「絵文字 知られざる舞台裏」
BS世界のドキュメンタリーにて、「絵文字 知られざる舞台裏」というドキュメンタリーが放送されました。私はAmazon Primeビデオで視聴しました(エピソード64です)。
Unicodeという国際標準化団体が絵文字の決定をとりまとめており、決定プロセスには、ベンダーのGoogle/Apple/Microsoft/Facebook/Twitterも審査に加わっている現状が映像で紹介されていました。
ドキュメンタリーでは、英語以上に広く世界中で使用される絵文字に、どんな事柄を採用または不採用にするか、という言語のあり方そのものにかかわることを、白人男性やシリコンバレーのエンジニア中心に決めてよいのか?という疑問が提示されます。しかし中の人も「そんな重責に参加したい人がいれば是非どうぞ」とも述べています。
実際のところ、Unicodeという国際標準化団体の、投票権のないメンバーであれば年間$75、投票権あるメンバーは年間$20000でメンバーに成ることが可能です。メンバーになれば採用決定会議に出席することが出来ます。
ドキュメンタリー中に登場する、餃子を絵文字化したかった女性は投票権のないメンバーになって会議に出席し、どんな人達が出席しているのか、体験しています(白人の年配を中心に数十名程度だったとのことです)。そして採用に至っています。
ほかには、白ワインの絵文字化を推進している人たち、LGBTの活動のシンボルになっている旗を絵文字化しようとしている人たちへのインタビューがなされていました。白ワインは2020年度に至るまで不採用、LGBTの旗は採用される、という現状が紹介されていました。
そもそも議事に取り上げてもらえるのかということを含めて、表立ったロビイングを行っている人たちも、必ずしも報われていない(成果が出ていない)現状が明らかになっていました。
ちなみに絵文字の採用は、年間の初頭から開始され、承認された絵文字は、翌年の夏頃にベンダーによって実装されたものが一般にお披露目となるようなスケジュール感です(これは筆者が調査したものです)。
・1-3月 初期審査
・4-6月 コミッティー審査
・7-9月 ドラフト候補の作成(ベンダーのGoogle/Apple/Microsoft/Facebook/Twitterも審査に加わる)
・10-12月 データリポジトリに登録。英語以外の言語による命名
・1-3月 全ベンダーによるデザイン
・4-6月 ベンダーが完成版を出荷
・7-9月 OSやアプリのアップデートに反映されて、一般に利用されることになる