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AIの時代に、スタートアップの事業開発が大学院で公衆衛生学を学ぶ理由

こんにちは、守屋祐一郎(@ymoriya)と申します!「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」Ubie株式会社(Ubie Discovery)にて事業開発に従事しています。

2023/4/1、聖路加国際大学大学院 公衆衛生学研究科(School of Public Health,以下SPH)に入学しました!Ubieの仕事をフルタイムで続けながら3年間学びます。このタイミングでSPH進学を決めた狙いを文章にしたいと思います!

入学式、桜がいい感じでした🌸

こんな方に特に読んでほしい

  • 医療/ヘルスケアスタートアップに関わっている/関心がある方

  • スタートアップで事業開発に従事する方

  • SPHから民間企業/スタートアップのキャリアに関心がある方

要約


  • 事業開発(BizDev)のミッションは、"非連続な事業アウトカムの創出を通じ、非連続な未来を引き起こすこと"。

  • "コンピテンシー"の仮説は「①未来を描き、旗を立てる②最善の問いを立て、最適な手段で解ききる③AIを駆使し、出力を最大化する」の3点。このために、未来に対する解像度、問いの質、解の質を高めたい。

  • 公衆衛生学(Public Health,社会健康医学)の知見は、未来に対する解像度、問いの質、解の質全ての向上に直結するのではないか。

  • 上記を検証すべく2023/04/01より聖路加SPHに入学した。成果の最大化、そしてSPHが事業開発人材の開発に寄与するプログラムであることを証明すべく、がんばります!

非連続な未来を引き起こす人材になる


私のチャレンジは、誰もが健やかに、豊かに暮らし、後悔なく最期を迎えられる未来を作ることです。これを20年間で顕現させたいと考えています🙏
そのためには非連続な課題解決、社会実装が必要であり、そのようなアウトカムに資するキャリアを志向します。
これまで「大規模な社会変容の迅速な創出にこだわる」と決めて、スタートアップの事業開発に5年ほど取り組んできました。その中で見えてきた広義の"コンピテンシー"の仮説が以下です。

❶ 未来を描き、旗を立てる


スタートアップにおいては変化を引き起こすその矛先や登り方を示せる人間が必要です。この際未来を描き、旗を立てることが重要であり、これは構造理解⇄妄想の言語化といった循環の中で得られるものと考えています。

構造理解

これまで医療/ヘルスケアビジネスに特化することで、専門的な知識、経験を蓄積してきましたが、最近になって個々の点が繋がってきた感覚があります。まさに"Connecting The Dots"、医療/ヘルスケアに関する脳内の座標系/地図が磨かれていくイメージです。これを突き詰めた先で、筋の良い未来の絵姿を再現性高く描けるのではないか、と直観しています。

どんな分野でも専門家になるには、優れた座標系、つまり良い地図をもつことが必要である。
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座標系は世界の構造を、つまり事物がどこにあるか、それがどう動いて変化するかを、学習するための基盤になる。

脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論

妄想の言語化

10xの非連続なアウトカムをもたらす発想や問いの類は、妄想から生まれるからこそ時にクレイジーであり、心を惹きつけるのではないかと考えています。こういった断面で世界を切り取って発想していけるように意識付けていきます。

「2035年までに人類を火星に移住可能にする」(イーロン・マスク/スペースX)
「もしすべてのウェブサイトをダウンロードできて、そのリンク先を記録しておけたら、どうなるだろう?」(ラリー・ペイジ/グーグル創業者)
「質の高い教育を、無償で世界に提供するには?」(サルマン・カーン/カーンアカデミー創業者)
肝心なのは、これらの「妄想」が、「戦略」や「市場ニーズ」に先行していることだ。
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いまよりも10%の成長を続けるのは「努力」が必要である。
(中略)他方、10倍の成長は、その種の努力では到達不可能だとわかっているので、根本的に別のやり方を考えるしかない。

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

❷ 最善の問いを立て、最適な手段で解ききる


事業のアウトカムを規定する要素をざっくり「問いの質」、「解の質」に分けて捉えます。

最善の問いを立てる

問いの質が到達限界を決めるため、常に変化する状況の中で、流動的に最もインパクトが大きい"最善の問い"を立て続けていくことが重要です。

BizDevの大事な役割は「課題設定」。顧客や事業への解像度を高めて、課題を考え抜き、創る・伸ばす・磨くなど多岐にわたる打ち手で価値を高める

BizDevキャリアへの10の質問

最適な手段で解ききる

問いを解いて価値を届けて初めて意味がある、そのためにも解に最速で辿り着くことができる期待値の高い"最適な手段"を柔軟に取捨選択できる状態が好ましいと考えています。

❸ AIを駆使し、出力を最大化する


昨今の進化速度を鑑みると、もはやAIとの共生は必要条件だと感じます。

AIによる問いを解く力の高度化&大衆化のトレンドを踏まえると、AIを使いこなすこと、そしてその核として、質の高い問いを立てる力の価値が相対的に高まると考えています。

人間はコンセプトメイキング・企画・問いの設定といった、さらに抽象的で高次元な仕事へと役割を移行させていく

プログラミングに対するLLMの影響から考える、テクノロジーによる人間の役割変化

The changes coming are unstoppable. If we embrace them and plan for them, we can use them to create a much fairer, happier, and more prosperous society. The future can be almost unimaginably great.

