石巻 再生へ漕ぎ出そう

ジャーナリスト 相澤雄一郎は、2018年(平成30年)8月、「アサノマンションは復興資金を利用した違法行為だ」と書いている。私は1980年(昭和55年)4月、石巻かほく創刊の現地責任者として、石巻総局長として赴任した。合併前の1市9町25万人の石巻圏域は、海の町として賑やかだった。しかし、2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災で大きな被害を受けた。満10年となった。
私は、石巻再生への願いを込めて、2020年6月から、相澤ブログを開設した。体験したことも色々ある。これは、石巻商工会議所会頭の浅野亨さんは、亀山紘石巻市長の参謀役だったので、疑惑の件も色々ある。
資料として、ブログに残しておきたい。

                            2020年10月
                   ジャーナリスト 相澤 雄一郎

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                           2018年8月
「アサノマンション」は復興資金を利用した違法行為だ
浅野会頭と亀山市長の密接連携。20億円で市復興公営住宅54戸
社会福祉法人「花水木」を抱え込み2階にデイケアセンター開設
石巻市が復興交付金から国庫補助金相当の2億700万円交付
7億円の負債抱える一視同仁会に石巻信金4億円融資
その②

社会福祉法人・一視同仁会(石巻市鹿又字八幡前15)の「花水木」が「アサノマンション」2階にデイケアセンターを開設、国庫補助金2億700万円の交付金を受けていたことが分かり、調べてみたら組合長の浅野会頭が2012年(平成24年)11月9日、一視仁会の理事に就任していた。
社会福祉法人・一視同仁会は1998年(平成10年)11月4日、旧河南町鹿又に設立、翌10年5月から在宅複合施設花水木をオープンした。ショートステイ20床など河南町の委託事業を行った。当初は河南町北村出身の資産家木村毅氏が経営に当たったが、平成11年9月18日、秋田県湯沢市川連字久保の漆器製造会社「丸倉」社長佐藤賢三氏が理事長なった。2005年(平成17年)4月、石巻市は1市6町と合併、一視同仁会は石巻市に移管された。浅野会頭は評議員となったが、東日本大震災後の2012年(平成24年)11月9日、理事に就任した。
浅野会頭は「アサノマンション」を計画、2階にデイケアセンターを開設しようと計画したのだ。社会福祉法人一視同仁会を浅野グループの傘下にすれば福祉事業もできる。浅野会頭の知人も理事に入った。5人以上の理事会で決めれば思い通りにできる。税理士事務所長ら監事2人も知人だ。
2015年(平成27年)2月20日に一視同仁会の佐藤健夫理事長が経営難を作った責任を追及され任期途中で退任し、翌日の2月21日、常務理事花水木施設長の遠藤早苗氏を理事長にした。遠藤氏は元宮城ヤンマーに勤めており、退社して花水木に入った。佐藤前理事長は秋田県湯沢市に複合福祉施設「かぐら」を平成26年10月6日、オープンさせた。湯沢市を通して地域総合整備財団から「ふるさと融資」1億2,100万円の貸し付けを受けた。理事長として同年2月に申請した。無利子、15年間30回返済が条件。2回800万円返済したが、「かぐら」は翌年2月経営不振で閉鎖。一視同仁会は1億1,000万円を超す負債を背負った。遠藤早苗常務理事は佐藤健夫理事長のスタッフをしてきたが、実質理事長の浅野氏と組んだ形で「アサノマンション」2階にデイアケアセンター開設を計画した。
