少年忍者_「夢見る白虎隊」感想と考察
普段は、ライブや舞台の後は、ぶわーーーって
感想書きたくなるんだけど、
今回はなんだかいつもと違くて、なんて書いていいかわからなくて悶々と考え続けている私がいる。
何というか、自分の中で消化しきれないものがいっぱい残ってる感じだった。
(なので、これ書きながら整理します)
感じるものがあまりにも多く、
何度も考えて、何度もみたい、そんな作品でした。
※以下、ネタバレを含む個人的な感想・考察です。
前提、ものすごく素敵だったの。
17歳にして会津を背負い、戊辰戦争の最前線で戦った白虎隊。
戦で追い込まれ、自害したと言われている白虎隊。
彼らは何を見て、何を考え自害したのか。
果たして彼らは本当に自害したのか。
生きるか死ぬかの瀬戸際で戦う少年達の揺れ動く感情が、見事にひとりひとり表現されていた胸を打つ作品だった。
おそらく、上手く感想かけないのは、
白虎隊8人の感情の変化がものすごく繊細に演じられていたから。
冒頭のシーンから最後のシーンまで、どのメンバーの中にも沢山の感情がうずめきあっていて、ものすごいスピードで変化していくの。
しかも、生きるか死ぬかという極限状態における人の感情は、想像を絶していて、理解しようとしても理解しきれなくて、追いつかないほどだった。
間違いなく、全員が主役だった。
彼らがどんな気持ちで戦を駆け抜けたのか、分かるようで分からなくて、今思い返してみても、ずっと頭の中をぐるぐるしてる。
そんな中だけど、私なりに振り返ってみる。
深田竜生演じる儀三郎。
儀三郎はみんなを笑顔にしたいと、最後まで夢見続けた人。おちゃらけてるように見えて、実は1人1人のことを1番よく見ていて、物事を前向きに解決していこうとする。だからみんなから信頼される。みんなを笑顔にしたい、それが儀三郎の全てだった。最後の最後まで、その思いを貫く儀三郎は本当にかっこよかった。
黒田光輝演じる貞吉。
武士としての在り方を誰よりも大事にしてきた人。ただ、武士である前に、17歳の少年として「生きたい」「仲間と笑い合いたい、語り合いたい」そんな思いが自分の中にある事に気づいた貞吉。戦いたいと願っていたのも、そんな夢があったから。自分の中にある大切な夢に気づいたからこそ、貞吉は最後までみんなと生きようとしたのだと思う。
檜山光成演じる八十治。
最後まで八十治の真意は掴みきれない部分があった。ただ、予知夢という能力に時には苦しみつつも、白虎隊のことだけでなく、日本の未来に希望を持ち続けていたのが八十治だったのかな。予知夢が実現することは八十治が1番わかっている、それでも覆したい、そんな思いで最後生き抜こうとしていたのだと思う。
元木湧演じる茂太郎。
明るくて元気、愛されキャラの茂太郎。
飯盛山で「もう無理だ」と何度も言う茂太郎は、間違いなく真正面から現実を見ていた人だった。そんな茂太郎が最後まで戦いの道を選んだのは、「姉上のおにぎりが食べたい」と言う気持ちだけでなく、仲間を信じたかったからだと思う。
安嶋秀生演じる織之助。
熱くて、ひたすら真っ直ぐなのが織之助。そして、実は最初から最後まで1番漢気があり、自分の信念を信じ続けた人なんじゃないかなって思ってたりもする。サムライ魂を誰よりも大切にし続けた人だったと思う。
鈴木悠仁演じる源七郎。
素直に思いを言葉にして、ちゃんと納得してから動く人。人と違う視点をもっていて、特別な空気感をまとっている感じ。なんだか悠仁と重なったなぁ。仲間に刺激されて戦にいく決心をした源七郎。彼もまた仲間意識がものすごく強いひとだったのかな。
豊田陸人演じる虎之助。
冷静で、ひとりひとりの思いを誰よりも尊重することができる優しい人。普段は誰よりも冷静に考えて判断する虎之助が、飯盛山ではみんなの意見に流されていっているのが印象的だったかな。追い込まれた中で最後に信じられたのは、論理的な何かでなく仲間の言葉だったんだろうな。
稲葉通陽演じる喜代美。
温かくて、優しい陽だまりのような稲葉くんにぴったりの喜代美。17歳の少年に囲まれる唯一の16歳。白虎隊全員が「戦に行こう」と心を決めたのは、喜代美の覚悟を聞いたから。実は1番勇気があって、強い人。陽だまりではなく、白虎隊のみんなを照らす太陽だったんじゃないかと。
あくまで私の解釈だけど。
改めてひとりひとりに思いを馳せてみると、それぞれにストーリーがあって、本当に色んな思いを抱えながら、戦に挑んでいたことを思い知らされる。
そして、死と隣り合わせの中で葛藤しながらも、「会津のために」と彼らが踏み出せたのは、紛れもなく仲間の存在があったからなのだと気付かされる。
互いに問いかけ、互いに思いをぶつけ合い、最後は仲間を信じることで、白虎隊は、強くなれた。
そして、若いながらも前に進んでいけたのかなと。
少年忍者8人の個性と演技力が詰め込まれてたあっという間の2時間半だった。
「夢見る白虎隊」
私の解釈では、白虎隊は、様々な葛藤をしながらも最後まで「みんなで生きぬくという夢」を諦めなかったチームだった。
ギリギリまで。
ギリギリまで彼らは夢を諦めなかった。
今まさに仲間と夢を追い続ける少年忍者が演じるからこそ、伝わってくるメッセージがある作品だった。
最初のキラキラアイドルソングも、
8人の綺麗なハーモニーも、
忍者の日常のようなコミカルな掛け合いも、
緊迫したシーンも、
感情をむき出しにするシーンも。
そして、そんな彼らの物語をつつみこむ小川暖奈さんのナレーションも。
全部、全部、素敵でした!
今、私達が生きるこの時代は、白虎隊が生きた時代の人々が「平和を願って戦い抜いたからこそ」存在している。
それぞれが自由に夢を見ることができ、夢に向かって真っ直ぐ努力できる環境があることに、心から感謝をしたい。
私が生きる今は、誰かが生きたいと強く願った明日であるということを忘れてはいけないなと改めて思わせてくれた作品でした。
観劇できて、本当に良かったです!!!!
素敵な作品を届けてくださった皆様に
心から感謝の気持ちを送りたいです。
ありがとうございました!!!!!!