解決力、セルフコントロール力、全部を総動員して、ときには失敗しながらもその場で改善し、さらには運にも恵まれて、やっと成し遂げられる挑戦でした。
だからこそ、仲間5人全員で最高地点ウフルピークにたどり着き、抱き合ったときには本当に本当に嬉しくて、自然と涙が溢れました。
人生を変える体験だったと心から言える経験だったからこそ、自分への備忘録がてら、下記の3つの観点で振り返りたいと思います。
1. キリマンジャロに登りたいと思った理由
「そもそもなぜキリマンジャロに登りたいと思ったのか?」というシンプルな問いですが、実は出発前まで言語化できていませんでした。
私は新しいこと、やったことのないことにはほぼワクワクしてしまう性格なので、反射的に「行く!」と反応し、気づけば準備を進めていましたが、出発直前に「そういえば理由ちゃんと言語化してなかったな」というのを思い出し、とはいえ時間がなかったため、登りながら言語化しました。
改めて振り返ってみて、一番しっくり来たのは、「面白そうだし、できる気もするし、メンバーも最高だし、結果何を得られるかわからないけど人生が変わる気がした。そして、このチャンスは次いつあるかわからない」という感情です。そして、成功するかしないかでその後の人生がめちゃくちゃ変わりそうという想いが、登頂するための強い気持ちにつながったのではと思います。
しかしながら、それが即座にキリマンジャロ挑戦につながるわけではありません。
下記のように、いろんな積み重ねがありました。
富士山に9回(※当時)登り、うち1回は0合目から登れたこと。登るたびに体力も知識も向上している実感があったこと
昔テレビで見た「酸素ボンベ無しで登れるアフリカ最高峰の山」というキーワードに対する憧れがずっと残っていたこと
旅行(海外含む)も登山も何回も共にしてきた仲間の一人が去年アフリカに行った際にキリマンジャロを見て「登りたい」とLINEを送ってくれたこと
ライフプランの観点から、ふらっとアフリカに行けるタイミングは今しかないのではないかと感じたこと
などなど。
準備も本番も大きな挑戦だったからこそ、よくよく振り返ってみると理由はシンプルではなく、いろんな積み重ねと、きっかけとタイミングの結果としての意思決定でした。
改めて「一つ一つ積み重ねていくことで、次の大きな目標が見えてくる」というのを身を持って体感しました(人生やキャリアにも、共通で言えると思います。だからこそ、目の前のことを1つ1つ大事にして、全力で取り組んでいこうと改めて思いました)。
そして、登山中、仲間にも聞いてみたのですが、これが人によってまた全然違っているのが非常に面白かったです。
2. 成功の要因
冒頭で総合格闘技と表現しましたが、特に下記が重要だったと考えています。
(1)限界まで自分を追い込んだ経験
いきなり根性論みたいなキーワードで恐縮ですが、、、
日本の山を登る中で、自分より体力がある人とハイペースで登って息が苦しくなったり、睡眠不足の中登山したり、膝や股関節を痛めたり、寒さに震えたり、高山病になったりと、登山辛いシリーズはある程度経験していました(登山は好きですが、これは私にとってネガティブなものです)。
キリマンジャロに登る前、経験者の何名からか「人生で最も辛い経験だった」というコメントを聞いて恐れていましたが、あるときにふと、「私の中では、全部経験したことがあるつらさだからまだ大丈夫。」という考え方でメンタルを保つことができました。実は2日目、自分のミスでなんと富士山7~8合目の高さで高山病を発症したのですが、そのときも「やっちゃった!辛い!でもこうすれば治るから大丈夫!」と、まったく諦める理由にならなかったのは、そのような経験が過去にあったからこそです。
5泊6日全体を通して、準備と今までの積み重ねがあったからこそ、結果的に「人生で一番辛い経験」にはなりませんでした!よかった!
※あくまで私個人に当てはまる話であって、フィジカルが強い人にはたぶん当てはまらないと思います。
(2)仲間とガイドのサポート
今回5人のメンバーのうち、明らかに最も体力がないのは自分でした(女性は一人だけでした)。
その中で、ペースを合わせてもらったり、限られた数のガイドさんによるサポート(荷物を持ってもらうなど)を厚めにしてもらったり、励ましてもらったり、ときにはユーモアや音楽やクイズで楽しませてもらったり、ライオンキングのシンバのぬいぐるみ(メンバーの一人が持ってきました笑)に癒やされたり、めちゃくちゃ良い写真を撮ってくれたりと、体力もメンタルも気遣いも最高で、みんなで一緒に頂上に立ちたいと思える仲間たちが一緒にいたからこそ、乗り越えることができました。
特に、最後の頂上付近が険しい道で高所恐怖症の私には結構辛かったのですが、ずっと大丈夫と励ましてくれて本当にありがたかったです。
また、5人のチームに対して、総勢14人の現地チーム(ガイド、ポーター、コック)がサポートしてくれるのですが、彼らが本当に最高でした。常に笑顔とホスピタリティ溢れるサポートで、彼らがいなければ、登頂はありえませんでした。とっても心強かったです。
(3)グッズ
今回、グッズの大切さと素晴らしさを身にしみて体感しました。
富士山の装備では全然通用しなさそうなので、キリマンジャロ用にいろいろ揃えました。
私の場合、特に登山中はだいたい足の痛みにやられてしまうため、登山靴、インソール、サポートタイツにはしっかりこだわりつつ、毎日筋肉痛用の塗り薬を塗りました。
その結果、これだけ歩いたのにもかかわらず、富士山五合目〜頂上の筋肉痛や嫌な痛みよりもマシで、グッズの重要性、またそれを開発する技術に魅せられました。
これは日本の登山もかなり楽になりそうなので、今後も楽しみです!
