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半世紀をふり返り、これからを展望する

今週は、怒濤の採点作業が終わり、また二度目のワクチン接種も軽度な発熱で収まり、多幸感に包まれていたところ、さらに粋な計らいのビデオメッセージまで頂いてしまいました。何人かの、私が日頃からお世話になっている尊敬する同業者の方々がショートムービーで、お祝いの言葉を頂きました。コロナ禍で実際に集まってお目にかかれない分だけ、生の言葉が身にしみます。


この半世紀は、私にとっては幸せの連続。本当に良い半世紀だったなと思います。もちろん、うまくいかないことも、不愉快なことも、傷つくことも人並みにはありましたし、その方が多かったかもしれませんが、そんなときには美味しいものを食べたり、日帰り温泉に入ったり、親しい方とおしゃべりをして、気を紛らわせて、気持ちよく夜に睡眠を楽しみました。


この業界は、もともと例外的な優等生なかたや、スマートな方、要領の良い方が多くおられますが、もともと私の場合は、学校での成績も悪くて、だらしなくよく先生に怒られ、宿題はせずに、スポーツでもあまりよい成績を残せず、何をしてもぱっとしない平凡な幼少期を過ごしてきたので、怒られたり、嫌われたり、敬遠されたりすることに比較的免疫があるほうなのかもしれません。なので、年をとって、学者の世界で同じことをされても、あまり気にならずに楽しくやってこれたのだろうと思います。ぱっとしない幼少期を過ごすことは、悪くはないと思います。


もちろん、ここまで私がやってこれたのは、今回メッセージを頂いた方をはじめとして、とにかく多くの善意や優しさに溢れた方々に支えられてきたからです。というかそれしかありません。なので、日々感謝することばかり。私ような平凡で退屈な人間でも、とりあえずそれなりに仕事をして来れたのが、多くの方に助けられてきたからだとすれば、今度は私が大学教員として、より才能があり、より意欲に満ちて、より努力を惜しまない学生たちを助けなければならないと、つねに感じています。


ですので半世紀の人生を越えたこれからは、より格好悪く、ださく、適当に人生を送り、私が持っているささやかな力を、そのような将来の可能性に満ちた学生の皆さんのために使えればと思っています。


ただし、その前に、1年ほどイギリスのケンブリッジにお邪魔をさせて頂き、もう少し栄養を蓄えて、体力と精神力も磨いて、これからもうしばらく人生の続きを楽しめるように充電ができればと思います。人生の転機になるこの日に、あらためてみなさまへの感謝の気持ちを込めて。

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