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8 自分の世界は自分で作れ。

最近のゆんゆん。

アマプラで過去のドラマを遡って観ている。
面白い作品に出会っては「世の中にはこんな面白い作品があったのかよ!」「みんななんで教えてくれなかったんだよ!」と心の中で叫ぶ今日この頃。
自分の心に余裕がないと新しい作品を受け入れるのが難しかったりして、何も観られない時期も長かったけれど、最近はそんなこと関係なく「続きが観たい!」と思えるドラマを空き時間に少しずつコツコツ観ている(一気見やながら見はどうも苦手なので、やらない)。
MIU404がとにかくアツくて毎日のように観ているが、もうあと2話で観終わってしまう。続きが観たいけど、観終わりたくない。私はどうしたらいいんだ。人間の感情って複雑だ。

劇中に登場するまるごとメロンパン号が現在TBS赤坂BLITZスタジオで展示されてます!3/1まで(2/27を除く)

MIU404ロスを防ぐために、それが好きならこれも好きじゃない?っていう作品があったら、ぜひ教えてください(アンナチュラルは完走済み)。

誰かが作った作品を観ることで満足できるのは幸せだ。

もちろん私だって好みの作品は「ワァ!面白いなぁ!」と子供のように喜んで観ている。
だが、頭の片隅でどうしても「自分でもこんな作品を作ってみたいな」「私がこの設定で書いたらどんな作品になるだろう」「私がこの作品に出るとしたらどんな役かな」などと考えてしまう。

お話を考えることは、思い返すと随分昔からやっていたように思う。
小学生の頃には、漫画のようなものを描いたりしていた。
中学に入って、文章を書くようになった。
文字なら授業中にこっそり書いててもバレにくいし(授業に集中せえ…)、絵では描写が難しいシチュエーションでも文章なら表現できるわ!と気がついたのがきっかけだった。
私の文章能力は二次創作で鍛えたと言っても過言ではないくらい、二次創作の小説をめちゃくちゃ書いた。妄想力も二次創作で鍛えた。あの時感想をくれていた友人たち、ありがとう。

台本を書き始めたのは高校生の頃で(初期はほとんど漫画を文章に置き換えたようなものだった)いくつか書き上げたものがあるが、自ら関わって上演に漕ぎ着けられたのは超短編を抜きにすると3作品だけだ。
「ディテクティブ!〜オペラ座の怪人を追え!〜」
「妖怪徒然草紙〜覚〜」
そして、「星芒鬼譚」。

「ディテクティブ!〜オペラ座の怪人を追え!〜」は探偵学校の生徒たちが期末テストをパスするために事件解決に乗り出すお話で、高校の演劇部で春の大会に出した。この時は明智小五郎の末裔の成績優秀な女の子の役だった。
読み返すと色々恥ずかしいのだが、演劇初心者が初めて書いた台本なので、まあそんなもんだろう。でも、下手くそでもなんでもとにかく書き上げて形にすることが大事だと学んだ。
大会の審査員からは「暗転が多すぎて話にならない」と酷評され、箸にも棒にもかからなかった。今なら場転の方法も色々考えられるだろうが、当時は暗転くらいしか知らなかったし、どのくらい暗転を入れたら「多い」と感じるのかもわからなかった。とにかく無知だったのだ。それでも人前に出したことは評価したい。
この作品はいつかリメイクしたいと思っている。シャーロック・ホームズの末裔と明智小五郎の末裔が出てくるので、ワトソンとかモリアーティも出したい気持ちがある。しかしその前にちゃんとホームズのシリーズと明智小五郎のシリーズは読破するべきだなぁと思っている(読んでないんかい)。あとちゃんと推理要素を入れたい(入れてなかったんかい)。

