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元気でいろとは言わないが、日常は案外面白い

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作家による日記風エッセイ
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2024年9月の記事一覧

僕の惑星には月光、君の惑星には木漏れ日

人は必要な時、必要な人に出会うと言いますが 因果応報を信じている。というより、確信している。 その昔、といっても数年ほど前。理不尽がきっかけで居場所を追われた事がある。振り返ってみれば私自身に一切の問題が無かったわけではない。けれどそれ以上に強い理不尽が、まるで断頭台へ跪き民衆の前で嘲笑うような形を持って訪れた。 その時知ったのは人なんて所詮我が身が可愛くて仕方ないから、理不尽も不条理も悪意、嘘でさえ、自分が刺されるのであれば暴こうとはしない事。真実は民意によって歪めら

羽ばたく願いの起源を知り、叶えるための物語を口にする

かの有名なオスカーワイルドさんが残した物のうちに、こんな言葉がある。 「人生は芸術を模倣する」 意味は人生が虚像で、芸術こそが真実。 何と捻くれた表現よ。ただ言い得て妙である。 元は「自然は芸術を模倣する」という言葉を引用して作られたのだが、現代において、特に日本に置いてはオスカーワイルドが残した言葉の方が馴染み深いだろう。 オスカーワイルドさんは多分、繊細で悲観的で、諦めを抱きながらも一縷の望みを、愛を捨てられなかった人なんだろうと残された彼の作品群を見る度思う。男色

砕け散るまで進んだ旅路の末、星が流れたら僕の勝ち

君は星。おおいぬ座のシリウス。 8.6光年先で輝き続ける、僕だけの一等星。 個人的な話をすると、星より月の方が好きだ。サイズ感とか光り方とか、色々あるけれど単純に圧倒的なまでの理想を体現しているような気がするからだと思う。 月は満ちて欠ける。いつか爆発して消えるかもしれない。でも、他の星々よりずっと安定感がある。人類が全滅しても地球が滅びても輝いてそうだし、何なら宇宙で大爆発が起きても生き残っている気がする。それくらい、ちょっとした図々しさがある。 美しい光は人々を魅了