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扉の向こうがオカマバーだった話
それは昨年の3月頃のこと。
中洲で飲むようになっておよそ1年が経ち、新たに行きつけを開拓しようと思い立ったのがきっかけだった。
いざ飛び込みで入店してみると、オカマが一人でカウンターに仁王立ちしていた。
(えっ、ここってオカマバー?ちゃんと調べておくべきだった・・・)
そう思いながらも、案内されるがままにカウンターの椅子に腰を下ろした。
とりあえず、ハイボールを注文し、ママ(マスター)には瓶ビールをふるまい、挨拶代わりに乾杯。
「可愛い顔をしてるわね。」
乾杯もつかの間の一言に思わず鳥肌が立ったが、気が付けばその心配も薄れ、ママの軽妙なトークにリードされている自分がいた。
冗談や毒舌やボディタッチを交えつつも、心を見透かすように的確なアドバイスをくれるママ。
その後も足しげく通うようになり、次第に人生相談の場となっていった。
ちなみに、その店は男女を問わずノンケの常連も多く、入れ替わりが激しいであろう中洲で30年以上も続いている。
何よりもママのプロ意識の高さがあってのことで、男女両方の立場からの視点や見解には目を見張るものがある。
以上、何となしに訪れた店がたまたまオカマバーだった話。
コロナ禍が落ち着いたら、人生相談を兼ねてまた飲みに行こうと思っている。