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日本人が海外で成功しない理由

カナダ政府は先日、ワークビザ発給の審査を今よりも厳重化すると発表した。

この背景には、許可済みのワークビザを移民希望者に数百万円で売りつける(移民ポイントが加算されるため)裏ビジネスがかなり大規模で横行していて、そこへ政府がついに介入したという背景がある。噂レベルなので活字には残せないのだけれど、この不正を行っているのは某国の人たちに多いらしいと聞いて、ふーむ、さもありん。と思ってしまう(こんな書き方をしておいてなんだけど、「あの国に違いない!」とは思い込まないでほしい)。

ちなみに、こういった裏ビジネスを組織的に行うのは、私が知る限り日本人ではない。様々な人種がまじりあって暮らしている国に住んでいると、差別や偏見ではなくて、出身国によって「その国民性の傾向」がわかるようになってくる。

その視点からいうと、日本人は控えめで、他者を思いやる心があり、生真面目である。100%!!

いやいや、そんなことないですよ!という人もいるかとと思うけれど、レストランのテーブルや床をこれでもかというくらい汚して笑顔で店を出ていく国の人もいるなかで、悪くないのに「ソーリー」と謝り、レストランでウェイトレスのためにお皿を重ねる発想がある日本人はどう考えても優しい。

だから、ビザ詐欺という不誠実なことではなくても、よその国でビジネスを広げて居住区を拡大し、ビルを建ててマンションを販売し、街を築きあげていくようなバイタリティや、良い意味での図々しさがある国民性ではない。
(ちなみに、バンクーバーの空港近辺のリッチモンド市は、ここ中国?と錯覚するほど中華系が多くアジア系の食材や文化がすぐそばにあり便利なので私としてはありがたい。)

日本人は他者を慮り、真面目で謙虚な国民性であるからこそ「個人主義」の概念が強い北米で当然ながらはうまくいかない。

海外で暮らす・起業するには英語力を備え、日本と異なる価値観で戦っていく(あえて戦うと書かせてもらう)メンタルの強さとコミュ力が絶対的に必要なのだが、日本人はここも弱めだと思う。

カナダ人の名誉のためにいうと、カナダは決してドライな個人主義一色の国ではない。一般的に言って、カナダ人は控えめで、他者や他民族へのリスペクトと理解があり、フレンドリーで寛容だ。この夏アメリカに旅行に行ってその印象がさらに強くなった。

ただ、カナダ人の「他者へのリスペクト」と日本人の「他者を思いやる」部分は、似ていて非なるもので、カナダでは「自分あっての他者(バウンダリーが大事)」だけれど、日本は「他者あっての自分(おかげさま精神)」というところが違う

昔バウンダリーについて書いた記事↓↓


私は今ではすっかりカナダ寄りになり、日本でのお付き合い感覚や協調性はだいぶ失ってしまった。というのも、日本人のように他者を思いやって丁寧に接したり、文句を言わずに仕事をしていると、利用されているように感じるか、心を荒らされるかのどちらかになりがちで、丸かったものを尖らせなければやっていけない。

実際、永住権取得して数年滞在したのちに、理由はいろいろだけど日本に永久帰国するという友人や知り合いもたくさんいる。かくゆう、わたしだって、何度もメンタルをフルボッコにされてきた。
めげて引きこもりがちの私だが、超合金鋼メンタルを持つ夫のおかげで現在もカナダで暮らせているのと「丸かったものを尖らせる」と言っても、ポケットからナイフをチラつかせるというわけではなく(そんなの怖すぎる)、要は「物事を濁さない」ということで、その加減がわかるようになってくるとカナダの暮らしはかえって調子がよい。

もう一つ、はたから見ていて日本って不思議だなと思うのが、日本人は近年普及したLGBTQ、子供の権利、コンプライアンス、人種差別、ジェンダー平等、SDGsといった倫理観も、北米の人たちよりもセンシティブに受け止めていて、腫れ物に触れるように扱い、その倫理観に翻弄されているようにもみえる。

もちろん北米でも上記に挙げた倫理観は尊重され、いかなる誹謗中傷も許さない風潮はあるのだけれど、人もコンセプトももっと堂々としている。

そもそも多種多様の異なる民族・文化があっても人間として大事な部分ですよね、ということを強調している倫理観なので、これをほぼ単一民族かつ単一文化の中で咀嚼しようとすると消化不良を起こしやすいのかもしれない。

同時に、島国ゆえどこかコミュニケーション不器用で、控えめで、ちょっと閉鎖的でもあるのも日本人だけど、私は日本に帰るたび「闘わなくていいんだ」と思うとほっとするし、お店や駅や宿泊施設に散りばめられている心くばりの数々に、毎回感動して癒されている。ドラッグアディクトがいなくて、街がきれいで、治安がいいのもほっとする。
そもそも、こんなに小さな東アジアの島国が、世界に台頭できたことはもっともっと誇っていいことだ。

だから、日本人がもう少し自信をもって、強い心で世界と対話できるようになったら、日本その技術力や文化をもって再び力強く世界を支える国になる気がしてやまない。
現に、日本をルーツに持つグローバルな人たちが育ってきているのでその日はそう遠くないのではと思っている。

そして、外国人観光客が多い昨今で、もしかしたら対応に戸惑っているサービス業の人たちもいるのかなと思うのだけど、そんなときはあまりへりくだらずに「物事を濁さない(笑顔で濁さないのがコツ)」「バウンダリー(北米はお客様は大事だけれど一番優先という精神ではないので)」という部分を大事にして、自信をもって日本のサービスをお届けしたらよいと思う。

とまあ、書きたいことを書きまくったせいでタイトル回収できなくなってしまったけど、つまり何を書きたかったかというと、日本人が大好きだ!ということだ。








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