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音楽プロモーションは新時代に突入!?Mega Shinnosukeの「愛とU」が大バズリ!!国内最大級の音楽支援会社がバズの軌跡を分析してみた【第5弾】


はじめまして、株式会社WAND(ウォンド)代表の黒﨑です。
音楽業界特化型のショート動画UGCマーケティング支援サービスと、4,000人のTikTokerに案件を依頼可能なインフルエンサープラットフォームアプリを運営しています。

今回、「現役東大生がTikTokでバズってる曲を分析してみた」シリーズに続いて年間100曲以上の楽曲プロモーション支援を行う株式会社WANDが、「愛とU / MegaShinnosuke」のバズの要因を分析します。

※過去記事はこちら↓

槇原敬之『もう恋なんてしない』まさかのZ世代で大バズリ?!話題の槇原ドリルを分析!TikTokでバズってる曲を現役東大生マーケターが考察してみた(その他:奥田民生『さすらい』の密かなバズ気配など)【第3弾】

■「オトナブルー」はなぜリリースから3年経ってバズったのか? TikTokでバズってる曲を現役東大生マーケターが考察してみた

アンパンマンMADで大バズり?!マイファス「I'm a mess」急成長を分析!TikTokでバズってる曲を現役東大生マーケターが考察してみた【第2弾】

楽曲のマーケティング・プロモーションにおいて、SNS攻略が必須の現代。レコード会社のデジタルマーケティングや宣伝担当の方々や、インディーズレーベルや音楽事務所の方々、DIYアーティストの方々など、様々な音楽関係者の方の参考になれば幸いです。

また、今後も定期的にバズ曲分析を行っていく予定ですので、宜しければnoteとTwitterのフォローをお願いします!


1.楽曲サマリ


楽曲ジャケット写真

【楽曲概要】
・楽曲名:愛とU / Mega Shinnosuke
・音源の投稿:2024年6月20日(TikTok上ではMVに出演しているらんさんが最も早く投稿)
・配信リリース:2024年6月19日(水)
・YouTube再生数:208万回(2024年9月3日時点)
・TikTok UGC数:104,600本(2024年9月3日時点、オリジナルバージョン・Sped up ver.の合計数)

楽曲の分析をする前に簡単にアーティストの紹介をすると、
Mega Shinnnosukeは2017年からオリジナル楽曲の制作を始めました。

2021年2月、日本テレビ系ドラマ「君と世界が終わる日に」の主題歌「星を仰ぐ」を制作し、菅田将暉に楽曲提供。その他にも、私立恵比寿中学など、数々のアーティストに楽曲提供をしています。
2024年6月にリリースした「愛とU」は、リリースして2か月程でTikTokの総再生回数1億回を突破し、さらにBilboard Japan TikTok Weeklyで同楽曲のSped Up ver.が初めて首位を獲得。また、オリジナルバージョンも15位にランクインしました。
11月には初のZeppツアーも決定しています。

そんな今後注目のユニット、Mega Shinnnosuke の「愛とU」がバイラルヒットした経緯について紐解いていきます。

2.バイラルヒットの要因を考える


この楽曲が着火した要因は3点ほど挙げられます。

①楽曲の中毒性と可愛く真似しやすいダンス
②韓国での着火
③二段階バズ

①楽曲の中毒性と可愛く真似しやすいダンス


楽曲の中毒性はさることながら、こちらのダンスの振付はインフルエンサーのmiaさん。
miaさんは最近もライラック(Mrs.GREEN APPLE)のTikTok振付をしたりと、今最も注目度の高い、振付を制作するインフルエンサーの内の一人です。
miaさんの制作した振付の可愛さ・真似しやすさと楽曲の中毒性が合わさり、TikTokで火が付いたと思われます。

<miaさん振付の愛とU/Mega Shinnosuke>

@mianano7

可愛いフリできた😈🪽踊ってみてね🤲🏻#08 #高一 #fjk @megashinnosuke bot

♬ Ai To U (Sped Up Ver.) - Mega Shinnosuke

<miaさん振付のライラック/Mrs.GREEN APPLE>
この振り付けはアーティストご本人が躍るほど広がりました。

@mianano7

長いけど楽しいよ🫧🪻踊ってみてね👶🏻@Mrs. GREEN APPLE #08 #高一

♬ Lilac - Mrs. GREEN APPLE

②韓国での着火


また、MVにはTikTokでも活躍している韓国人モデル兼インフルエンサーのらんさんが出演。
リリース初期から日韓英の字幕付きの動画を本人アカウントが投稿する等、日本以外での広がりの種も巻かれています。
結果、K-POPアイドルがTikTokで音源を使って投稿したことでより大きなバズとなりました。