理事長交代がなぜできたのか。佐藤健夫氏は父親の賢三氏の後を継いで平成18年3月27日、3代目理事長になった。佐藤父子は秋田県湯沢市川連で漆器製造してきたが、経営状況が悪くなり、社会福祉事業にも手を伸ばした。佐藤健夫氏は理事長であり、約2億円をかけて「この花」というサービス付き高齢者福祉施設施設(60床)、温泉付き「森のバス」(20室)など漆器製造工場近くに開設した。しかし、経営難に陥り、父の賢三氏は80歳で脳こうそくで死去。億単位の相続税を納めることができず仙台国税局ら土地など資産が差し押さえになった。
社会福祉法人は国、自治体の補助金が出るので設立、認可は所轄官庁の厳しい条件、審査が必要だ。佐藤理事長に退いてもらい浅野会頭の知人などを理事、監事にして経営体制を整えれば「社会福祉法人一視同仁会」をそっくり受け継ぐことができる。花水木施設長で常務理事の遠藤早苗氏を理事長にした。「アサノマンション」2階に花水木のデイケアセンターを開設しての国庫補助金の交付を考えたのだろう。
一視同仁会の貸借対照表によると佐藤氏に土地代3,000万円、家屋・建物代7,500万円を支払っている。
社会福祉法人を設立、認可を受けることは難しいが浅野会頭は佐藤健夫理事長の経営失敗につけ入り、東日本大震災を利用して「乗っ取り」のように「社会福祉法人一視同仁会」を手に入れた。
ただし、一視同仁会をめぐって所轄官庁への届け出などがきちんと行われていないという文書が市議会に届けられた事実がある。 
社会福祉法人所轄庁は厚生労働省(東北厚生局)が、平成28年度から宮城県保健福祉部社会福祉課に移った。
ところが最大の被災地石巻市は、中心市街地の地権者が再開発組合を設立してマンション建設など計画すれば、石巻市が指導、監督して復復興交付金を交付するという仕組みが震災翌年から出来上がった。浅野会頭は亀山市長の参謀役。旧北上川沿いにある50坪ほどの旧ヤンマー、自宅を含め1,500坪の所有者19人の地権者で中央1丁目14・15番地区中心市街地再開発組合を平成26年3月に設立した。7階建て79戸のマンションを計画、石巻市が54戸を公営災害住宅として19億8,400万円で優先買い取りを平成26年12月の市議会に提案、質疑もなく可決。花水木デイアケアセンター開設2億700万円を含め約6億6600万円は国庫補助金。公営住宅約20億円。総建設費34億円の80%が公金で出来上がった。
佐藤健夫前理事長は妻と別居して湯沢市にはいない。サービス付き高齢者住宅の「この花」は一視同仁会が運営し、60人定員だが入所者は30人ほど。前理事長に土地代3,000万円、家屋購入費7,500万円を平成27年度貸借対照表で支払っている。監査役は明確に説明できない。
亀山石巻市長宛に平成26年12月19日付で浅野組合長が央1丁目14・15番地区公営住宅2階に一視同仁会花水木デイケアセンターを開設するため「高齢者生活支援施設等整備事業補助金交付申請書」を提出した。620万円の補助金を交付してほしい、という内容だ。石巻市は平成26年度に市復興事業部復興住宅課から352万円、27年度に5,749万2,000円、28年度に1億,4,592万6,000円、合計2億693万8,000円が組合に交付されていた。2億700万円の国庫補助金相当額だ。市復興交付金から支出された。ジャーナリスト相澤雄一郎が平成29年8月、市復興事業部に情報公開請求してこの支出書類を受け取った。情報公開申請を行なわなければすべて闇に消えていた。
石巻市が2億700万円の補助金交付
平成26年度の理事6人は、佐藤健夫理事長時代である。遠藤早苗理事長は平成27年2月21日に理事長になった。設立当初から理事の松川洋悦氏(元よこてグランドホテル社長)は平成29年6月末で退任した。「一視同仁会の経営内容は疑惑点が多くある。他法人に譲渡を検討したことがある」と言っている。社会福祉法人制度は平成28年度から経営組織のガバナンス強化、事業運営の透明性向上、財務規律の強化など改革を要求される制度に変更された。