Moore's Law for Everything by Sam Altman

未来に対する解像度、問いの質、解の質を高める


上記の❶〜❸を踏まえて、未来に対する解像度、問いの質、解の質を高めることに注力します。これらに対して、公衆衛生学を学ぶことに対し、以下の意義を見出しています。

未来に対する解像度/問いの質を高める


下記のステップの繰り返しなんだろうな、と感じています。

  • 過去、現在、未来の"健康"を取り巻く変数と関係性を把握する(構造理解)

  • 解きたい問いを切り取る(妄想の言語化)

  • インパクトを最大化する形に表現し直す(最善の問いを立てる)

その際SPHやその延長で触れる以下の知識や経験を活かし前進させます。

例:健康の社会的決定要因、医療政策/管理学、薬剤疫学、医療経済、医療技術評価、健康情報学、ヘルスコミュニケーション、SDM、行動科学、グローバルヘルス、疫学、生命倫理、etc

解の質を高める


  • 最適な問題解決手法(事業,研究,投資,政策etc.)を選択&活用可能にする(最適な手段で解ききる)

事業開発に閉じず、他の手法に対しても解像度を高め一定の素養を備えつつ、専門家と議論、協業可能な状態を実現します。

人材開発を仕組み化する


課題は山積み、個人の時間や認知は有限です。必要な課題解決の需要に対して事業開発人材リソースの供給が不足し、人材確保や能力開発を通じた関係人口の増加、課題解決ケイパビリティの拡大再生産が必要になることが予測されます。

その際、既に体系化されているSPHというプログラムが一つの解になるならば、再現性高くインパクトが大きい事業開発人材の開発メソッドとして価値を持つと考えます。

この仮説を証明するためにも、自分が大きな成果を出し、続いてSPHでの学びを事業に活かすストーリーを確立しながらスケール可能な状態にして行きます。

Why 聖路加国際大学


聖路加国際大学を選んだ理由は主には以下です。
※SPH検討中の方など、ご関心をお持ちいただける方がいらっしゃっればいつでも詳細お話ししますので、お気軽にご連絡ください!

  • ①Work-Life-Study balanceの最適化が可能

    • 聖路加は3年コースやWeb/オンデマンドの充実などかなりプログラムが柔軟です。実際働きながら参加している学生も多い(80%程度)ようですし、私も絶対に本業と両立しながら勉強したかったため、非常に魅力的でした。

      • 応援してくれたUbieの仲間にも感謝します。Ubie Discoveryでは柔軟な働き方が可能であり、両立に対する不安が全くありません。絶対にUbie ALLでの成果に繋げます。

  • ②グローバルへの第一歩

    • 上述の未来に資する問題解決に対して、国境を超えて寄与したいと考えています。

    • 聖路加はプログラムが英語で提供されること、また留学生も多く多様性豊かな環境であり、入り口としてベストであると考えました。

      • なお自分の英語力としては、「リスニングは基本何でもいける。英語で論文をよく読んでいる。時間をかければ文章も書ける。スピーキングはたまに詰まるけどまあ行ける。」といった具合です。スピーキングに伸び代を感じており、その鍛錬の場としても最高でした。「英語を学ぶのではなく、英語で学ぶ」がこだわりです。

やるか超やるか


医療を志し、ビジネスを手段に選んでから10年が経ちました。
「ビジネスで登るならば、必ずしも医学部を卒業して臨床医になる必要はない」と考え再受験しませんでしたが、本当はこの10年間ずっと医療が勉強したかった&臨床で人を救うことができない自分が悔しい瞬間もありました。

遠回りしましたが、確かな価値と可能性を信じ、全力を賭けられる道を見出しスタートラインに立つことができ、心から嬉しいです。自分にとって最高の道であると確信しています。

一人でも多くの人々の、健康で豊かな暮らしを支え、命と心を救える仕組みを発明すべく、覚悟を持って前進していきます!

We are hiring!


最後に宣伝を…!
Ubieでは、一緒に「健康」の未来に挑戦して行ける仲間を絶賛募集中です。
ぜひお気軽にコンタクトください!

カジュアル面談

  • YOUTRUSTさんにUbieのカジュアル面談まとめページを作っていただきました!

  • 私も参加させてもらっています!

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