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[3DP]防湿フィラメントケース

私は3Dプリンタでの印刷中のフィラメントの劣化を防ぐため、防湿ケースを作成し、使用しています。

今回はこの防湿ケースの構成と作成方法を紹介します。記事のメインはEnder-3 pro用になっていますが、後半でAdventurer3用も紹介します。自分の3Dプリンタにあわせてカスタマイズしてください。

本文中に3Dプリント用のSTLファイルも置いておきます。

1. 部品構成

(1) ケース

世の中はダイソーの5.5Lを使う例が多いのですが、近場では入手できなかったため、ホームセンターでそれなりのものを買って来ました。食品用の上蓋式のものです。Amazonでも売ってるみたいですね。

(2) PTFE (テフロン)チューブ
数cmでOK。私はEnder-3 pro をダイレクト式に改造した際に外したチューブをカットして使っています。

(3) パネルマウント用のφ4チューブフィッティング

隔壁ユニオンと呼ばれている外径φ4mm用のワンタッチ接手です。私は家にあったものを使っていますが、Amazonで類似品が買えますね。取り付けはM12ねじです。

(4) リールホルダ

紹介記事ではベアリング4個遣いの下置きの物が多いのですが、私はリール中央を保持するタイプのものを自作して使っています。

STLファイルを置いておきますが、私はFLASHFORGE製のフィラメントがメインですので、それ用に設計しています。(500g/1000g共用)

(5) 608ベアリング

リールホルダで定番の608ベアリングですね。2個遣いです。

(6) インシュロックタイ

リールホルダとケースを固定するのに使っています。仮止めのつもりでしたが、特に不都合もないしこれでいいかと思ってます。

(7) アルミフレーム取付用の脚

20mm角のアルミフレームの寸法を調べて設計・プリントしました。M6ねじ用です。

(8) M6ねじ・ナット

手持ちにあったものから使用。脚ごとに一個遣いで合計2個。ナットは脚に埋めて使います。

(9) 乾燥剤

ケース内の除湿用です。天日干しすることで繰り返し使用できるものです。定期的に布団乾燥機で乾燥させています。

2. 作り方

まずは完成形から。(別用途で使った際の穴を養生テープでふさいでいるので、見苦しくてすみません)

以下が手順になります。

(1) まずはリールホルダと脚を印刷しておきましょう。これが一番時間がかかります。

(2) サポートを蓋の中央付近に置き、印をつけます。後ほどここにインシュロックタイを通す穴をあけます。

(3) 脚を蓋に当て、穴位置に印をつけます。

(4) ホルダの中央の穴にベアリングを嵌め込みます。両側から一個づつです。ツライチまで。

(5) ホルダにフィラメントリールと軸を組み込みます。

(6) 架台にセットします。

(7) (6)を(2)で印をつけた位置に置きます。

(8) フィラメントを通す位置に印をつけます。接手がリールにぶつからない位置。

(9) 蓋にドリルで穴をあけます。リールホルダ:φ3mm*4箇所, 脚:φ7mm*2箇所, 接手:φ12mm*1箇所。大きいドリルがなければ、ケガキしてカッターで抜いてもok。私は3mmドリルで複数穴をあけてニッパでカットし、ヤスリで仕上げました。

(10) 接手を組み込みます。付属のナットで固定してください。

(11) PTFEチューブを適当な長さにカットして接手に取り付けます。断面が潰れないように注意してください。もし潰れている場合は円形になるように直しましょう。

(12) 脚にナットを埋め込みます。六角穴に押し込むだけです。

(13) アルミフレーム上端の六角ボルトを外します。ボルト頭がフレームよりも出ているので取り付けの際に干渉します。

(14) 脚をアルミフレームに取り付けます。押し込むだけです。

(15) 外したねじを再度取り付けます。

(16) 蓋と脚の穴位置をあわせてねじで固定します。

(17) 蓋とリールホルダをインシュロックタイで固定します。

(18) フィラメントをセットし、チューブからフィラメントを引き出します。引っかかりがある場合は修正しましょう。

(19) 乾燥剤を入れ、ケースを被せれば完成です。

3. 他機種への応用

他機種もこの応用でできます。実際にAdventurer3では蓋を上にしてフィラメントを横出しにして使っています。

Adventurer3の場合、別置きにする時はカバーにスペーサをかませて使います。Thngiverseで探すと出てきます。

まとめ

3Dプリンタ用のフィラメントは湿気に弱いものが多く、季節によっては1週間程度室内環境に置いておくだけで使い物にならなくなったりします。(経験談)

ここで紹介した防湿フィラメントケースは、物を買って、穴をあけて、組み立てれば使えます。楽しい3Dプリントライフのために、少しだけ手間をかけてみるのも良いものですよ。

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