相澤雄一郎は平成29年8月25日、石巻市復興事業部に対して花水木デイアケアセンターに関する情報開示請求を行った。近江恵一復興事業部長には「社会福祉法人一視同仁会は数億の負債を抱えた不良法人である。国庫補助金の交付を受けることができる法人か」と聞いたが、「実態まで調べていない」という返答だった。
準備組合の段階で「デイアケアセンター」入居を決める
 これは国庫補助金詐取ではないか。準備組合の段階の平成25年9月20日、石巻商工会議所2階で開催した浅野組合長が議長の役員会で一視同仁会経営の花水木デイアケアセンターを「アサノマンション」2階に入居させることを決めていた。その議事録も開示請求で入手した。出席役員7人の氏名は黒塗りだ。その役員会に一視同仁会理事花水木デイケアセンター施設長の遠藤早苗氏がいた。松川洋悦一視同仁会元理事は「平成25年段階の理事長は佐藤健夫である。準備組合の役員会開催の議事録は佐藤健夫理事長が退任した平成27年2月以降に作成したものだ」と言っている。この議事録は後で作成した疑念が出てきた。
 黒須光男氏は平成29年4月23日投票の石巻市長選挙に「亀山、浅野の無責任市政チェンジ」を掲げ立候補したが、3位で敗れた。相澤雄一郎が選対本部長になった。石巻商工会議所会頭5期目の浅野亨氏は30年前に資本金9,510万円、株主71人の石巻テレビ放送株式会社(有線放送)を設立、代表取締役社長に就任した。数年で経営難になり休眠会社同然になった。平成14年12月9日、当時の森山真弓法務大臣が「登記後5年以上休眠状態の会社は解散させる」という通達で石巻テレビ解散登記を行った。浅野社長は解散の事実を株主に報告せずに放置。10年後の平成25年6月に解散させられていたことを知った相澤雄一郎は元石巻市長・青木和夫氏、元石巻市議会議長・内海源助氏と「石巻テレビ解散の実態を明らかにする会」を設立。浅野氏は平成16年11月から石巻商工会議所会頭に就任したが、「自分が呼び掛けて設立した石巻テレビの解散を株主に報告しないのは経済人として無責任で会頭をする資格はない」と追及した。
 浅野氏は公共工事に絡む談合など疑惑の経済人。亀山市長の参謀役で多額の復興資交付金を好き放題に回している。同25年12月、株主関係者に「資本金は全て開局の費用に使った。津波で資料は流失した」という「お詫び状」が郵送されてきた。
 仙台地検は浅野会頭の「アサノマンション疑惑」の実態を掴んでおり、浅野会頭の事情聴取を平成29年秋に行っている。近江恵一石巻市復興事業部長も11月に聴取されるなど近く仙台地検は判断を下す情勢となってきた。しかし平成30年3月29日、仙台地検は黒須光男市議の浅野亨氏への背任・詐欺容疑告発、浅野氏が黒須市議への名誉棄損・虚偽告発容疑双方を嫌疑不十分の不起訴にした。黒須市議は不起訴を不服として仙台検察審査会に申し立てを行い4月5日付で受理された。
 社会福祉法人一視同仁会は評議員の浅野会頭が実質理事長である。石巻市が花水木デイアケアセンターに「高齢者生活支援施設等整備事業補助金」として平成26年度、27年度、28年度の3年間に合計2億693万8,000円が交付されている。国庫助金2億700万円と同額だ。浅野組合長が復興交付金という公金を亀山市長と連携して詐取した容疑も出てきた。浅野組合長が石巻市に平成26年12月19日付で提出したデイケアセンター開設の「高齢者生活支援施設等事業補助金交付申請書」には平成27年2月20日付で「社会福祉法人一視同仁会理事長を退任した佐藤健夫氏の氏名」が仙台法務局石巻支局の平成26年3月24日付で発行した書面1枚が添付さている。
「平成24年12月20日 理事佐藤健夫」と登記している書面である。国庫補助金は不良社会福祉法人には交付できないことからこのような書面を提出したのではないか。