<MVに出演しているインフルエンサーらんさんの投稿>

<K-POPアイドルグループIVEの公式アカウントでの投稿>

@ive.official

𝙲𝚊𝚗 𝚢𝚘𝚞 𝚕𝚘𝚟𝚎 𝚖𝚎...? 𝗬𝗘𝗦!! (𝗹𝗮𝗹𝗮𝗹𝗮) IVE 아이브 アイヴ REI 레이 レイ

♬ Ai To U - Mega Shinnosuke

③二段階バズ


もう一つの重要な要素として”二段階バズ”というものがあります。

SNSの流行りは動きが速く、すぐに新しい流行りに移り変わってしまいます。
その中でもより広く・より長く楽曲のバズを創出するには、一度着火したものからまた別のバズにつなげることが重要になっており、二段階バズで成功している楽曲は最近多い傾向にあります。
これまでのTikTokから流行りのサイクルの流れが少し変わってきているようにも感じられます。

例:シカ色デイズ/鹿乃子のこ、きゅるりんしてみて/きゅるりんってしてみて

シカ色デイズは一段階目として腕を横にして左右に揺れる簡単なダンスが着火し、その後二段階目に同じMV内の全身ダンスで再度ヒットしました。
きゅるりんしてみては二回ともサビの全身ダンスが流行ったものの、一段階目では一番の振付、二段階目では二番の振付が流行っています。

<シカ色デイズ 振付①>

<シカ色デイズ 振付②>

<きゅるりんしてみて 振付①>

<きゅるりんしてみて 振付②>

@mumeixxx

最近みんなに伝える活動の情報量多いけど大丈夫そう?笑🥺頑張って付いてきてくれてるのかわいい()

♬ オリジナル楽曲 - ぽんこつてゃ - 踊るぽちゃ


愛とUも、一段階目でオリジナルの楽曲が着火し、その後二段階目でSped up ver. がバズりました。また、この楽曲ではサビが流行った後、Aメロの部分が流行り、バズの火種が複数ある事例となっています。

<オリジナルバージョン × サビ>

@seika_25

ギャルメイク似合わんって言われまくるから盛れ耐性なしメイクした

♬ Ai To U - Mega Shinnosuke

<Sped up ver. × Aメロ>

@sono7na

ネコミミヘッドホンデビュー🎧^._.^#おすすめ

♬ Ai To U (Sped Up Ver.) - Mega Shinnosuke

3.今回のバズ分析から得た学び

SNSバズにおけるスピード感と時勢のキャッチの大切さ


①SNSでのバズを視野に入れたプロモーション

今回の楽曲はMVよりも先にTikTok・Instagramで音源の一部が公開されました。TikTokで投稿されることを最初から考慮してのプロモーションではないでしょうか。
さらにこの方法は、楽曲に興味を持つ人が増えたタイミングでMVが公開されることによって、楽曲の別の部分の認知やMV・DSPへの誘導も促したのではないかと考えます。
さらに、リリース時点でシングルにSped up ver.の楽曲も収録されています。これまでのシングル収録曲と言えば、Instrumentalが一般的でした(別の楽曲も併せて収録されている場合もありますが)。TikTokでの使用を見越して最初から収録されていることからも、現代の音楽プロモーションの進化とSNSをどれだけ使いこなせるかが重要になっていることがわかります。

②公式・アーティスト本人の迅速な対応
SNSで話題になった瞬間にアーティスト側が迅速に対応することでバズの拡大を狙うことができます。
今回、アーティスト本人のアカウントではMVの映像に日韓英の歌詞字幕がついた投稿の他、ギターのコードが表示されている投稿、撮影のメイキング映像の投稿、オリジナルバージョンとSped up ver.の両方でのご本人の投稿など、様々な形で楽曲を広げる動きがなされていました。特に上述した通り、字幕に関してはリリースされた直後から投稿されています。
これらのスピード感がバズの流れを作り、バズの流れに乗り、楽曲・UGCの広がりにより大きな火種を巻いたと考えられます。

直近のはいよろこんで/こっちのけんとやI'm a mess/MY FIRST STORYなどの楽曲がアーティスト本人がバズに迅速に対応したことでより大きな波となったことからも、いかに時勢をキャッチし、スピード感を持ってバズに乗っかることが重要であるかが分かります。


今後も様々な曲の分析や、海外の音楽記事のまとめなど、音楽のデジタルマーケに関する様々なnoteを更新予定です。
宜しければnoteとTwitterのフォローをお願い致します!
Twitter:https://twitter.com/96gpt

株式会社WANDについて


株式会社WANDではレーベル・レコード会社様や音楽事務所様向けに、「楽曲のTikTok売れ」を提供する国内最大級のTikToker MCN『LUMOS』を運営しています。
最新の楽曲マーケティング手法について研究しながら、多数レーベル様と年間100件以上のお取り組みを通じて新たなソリューションを日々開発しています。

※株式会社WAND 音楽マーケティング資料の一部抜粋

『どうすればTikTok音源利用数(UGC)が増えるかわからない』
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