初noteで自身の3年を振り返る
初めてnoteを書いてみる。
私は現在コルクスタジオというマンガの会社に所属している。
そのコルクスタジオが11/5にフェスを開催するという事で、所属作家は「3年前、1年前、現在」と自分の絵がどう変わっていったか振り返ろうという事で、今回振り返ってみようと思う。
3年前
私は、某アニメのカードゲームイラストを描きながら、とあるマンガアプリでの連載用に「辺見さん今どんな顔してる」というマンガを描きためていた。
↓(こちらtwitterにアップしたもの)
このマンガはマンガアプリから委託された編集会社の担当さんと作っていったが、色々あって連載は見送る事になった作品。
今見ると背景やモブ含め、めちゃくちゃ丁寧に描いてる…が、その分時間もめちゃくちゃ掛かっていたと思う。
twitterに出して反応を見るも微バズ程度でそこまで跳ねることもなく、また4話までネームは出来ていたがそれ以降全く思いつかず、悩んでいた。
そんなタイミングにコルクラボマンガ専科の3期募集があった。
これを機にマンガを一から学び直そうとコルクの門を叩いた。
1年半〜1年前
コルクラボマンガ専科が終了し、今後どうするか考えてる時に、コルクスタジオからお声がけいただいた。
原作ありのウェブトゥーン(縦スクロールのマンガ)の作画をやってみないですか?と。
マンガ専科の課題でも何度か描いてみた縦スクロール形式のマンガだが、スクロールした時の流れていくような構図がハマった時の爽快感やコマとコマの距離・コマの大きさで演出できる“間”の自由度の高さに興味が引かれていたので、エイヤっ!と飛び込んでみる事にした。
↓それがこちらの作品(まだリリースされてないので一部抜粋)
原作の脚本からコルクスタジオの先輩であるよこせさんがネームに起こし、それを元に私が作画している。
作画として意識したのは、いかに可愛くポップに主人公や登場人物を魅せられるかだった。
ストーリー的に少しネガティブでウェットな要素をはらんでいたので、読者や企画の雰囲気を考えてこう言った方向性で作画した。
また、ストーリー上毎回妄想するシーンが入るので、そこの演出をカラーのタッチや線画の種類で差をつけるよう意識している。
この時やってみて感じたのは、楽しい!だった。
まず基本的によこせさんのネームが良い!
ここから更によくできる箇所はないか、盛り上げられないかを考え、キャラの芝居やカラー演出、コマの追加など、これでどうじゃーーーっと色々球を投げる事が楽しくなっていた。
ただ問題としては、これまた時間がかかる事だった。
今回のマンガはマンガ動画用を念頭に動かせるようにレイヤー分け、作画をしている。
これが以外と時間がかかる。
また演出やクオリティにこだわると、私はどうしても時間がかかってしまっていた。
スピード面も考えて一部のカラー(主に通常のシーン)を外注する事になった。
最初は自分のカラー演出と意図が噛み合わない事もしばしばあったが、どうしたら意図が伝えられるか考えて以下のような物を作った。
↓カラーの際の表現の指定
こうやってチームで制作する事の難しさ、意志疎通の大事さも勉強になった気がする。
あとこの頃は力んで線を引いてるようで、3話くらいまで若干線が太い。
この辺はどういうルックにしたいかにもよるが、カラーが入る事で線画だけの時よりも情報量が多くなるので、4話から線の太さや描き込みの量を意識する様になった。
↓
現在
↓最近の原稿一部抜粋
1年前と比較して、通常シーンはそんなに雰囲気は変わってないかもしれない。
線の太さくらいかも。
妄想シーンは毎回妄想のテーマが違うので、絵の雰囲気を毎回変えて試している。
色褪せた雰囲気、夜のネオン感、90年代アニメ調、毎回模索するのが楽しいし技法の発見もある。
あと、メインのキャラ以外も出ることが多くなったので、ストーリーに絡んでくるモブキャラは今後の展開や可能性も考えてデザインするのも楽しい。
ただこだわる反面、作業スピードがなかなか改善していない。
表現を考え抜くのは良いが、そのアウトプットが遅かったり迷って遅くなったり思考の時間がかかっている。
また、カラー作業も妄想シーンは自分ひとりで塗らせてもらっている分どうしても時間がかかってしまう。
あと私はひとりで問題を解決させようとしてしまう癖がある。時間をかければ問題は解決するが、連載のペースを考えるとそうはしていられない。もっとチーム皆さんや、コルクスタジオの作家さんと関わり相談してみる事が大事だなと思った。
こうやって振り返ってみて、描いてる時はそんなに変化がないと思ったが、画像を並べてみるとどんどん変わっているなと実感できた。
今後どうなりたいかというと、まずは作業スピードの改善が第一。
そして、今後自分の企画を形にするために縦スクロールでできる表現を色々試していこうと思う。
マンガだからこうだ、という思考に捉われないようマンガを描いていきたい。
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