ロードバイク ペダリングの極意
今回はペダリングの基本についてお話しします。
よく知られている通り、ペダルは綺麗に丸く回すことが大切です。
クランクに対して常に90°の角度で力を伝えていられるか、上死点から下死点までまんべんなく力を伝えられているか、引き脚は使えているか。
意識としては、ペダルが下死点の手前、4時半辺りにきたタイミングから引き脚を使うことです。
5時、つまり下死点まで踏みつけてから引き脚を使うのでは、一瞬ペダルの回転の動きが停止してしまい、一定のペースでペダルを回すことができずに、「踏んで、止めて、引いて」といった、ペダリングにインターバルがか掛かった状態になってしまいます。
なので、チェーンにテンションが常に掛かった状態でチェーンリングを一定ペースで回すことを心掛けて下さい。
ペダルは、引き遅れないことが重要です。
また、同様にペダルは踏み遅れないことも重要です。ペダルには1時から5時までしっかり力を伝えないと、スピードを出すことは出来ません。
しかし、「踏む」という意識は不要であると考えています。
引き脚を使う理由のひとつに、ひとつはペダルに体重が乗り続けていると上手く回らないために、スムーズに回すためにもクランクが上がるタイミングで脚を引き上げることが重要ですが、ビンディングペダルで引っ張ってクランクを動かしているのではありません。あくまで、ペダルに力を伝えているのは踏み脚のタイミングです。
しかし、人体の構造上、脳は左右両方に同じ指令を送っているのですが、脚を引き上げる動作を行うと、その反作用で反対側の脚にも脳から指令が届き、踏む力が強くなるのです。
踏み脚は意識して踏むのではなく、引き脚が上手く使えた結果、勝手に踏む力が生まれるのです。
なので、ペダルが4時半の辺りに来たタイミングで、アルファベットのCの軌道を描くイメージで9時辺りまで下死点を上手く通過させましょう。
上死点の通過は、引き脚の意識で自然と行われます。
最後に、基本的な乗車姿勢についてお話しします。
まず、両手離し運転で身体を直立させ、腕を背中側で組み、骨盤を立てたままペダルを回して走ります。
次に、腹筋と背筋の支えを使いながら身体を徐々に前傾させていきます。
腹筋、と言っても力を込めるのではなく、あくまで支えです。力んでしまえば、それはブレーキ動作となりスムーズな身体の動きを阻害してしまいます。
身体を前傾させるにしたがって、勝手に、自然とペダルの回転は早くなっていきます。
この、「勝手に」、「自然に」というのがポイントです。この勝手にという動作を反射と呼びます。立っているときに身体を前に倒していくと転ばないように勝手に脚が前に出ることをイメージしてもらうといいでしょう。
そして、腕を自然に出した位置にハンドルがあるのがベストな持ち位置です。
ペダルは回すものではなく、重心移動によって回るもの、これを心掛けてみてください。