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エンジニア転職のトレンド予測2025年〜大規模調達スタートアップが人気、国内はリモート維持、平均年収は変わらず等〜


Findyでは年に数回、「IT/Webエンジニア調査レポート」を実施しております。今回は本調査や日々、ユーザーやクライアントと接している視点で2025年に向けてのエンジニア転職のトレンド予測を書いてみました。ぜひご笑覧及びご意見いただければ幸いです。

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国内はリモートワーク維持、海外は出社増加

まず、以下のスライドの通り、国内IT/Webエンジニアのリモートワークの頻度については前回の調査と比較しても誤差の範囲でほとんど変わりません。

一方で、海外からは衝撃的なニュースが飛び込んできました。先週、Amazonが週5出社に切り替える発表を出しています。またウォルマートなども同様に週5出社としており、GoogleやMetaの週3出社よりも更に踏み込んで、オフィス回帰を進めるとのことです。ただし、「エンジニアが集中できる作業時間を確保する際には例外」とする記載も記事内にはあり、今後エンジニアの働き方がどうなっていくかは注目が集まるところです。

では、今後日本のエンジニアの働き方はどう変わっていくのか。最も影響を受けるのはまさに「需給バランス」になってくると思っています。最近、開発生産性SaaS Findy Team+の海外展開を進めるにあたり、海外企業と接点を持つ機会が多いのですが、日本の人材不足や採用競争には多くの国の人が驚いています。やはり、米国やカナダ、豪州のように常に英語圏のため、移民から人気の高い国々やインドのように人口増加が続いている国々では、スキルが高い人は別にして常に人余りのリスクがあるため、企業側がある程度働き方を決めやすい傾向です。

また、テスラのような会社も出社を求める傾向ですが、製造業や小売、物流などリアルと切ってもきれない産業に関しては、今後もIT/Webエンジニアに限らず出社が増えていくと考えています。やはり、産業競争力の源泉がリアルにあり、ネットがリアルの世界に溶け込んでいく未来の中でどう勝っていくかに軸が移っていく中でグローバルで見ると出社の傾向は強まっていきそうです。

平均年収は大きく変化せず。上昇にはグローバル化が必要

次のスライドを見ていただければと思いますが、平均年収に関してはここ1年それほど変わっていない状況です。大手企業がインフレ対応で、賃上げを進める中で意外な結果ではないでしょうか。

一方で、日本を代表する大手商社や半導体メーカーの平均年収はここ最近大幅に上昇しています。ちょっと極端ですが東京エレクトロンなどは10年で倍近い増加ですね。やはり収益性と年収というのは大きく紐づくものです。

そして物価が上がっている海外市場の方が同じものを作っても高く売れる、故に収益性も上がり年収も増えるという構造のようです。

では、今後のIT/Webエンジニアの年収推移はどうなっていくのか。答えはずばり海外で収益を上げれる会社で働くかどうかの影響が大きくなってくると考えています。大手企業もエンジニア採用を増やしており、またスタートアップからも海外での挑戦がこの円安下で明らかに増えてきています。Findyもインドでの挑戦を始めていますが、必ず海外で勝てる会社を作っていきたいと思っています。

大規模調達スタートアップの人気が高まっている

以下のスライドは「直近1年で知って興味を持った企業」のアンケートです。当然、ここ1年ではあるので、大規模な調達を実施しているスタートアップがランクインしています。SmartHRさんやLayerXさん、newmoさん、ログラスさん、ナレッジワークさんなどはここ1年で数十億円以上の資金調達があり話題になりました。売上・利益を出せる可能性のある会社への資金調達は徐々に戻ってきていますね。

また、面白いのは「さくらインターネット」さんはIT業界では歴史ある企業にはなりますが、ガバメントクラウドで大躍進をしており、改めて再認知した方も多かったようです。


また、日本ではメガベンチャーも、最近1年で知った会社で挙がってくるのが面白いところですね。やはり、日本の新卒はあくまで大企業をメインで受ける傾向があるので、そういった就活をした方にはまだまだ認知が届いていなかったりする可能性があります。

エンジニア採用という視点で見ると、大手やメガベンチャー、スタートアップと多様なプレイヤーが参入してきており、国内では少なくともリモートワークが維持されている中では、いかに採用ブランディング・マーケティング・広報に力を入れるかが各社のテーマになってきそうです。

DevOpsツールを使いこなすエンジニアの需要が増加

Findyでは今年、Findy ToolsというDevツールのレビューサービスを始めました。多くのエンジニアの方にすでにレビューを頂いており、非常に感謝しております。

スタートアップではもちろん、大企業でもこうしたツールを活用してWebサービスの開発やデータ活用を行う会社がどんどん増えてきています。例えば、ある大企業のDX部門では各事業部がシステム開発をしているものの、データをAPI化した上で、ツールを活用してデータを統合し、BIツールで吐き出すシステムを開発しているとのことです。もちろんエンジニアが在籍して、アーキテクチャを設計した上で、活用しているのですが、コーディングをすることが当たり前ではなくなってきているようです。

また、ある大手受託企業では、Devツールをチューニングしながらクライアントに価値提供をしていく数千人のエンジニア部隊があると聞きました。これも大手企業の受託=ウォーターフォールで開発という常識ではなくなってきています。

実際に生成AIなど新しい技術の活用は、個社ごとの開発組織での取り組みではデータ量が十分ではないことが多く、そこをCopilotをはじめとした多くのツール群が担っていくのではないかと思っています。実際にDevツールのアップセルの最大のオプションにAI活用が出てきているので、この流れは加速するのではないでしょうか。

以上、いかがでしたでしょうか?全てのトレンドを含んでいるわけではないピックアップレポートですが、何かのお役に立てれば嬉しい限りです。

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