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まじめがバカにされるなら、別のコミュニティに行けばいい Lunch#84 戸坂太陽さん

今、大学生の戸坂さんは、自分でメディアの立ち上げを進めながら、学生のキャリア支援の団体の運営をしたり、さらには、コンサルティング会社でのインターンをするなど、大学生とは思えないほどの行動力があります。

ただ、小学校の時の卒業文集の将来の夢は、サラリーマンだったそうです。そんな戸坂さんのポイントはこちら。


・トライアスロンから剣道へ
・何も知らないままに、ベトナム生活
・「まじめ」がバカにされる文化

まずは、トライアスロンから剣道へ、です。


父親の影響で、小学2年生の時に、戸坂さんはトライアスロンを始めました。

私自身、トライアスロンの経験者に出会うこと自体初めてだったのですが、何より驚いたことには、小学2年生のトライアスロンの競技者が存在するということでした。

ちなみに、小学2年生のコースは、スイム250m、自転車5km、ラン2kmというコースだそうです。

このコースの大会に小学2年生ながら出場した戸坂さんは、ほとんど初心者にも関わらず、100人中5位という結果を残したそうです。

これだけできるので、そのままトライアスロンの競技にはまり込むのかと思えば、実はそうでもなかったそうです。

練習をやったりもしているのですが、なかなか楽しみを見出すこともできず。その一方で、地元の小学校の体育館で剣道をやっていることを知った戸坂さん。

トライアスロンとは違い、自分の意思で剣道を始めます。
小学5年生くらいにトライアスロンをやめてからは、剣道一筋で、そのまま高校3年生までのめり込んでいきます。

小学生の時に入った道場は、自宅から電車で片道1時間の距離だったにも関わらず、弱音を吐くこともなく、続けていったそうです。

その熱意は中学でも止まることなく。道場だけでなく、学校の剣道部に所属するようになったそうです。多い時などは、1週間に合わせて11回の稽古をこなすなど、剣道への熱意は強くなる一方だったそうです。

高校に入っても、その熱意は冷めやらず、さらには戸坂さんのストイックさは磨きがかかっていきます。

最終的には、関東ベスト8の成績を残すほどの実力にまでなったそうです。


次は、何も知らないままに、ベトナム生活、です。


ストイックという言葉が、戸坂さんを表すのに最適なのですが、小学2年生からトライアスロンをやっていたり、1週間で11回の稽古に打ち込めたり、と。

まさにストイックな戸坂さんですが、そのストイックさが思う存分に発揮されたのが、大学2年生の時のベトナムでのインターン生活でした。

とにかく自分の力を伸ばす環境を求めていた戸坂さんは、偶然にも海外のインターン情報に出会います。

そのインターンの面接で、とにかく新規事業をやりたい、と希望を思う存分伝えたところ、ある条件をクリアしたら、新規事業を任せてあげる、という話になったのでした。

その条件が、ベトナムのハノイでの事業の売り上げを2倍にするという条件でした。


ストイックの塊のような戸坂さんは、その条件に怖さも感じながら喜んで飛び込んでいきます。

本社のあるホーチミンでの研修を5日間だけ受けた後は、ハノイでの仕事が始まったのでした。

住環境だけは与えてもらったのですが、後はとにかく自分でやるしかなく、定期的にホーチミンから上司が視察に来る以外は、本当に一人でやるしかない状況だったそうです。

仕事内容は、現地の日本人向けのウェブサイトの広告営業でした。
とにかく見積もりやプレゼンはもちろん、バナーの制作、コピーライティングなどなど、とにかく必要とあればなんでもやる、というスタンスで、いろんなお店に飛び込んでは、コミュニケーションを取り続けていったのでした。

ときには、全く客が増えなかったぞと、大人5人に囲まれて説教されたこともあったそうですが、そんな怖い経験を乗り越えながら、半年後には、本当にハノイの売り上げを2倍にして見せたそうです。


この結果を受けて、戸坂さんは、今度はミャンマーへと転勤します。

ミャンマーでは、まだまだこのサイト自体の認知も低く、アクセス数が30人ほどしかない状態でした。

そんな中での営業だったのでかなりの苦労があったそうですが、それでも、最後には、2000人ほどのアクセスがあるサイトにまで成長させたそうです。


何もないところから、そこまで持って行けたのは、ひとえに戸坂さんのストイックさがあったからだとしか思えません。

最後は、「まじめ」がバカにされる文化、です。


このストイックさ、真面目さはどこにいっても立派な武器になるだろうなと思って、戸坂さんの話を聞いていたのですが。

実は、大学に入ってすぐは、それが邪魔になったこともあったそうです。


というのも、大学に入ると、同級生たちがサークルや遊びに夢中になっていったのを目の当たりにしたのでした。

それになんとか合わせてみようと、戸坂さん自身も、バイトとサークル、そして学校の授業という生活をやってみたのですが。

つまり、周りに合わせてその大学生らしい生活を楽しもうとしたのだそうですが。

それが、どうしても、つまんない、と感じてしまったのだとか。


それは、バイトがつまらないとか、サークルがつまらないとか、そういうことではなかったのです。

ただ、そういう時間だけでは、戸坂さんは満足できなくなってしまっていたのでした。小学2年生から始めたトライアスロンのような、1週間に11回も稽古をするような、そんなのめり込んで、自分に厳しく、徹底的に厳しくする時間を、求めていたのです。

ただ、その感覚に共感してくれる人は、その時の周りにはあまりいなかったそうで、なんとか、周りの人に合わせようとしたのですが、結果的には無理だったのです。

そして、結果的には、「まじめ」であることをバカにされるようになっていました。


そんなことがあってから、戸坂さんは違うコミュニティに移動しました。つまり、「まじめ」であることに価値があるコミュニティへ。

そして、ストイックさを思い切り発揮したくなるような、そんな自分にあった環境へ。それが、ベトナムでのインターンにつながり、現在のメディアの活動にもつながっているそうです。


この周りと合わない自分を見つけたときに、そこで折れるのではなく、自分にあう環境を探したこと、ストイックさ・真面目さを捨てなかったことは、とても素敵なエピソードだなと、感じました。

そして、本当にその真面目さ、ストイックさが評価される世の中であってほしいなとも。


2020.2.20 戸坂太陽さん
池袋にて

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ユウイチ
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