フィンランドサウナ旅(中編@タンペレ)
4月28日
ヘルシンキから、VRという新幹線みたいなものに乗って北へ1時間半。
フィンランド第二の都市、タンペレに向かった。
タンペレは「世界のサウナ首都宣言」というものを掲げており、サウナ文化の振興にもアツい様子。
それはもう、サウナ好きとしては行くしかない場所なのだ。
ヘルシンキより北にあるだけあって、肌寒さup。
ということは、よりサウナの温もりが感じられるな~などと思いながら、目当ての場所へ向かった。
Saunaravintola Kuuma(クーマ)
まずやって来たのは、ロウリュの姉妹店、クーマ。
サウナは、スモークサウナと薪サウナの2種類。
初めはマイルドな温かさだが、ロウリュするとどこまでも熱くなる。kuuma(=熱い)という名前だけある。
キンキンの冷水で毛穴を引き締めた後は、川を眺めながらの外気浴。開放感が素晴らしい。
また、ravintola(=レストラン)を冠するだけあって、食にも力を入れているらしい。
地産地消の食材を使った料理は美味。
街の水辺に調和した、見事な最先端サウナでした。
Rajaportin Sauna(ラヤポルッティ・サウナ)
次に向かったのはフィンランドに現存する最古の公衆サウナ、ラヤポルッティ・サウナ。
最も来たかったサウナ施設のひとつ!
タンペレの中心から離れた、ひっそりとした場所にたたずんでいました。
驚いたのは、更衣室にロッカーがないこと!
人々の良心で秩序が保たれている。
「誰も悪いことしないのは当然だよね。サウナ入りに来てるんだから」というこの国の倫理観が、私は好きです。
現地の人と会話していると、「他にどこのサウナ行ったの?」という話に。「こことここに行ったよ。おすすめある?」と訊くと「ここが一番良いよ。いや、正確に言うと、どこもdifferentなだけさ」と。その言葉に深く共感した。
サウナには個性があるのだ。
現存最古というのは、ただ歴史が長いのみにあらず。110年を超える時の中で、様々な困難を乗り越えてきて、それに見合う骨太さが、確かにそこに在る。
サウナが温められているのは、当たり前ではない。先人たちの繋いできたバトンのおかげで、今も我々はサウナの恩恵にあずかれているのだ。
Rauhaniemi Folk Spa(ラウハニエミ公衆浴場)
4月29日
この日は、ナシ湖という湖のほとりにあるサウナをハシゴday。
1つめは、ラウハニエミ公衆浴場。
森を通って行くので、その道中すら楽しい。
ちなみにRauhaniemiは「平和の岬」という意味。素晴らしい名前。
サウナで汗をかいた後、待っているのはナシ湖へのダイブ。
大きな水の塊に抱かれ、まるで大自然の一部になったような…。
晴天にも恵まれ、最高の体験ができました。
Kaupinojan Sauna(カウピノヤン・サウナ)
ラウハニエミを後にし、同じくナシ湖沿いにあるカウピノヤン・サウナへ。
でっかいサウナ室は、スタジアムでのスポーツ観戦のような活気があって楽しかった~。
あの空間の温度を支えているサウナストーブ、本当に偉い。頼もしさと愛おしさすらある。
サウナ室の外にここのルールが書いてあったのだが、
Enjoy the sauna together, let people have their "saunapeace".
という言葉に、じーんときた。フィンランドのサウナ哲学、もっと知りたくなった。
また、腕に「一期一会」というタトゥーを入れた現地のおじさんが話しかけてくれ、色々と教えてくれた。まさに一期一会である。
彼が最後にサ室を出るとき、"I hope you enjoy stay.Good luck for your life."とわざわざ声をかけてくれた。
真剣な微笑みと眼差し。なんて厚みのある人だ。がっちり固い握手を交わし、別れを告げた。
Kaukajärven sauna(カウカヤルヴィ・サウナ)
4月30日
5月1日はVappuという春の祝祭。その前日のため、4月30日は祝日らしい。
せっかくなのでVappuの開会式?的なものを生で見たり(学生たちの活気がすごかった)、ムーミン美術館を見に行った(想像以上に味わい深い世界観だった。ちょっとでも予習してくれば良かった…)。
お休みのサウナも多い中、通常通り営業してくれていたのがカウカヤルヴィ・サウナ。
静かで、水も空気もキレイで、良い場所!
大小2つのサウナを堪能した後は、カウカヤルヴィ湖にダイブできる。
ここでも漢字タトゥーおじさんがいたので、話しかけてみた。
漢字タトゥーおじさんは、日本に興味がある確率が高い。(私調べでは100%)
旅先だからということもあるが、フィンランドのサウナ文化のおかげで、サ室で話しかけることへの抵抗がすっかりなくなってきた。
冬のラップランドに来てみてほしい、と勧められた。怖いけど、いつか来ることになるかも…。
宿
ドリームホステル
タンペレではここに3泊。必要なものはすべてそろっており、1泊€25~30くらいでコスパ良し。
ちなみに、すぐ隣にムーミン美術館がある。
メキシコ人のラファエルという青年が住んでおり(留学中?)、BLEACHの話で盛り上がった。恐るべしジャパニメーションの力。
彼とのコミュニケーションからは、お互いが気持ちよく過ごすために自分の気持ちやリクエストをきちんと伝えるということや、親切な行為は相手だけでなく自分の心も軽くするという、とても大切なことを教わった。
最終日の朝、感謝の言葉と、アツいグータッチと握手を交わした。出会いと別れもまた、旅の醍醐味である。
このあと、タンペレを離れ、再びヘルシンキへ。
後編へ続く!
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