(4)セルフコントロール力
登山においては、意外と自分の身体に鈍感なもので、気づけば高山病になっていたり、スタミナが切れていたりと、メンタルにも影響が大きく、リカバリーも大変な状況に陥ることがあります。
今回登りながら身につけたことは「この状態であれば、ずっと動ける」という身体の状態を保つために、その時々の自分の身体の状態に敏感になり、必要な対処をする能力です。つまり、喉が渇く前に水分が足りなくなってきたこと、お腹がすく前にエネルギーが足りなくなってきたこと、酸素が足りなくなってきたことなど、なんとなくわかるようになりました。
出発前に高山病トレーニングを受けたのですが、パルスオキシメーターの数値を見ながら「今、酸素足りてない感じがわかりますか?パルスオキシメーターをつけてなくてもそれを感じられるようになることが大事です」とスタッフの方に教えていただいたことを全体的に応用できたのがとてもよかったです。
(5)気持ち
一番シンプルですが、「ここまで来たからには絶対に登るんだ、登りたい!」という意思はずっと持ち続けていました。
とはいえ気負いすぎてもプレッシャーになるので、少し心が折れそうなときは「だめならまたいけばいいじゃん(もちろん簡単ではないですが)」と、変に感情に波を作らないように意識していました。
3. 得られたもの
この挑戦を通して得られたものがたくさんありました。
「めちゃくちゃよかった!」で終わらせたくないので、しっかり言語化しておきたいと思います。
(1)挑戦や冒険への渇望と日々へのモチベーション
今回の経験を通して、まだまだ広い世界があること、登山や旅に限らず、もっといろんな挑戦をしていきたいという気持ちがさらに上がりました。そして自分自身が、その経験を通して自分の人生を変えていきたいと共に、その経験を誰かに伝えることで他の人にも良い影響を与えたいという思いを再認識しました。
だからこそ、それを実現するために、キャリアや仕事にもっともっと貪欲になろうと思います(ここには書ききれませんが、登山中や行き帰りの飛行機で、仕事における目標なども再設定しました)。
(2)自信と自己理解
シンプルにキリマンジャロ登れたというのは、今後の人生において大きな自信になると思います。
また、準備〜本番の過程において、自分の成長欲求、リサーチ欲求、言語化欲求の強さに改めて気づくと共に、自分の現状を直視し、徹底的に、したたかに準備をするというやり方が自分にあった戦い方であることも改めて認識することができました。
(体力的に自信がなかったこともあり、誰よりもリサーチと分析と準備には時間をかけました。そして、行き帰りの飛行機でこのような記事を書くのに気づけば夢中になっており、改めて発信や言語化が好きな自分を思い出しました)
(3)登山スキル・フィジカル
事前準備と実質5日間、ずっと登山に集中してきたため、グッズや自分の強み弱み、高山病、歩き方などのスキルはかなり身につきました。身体は事前に仕上げきれませんでしたが、登山中に筋肉がついた気がします!フィジカルはあっという間に落ちてしまうので、キープ&向上していきたいです!
(2024年は3回富士山に登りましたが、やはり、去年よりも体力の向上を感じました!)
(4)セルフコントロール力
成功の要因に記載したセルフコントロール力ですが、「応用すれば、普段からめっちゃ使えるのでは?」と感じています。日常生活の方が変数が多くて複雑ですが、まずは自分の身体や心に対してより意識的になり、感じてみるところから、はじめてみたいと思います。
(5)仲間との絆
今回の5人は、大学時代からの友人でした。それぞれ大学も専攻も全然違いますが、早い段階から自己開示をし、一緒に成長してきたかけがえのない仲間たちです(めちゃくちゃ真面目な一面もありつつ、飲み会ではだいたいはっちゃけてます)。
上記の成功の要因とも被りますが、一緒にいて何より楽しく、支えあえるメンバーとともに、誰一人欠けることなく、全員登頂できたことは至上の喜びです。
今回、さらに絆を深めることができました。何年経っても、この思い出を語りながら、それぞれ新しい挑戦をしていくのだと思います。
アサンテサーナ!(どうもありがとう)
以上、キリマンジャロ記事でした。
こちらは総括的な記事ですが、どこかのタイミングで、具体的な体験談やtipsも綴りたいと考えています。
まずは、
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