「妖怪徒然草紙〜覚〜」は江戸時代を舞台にした妖怪のお話。人の心を読む妖怪・さとりが主人公のもとに現れたのをきっかけに展開していく。これは大学の演劇サークルで上演した。この時は主人公に懐く猫又の女の子の役だった。
ディテクティブよりは成長が見られるが、これも読み返すとやっぱり恥ずかしいところがある。そういうもんなのかなぁ。
アンケートに「期待して来たのに腐った寿司を出された気分」みたいなことが書かれていたのが印象的だった。達筆だったのでご高齢の方だろうか。これは内容に反して、タイトルとチラシのデザインがシック過ぎたのがいけなかったんじゃないかな〜と思う。宣伝の段階で間違った期待を持たせないことも大事なんだなと学んだ。
これはリメイクはしないかな。やるなら続編を書きたい。絡新婦を出したい。でもクソ重たい話になりそうな感じがするからそれはどうか?とも思う(自分は闇堕ちとかしんどいの大好きだけど、人前にお出しするときはさすがにちょっと考える)。

「星芒鬼譚」はわりと記憶に新しい。とはいえ、4年前と気がついたときには雷に撃たれたかと思ったほど衝撃をおぼえた。現代京都を舞台に妖怪大戦争が繰り広げられる妖怪アクションエンタメだった。この時は武闘派でクールな探偵助手の役だった。
書き進めては煮詰まって、仲間たちに「なんかいい案ない?」と泣きつきながら書き上げたので、私の脳みそから出たのではない部分も少し混じっている珍しい作品だ。
「続編はないんですか?」「再演しないんですか?」と嬉しいお声をいただいたりもしたが、多分それはない。でも、もっと観たい、また観たいと思ってくれるほど気に入ってくれたお客様、私の愛した世界を愛してくれてありがとう。
電子書籍は年内に出すので、村田結香成分が多少濃ゆくなった小説で、ぜひもう一度あの世界をお楽しみください。舞台を観ていない人にも楽しんでもらえるように書いているので、未見の方もぜひどうぞ。

3作品の上演に役者として(並行してスタッフとしても)携わり、身をもってわかったことがある。
まずひとつめとしては、自分の描いた世界に自分で飛び込めるのは最高オブ最高!何にも代え難い体験だということ。
そしてふたつめ。確固とした「作りたいもの」があるなら、それはやっぱり自分の手で作らなくてはならないということ。
これまで演出やらスタッフワークやら、「経験がなくてどうしていいかわからないから」と人にお任せする部分が非常に多かった。そうすると台本の意図が伝わらず、色々なものが変更されてしまうことがあった。一応「あのー、これはこういうことなんですけど…」と説明しても、台本が書き上がった時点で私には何の権限もないので、変更になったまま進んでしまうのである。
もちろん変更になったものが結果よかった部分もあったし、役者の芝居が思った以上に素晴らしくて台本の中にいたときよりも魅力的なキャラクターにしてくれたときは感動した。想像もしていなかったカッコいい衣装や小道具、舞台装置、照明、音響が出来上がってきたときも、本当に嬉しかった。きっとこれこそが人と作る醍醐味なのだと思う。
しかし、どうしてもこれはこうなのだ!という譲れないものがあるのなら、自分で責任を持って役者に、スタッフに伝えて、その上で議論を重ねて作っていくべきなのだ。
なので、次に何かやるときは絶対に演出もやろうと決めている。経験がないからめちゃくちゃ怖いけど。でも、その怖さを飛び越えてでもきっとやるべきなんだと思う。

誰かが作った作品を観ることで満足できるのは幸せだ。
だが、私はどうやらそっち側にいるだけでは満足できないタイプの人間らしい。
だったらやるしかないじゃんか。
インプットしながら、こつこつ準備していきます。

次の出演はPlatformの世界へ。

奇妙な刑務所「ロフトランプ」
個性的な囚人たち
どうして殺したのか、どうして殺されたのか…
世界に一つ、観客と「おり」成す即興物語「オリニフレテ。」の世界へ、無自覚の罪で投獄された主人公・生沼スズとして飛び込みます。

即興なので、毎回違う物語が紡がれることになります。
お客様と一緒に紡ぐものですから…
ゴールデンウィークは、川崎H&Bシアターでぜひ”共犯”しましょう。

3月1日(水)19時、チケット発売です。

🦋村田結香扱い 予約フォーム🦋

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村田結香(ゆんゆん)
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