今、開発生産性に注目が集まる3つの理由
昨年くらいから「開発生産性」に対する注目度が高まってきています。Findyも「Findy Team+(チームプラス)」という開発生産性の可視化・改善をサービスを提供しているのでいるので、サービス運営者としての立ち位置もありますが、本格的に「開発生産性」がトレンドになってきたと感じています。Findyでも「開発生産性」という言葉をタグラインに使い始めたのは昨年からで、それまでは「開発パフォーマンス向上」という表現でした。
では、なぜ今、開発生産性に注目が集まってきているのかについて書いていきます。
開発生産性に注目が集まる3つの理由
⓪もともと高かった開発生産性可視化と継続的な改善へのニーズ
3つの理由に入る前に前提のご共有からです。
2020年頃に「チームプラス」のベータ版をリリースし、営業活動をしている頃から、各社のCTO室やSREチームでは開発生産性に関する取り組みを始めている企業が増えてきていました。各社でGitHubのAPIなどを活用してデータを取得し、デプロイ頻度やプルリクのクローズまでの時間を可視化するなど、先進的な会社で実験的な取り組みが始まっていました。課題感としては、自社のサービス開発に力を入れたい企業が多いため、開発生産性に関する指標の開発メンテナンスが続かない、あるいは取り組んでいても社内の一部組織に止まるなどの傾向がありました。
また、エンジニア組織自体がテストやビルドの自動化、生成AIの活用など、日頃から継続的に業務を改善していくカルチャーを持っており、開発生産性の可視化もその中の取り組みの一つでした。
①エンジニア組織への投資規模が拡大。経営陣の開発生産性への興味が高まる
2020年ごろからスタートアップの大規模資金調達が活発になり、各社のエンジニア組織の規模が大きくなってきました。未上場時点で、数十人から100人を超えるエンジニア組織を抱える企業もどんどん出てきています。また、すでに組織規模が大きかったメガベンチャーや上場ベンチャーもエンジニアの給料が上がっていく中で、エンジニア組織への投資額が大きくなり、生産性が経営のテーマになってきます。
以下の表を見ていただいてもわかりますが弊社の調査ベースでも2022年の1年間でエンジニアの平均年収が約1割ほど上がってきており、採用人数も増えている中では経営へのインパクトが大きくなってきていますね。
また、DevOpsツール市場の伸びており、各社がエンジニア1人あたりに使う通信費も上がってきています。決算における影響が大きくなる中で、経営陣からもエンジニア組織の生産性は注目のテーマになってきていました。
②Four Keysの発表などから開発生産性の可視化に注目が集まる
そんな中DevOps Research and Assessment(DORA)の調査をベースにした以下の記事が、2020年の秋ごろにリリースされ、日本でも開発生産性に関する注目度が上がっていきました。今回、弊社の開発生産性カンファレンスでも、まさにこのDORAの創業者であるDr.Nicoleに登壇をお願いしています。
それまで各社で徐々に始めていた取り組みに対して、指標作りをリードする研究結果なども出始めて、急速に普及期に入っていきました。共通の指標を見始めることで、他社と比較して自分たちがどの程度なのか、どこまで改善できそうなのかを数字で把握できるようになったのも大きな伸び代になりました。
③エンジニア採用にも効果がある開発生産性への取り組み
上記の背景もあり、「8割弱のエンジニアが求人応募・転職時に開発生産性を重視している」という調査結果も出てきています。
転職を考えているエンジニアにもインタビューをしたことがあるのですが、生産性が高い組織で働いた方が、個人として成長できる可能性が高いこと、また開発者体験も良い可能性が高いので気持ちよく働けることなどが挙げられました。また、ある企業では「チームプラス」の改善データを最終面接で見せることで自社の取り組みをアピールしているケースもあるそうです。
また、生産性が高い会社の方が当然ですが、一人当たりの付加価値が高まるので、エンジニアの年収も長期的に上がりやすい傾向になる可能性があります。
以上3つの理由から、開発生産性に対する注目がここ数年高まってきています。
7/13(木)開発生産性カンファレンスの概要
そんな時代背景もあり、Findyでは7月13日(木)にファインディ主催のイベント「開発生産性Conference」を実施します。すでに1,300名以上の方にお申し込みをいただいていて、なんとその50%以上を占めるのがエンジニアのリーダーです。
開発生産性Conferenceの開催目的
今回の開発生産性カンファレンスを通して、開発生産性への向き合い方や開発生産性向上におけるベストプラクティスなどの知見を共有し、日本全体で開発生産性について考えたり、学ぶ場として開催をしたいと考えました。
開発生産性Conferenceのお申し込みはこちら
すでに1,300名を超える方にお申し込みいただいております。現地参加も増えており、席数も限られるのでお申し込みはぜひお早めにご検討ください。
開発生産性Conferenceにおけるテーマのご紹介
"開発生産性"と一言で言っても、多岐にわたるテーマが存在します。ここでは、一部となりますが、どのようなテーマの話が聞けるのかを記載します。
Keynoteでは、『LeanとDevOpsの科学』の著者であるDr.Nicoleをお招きして(※)、開発生産性向上に向けて、DORA Metrics (通称Four Keys)やSPACEといったフレームワークをどのように活用するのか、また最新の生産性におけるリサーチからリモート・出社のハイブリットワークやGitHub Copilotなどのツールを活用した生産性向上の取り組み研究結果についてお話いただきます。
※Keynote講演内容は登壇者の都合上、事前収録したものをパブリックビューイング形式で流し、Q&Aについてリアルタイムで実施いたします。
Keynoteで登壇するDr.Nicoleからのメッセージはこちら
ゲストスピーチには、東急様、KINTOテクノロジーズ様による、大手企業の内製化と開発生産性、メルカリ様・DeNA様・ヤフー様の具体的な事例も交えてお話いただく予定です。
また、ベストプラクティスの共有を目的としているため、スポンサーいただく企業様の登壇にもFour Keysの改善の取り組み、Team Topologiesにおける組織改善、またツールを活用してどのように開発者体験を向上させるかについてもお話いただく予定です。
(初回イベントにも関わらずスポンサー頂いた企業様は本当にありがとうございました。)
イベントの詳細はこちらから閲覧いただければ幸いです!