復興公営住宅建設でも疑惑 大和ハウスに上乗せ支払い
背任で亀山市長を告発  新蛇田182戸3億4千万円。
新たに湊東A街・B街101戸3億8千万円上乗せ発覚

黒須光男市議は復興公営住宅疑惑について情報開示請求、法務局の登記簿調査などで全容をつかんだ。4LDKを3LDKに改造した5階建て公営住宅を私も見たが、無駄なことをしていると思った。市は平成29年10月、災害公営住宅整備戸数を4700戸から4493戸に変更することにした。前年12月に200戸増やしたが今後の状況を見ると余ってくると見たのか。復興住宅建設費は千数百億円。
現在、大手ハウス会社2社を中心に工事が行われているが、県議、市議らが仲介したといううわさが出ている。建設地の確保、入札など大変だろうが、多額の復興資金に絡む疑惑が次々出てくる。
亀山市長は「3期目は復興総仕上げ」と表明、2020年度に完成予定の市民会館と文化センターを併合する「複合文化施設」を最後の花道にするそうだが、浅野会頭と2人3脚の市政運営で大丈夫なのか。
黒須光男市議は平成30年2月20日、亀山紘市長を背任容疑で仙台地検に告発した。仙台地検は4月11日に受理した。
容疑は2015年(平成27年)3月完成の新蛇田地区公募型買い取り市営住宅182戸について石巻市は大和ハウス工業と2013年(平成25年)11月、買い取り額を選定委員会(11月22日)、運営委員会(11月26日 )を開いて43億8,389万2,000円で決定した。ところが2014年(平成26年)5月20日、3億4,123万7,600円を増額して47億2,512万9,600円で買い取り額を契約した。大和ハウス工業仙台支社執行役員支社長・岡田恵吾氏が契約相手。建設費の増額は物価高騰など特別な事情がない限り「石巻市公募型買取市営住宅制度実施要綱」では変更できない。石巻市は運営、選定委員会も開催せず、設計変更などの図面は全くない。亀山市長、側近スタッフは「実施要綱に欠陥部分がある」と言い訳しているが、それが市長としての背任なのだ。新蛇田182戸の3億4千万円の上乗せ建設費が黒須議員によって告発されたが、新たに大和ハウス工業が平成26年12月に運営委、選定委で湊A街・B街101戸を30億5,982万2,000円で契約した件について平成27年6月30日、3億8,527万2,800万円を上乗せして34億4,510万2,800円を大和ハウス工業に支払っていた。「要綱」にある選定委員会は開催してない。

社会福祉法人一視同仁会は7億円の負債を抱える
さらに社会福祉法人一視同仁会の平成28年5月に開催した評議員議案書によると秋田県湯沢市に開設した複合福祉施設「この花」の土地建物を「たなか屋」(田中美次氏・東京、医療機器製造販売)に3億9千万円で売却して経営立て直しする計画が相手の資金難で実現しなかった。一視同仁会は6月段階で北都銀行の借入残高約3億1千万円、「ふるさと融資」残高約1億1千万円(一視同仁会が約3,000万円を返済している)。「たなか屋」への売却予定額を一視同仁会が抱えている。石巻信用金庫は運転資金として4億円を融資している。浅野会頭の関連で融資したものだろう。庄司捷彦弁護士と同事務所の松浦健太郎弁護士が顧問弁護士になっている。こうした経営難、運営に疑惑を抱えた社会福祉法人が石巻市から公金補助金を受けられるのか。浅野会頭は実質理事長である。社会福祉法人管轄は平成28年度以降厚労省から宮城県保健福祉部に移ったが「現段階では経営状況を見るしかない」そうだ。「アサノマンション」2階に一視同仁会経営の「デイケアセンターを開設して石巻市から「復興交付金」約2億700万円を浅野亨石巻商工会議所会頭が理事長の中央1丁目14・15番地区市街地再開発組合が受け取っている。国庫補助金の適正化に関する法律違反ではないのか。
「ガレキ処理チョロマカシ事件」で環境省が5,242万6千円を石巻市に返還命令。亀山市長、市費で返還するが責任取って6カ月給与20%カット。市議会から120万円は無責任だ。チョロマカシは市長の告発遅れ
東日本大震災で発生した石巻市のがれき処理業務委託費の不正請求事件で同市の籐久建設建設(伊藤秀樹社長)が水増しして詐取した約5,740万円のうち、環境省は国と宮城県の補助金5242万6千円を石巻市が返還するよう命令した。

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