怒涛のレノベーション
屋根裏はカビだらけ。
床は立っていると気持ち悪くなるほど傾いている。
大きな出窓は取り付けが悪く水漏れの跡があった。
備え付けの洗濯機の中もカビだろうか、異様な臭いを放っている。
コンセントのカバーは外れ、歪み、壁は穴や子供の落書きや厚塗りしたペンキで荒んでいる。
ガレージのドアは壊れ危険な状態、塞いだ壁の中から出てくるのはゴミと一緒に塞がれた謎の棚。
犬のふんとタバコの吸い殻が散乱する庭。
愛がない家。
愛されて、大事にされたい。
それは、人も、物も、家も地球に存在する全てのものに共通する純粋な願いではないだろうか。
そうして私たちのハウスレノベーションは始まった。
上記に書いたこと全てを直す。1ヶ月以内に。
知り合いのツテを頼って専属の大工さんを1人雇い、あとのほとんどは夫と数名の友達が変わるがわる足を運んで時間のある時に手伝ってくれている。
もちろん、できないことはプロを雇っているけれど、それも長年の知り合いであったり、友人の紹介であったりして心強い。
手伝ってくれている友人のほとんどが、小さな子供のいるお父さんなので、休日にお父さんをお借りしてしまって申し訳ない気持ちにもなる。
お礼をしてもし足りない、とも思うのだけれど、ある時
「そういう気持ちで来ているのではない。だから気にしないでほしい」
と言っていただいた。
その度にハッとする。
私は
「相手にとっては迷惑かもしれないし」とか
「どこまで手伝ったらいいのだろう」とか
逆に誰かに助けてほしい時も
「いつ借りを返せるかわからないし、自分でやろう」とか
いろんな思惑が出てしまい、結局自分から言い出さないことも多かった。
反省する。
だからここは
「お時間を取らせて申し訳ない」ではなくて
「ありがとう」
でいいのだと、痛感する。
その思いが、ただただ胸を熱くする。
おかげで、不可能が可能になりつつある。
歪んだ床は水平になり新しいフロアリングが貼られ
補修した壁にフレッシュなペンキが塗られた。
屋根の煙突から屋根裏のカビの胞子は空へと旅立ち
ガレージや洗濯機もまもなく新しいものが入る
私もnoteを見る間も書く間もなく、中学生のバレー部時代を思い出すような筋肉痛の連続で、午前0時を迎えるずっと前に疲れて寝てしまう日々。
役立たずだなあ、と思うことも多いけれど、それでもDIY女子としての技術や家の構造の知識は日々更新されていくし、毎日ひたすらやることに追われている。
必要とされている。自分の居場所がある。
これもまた、
愛されたい、大事にされたい。
と同じくらい、生きていく原動力になっていることを知る。
もし、新築の家にでも引っ越ししていたら、快適な暮らしと引き換えに、気づけなかったことも多かっただろうと思う。
リノベーションは愛の旅
というには、なかなかの重労働だけれど、人は家族という単位の外でも支え合って生きていることを再認識する、そんな日々です。
引っ越しまであと3日!
がんばります。