フィンランドサウナ旅(後編@ヘルシンキ)
5月1日
タンペレを名残惜しみつつ、VRで再びヘルシンキへ。
後は帰国までに残された時間、ヘルシンキで行けていない場所に行きまくるのみ。
Sompasauna(ソンパサウナ)
ここは、本当にたまげました…。
衝撃でいうと今回のサ旅で一番かもしれません。
管理人不在。自分たちで建てて、自分たちでストーブを温め、自分たちで入る。
市民の良心によって運営されている奇跡の公衆サウナ、ソンパサウナ。
詳しくは感想(サウナイキタイ)に書いたので、そちらをご覧ください。
Lähteen Sauna Lapinlahden Lähde(ラピンラハデン・ラハデ・サウナ)
ソンパサウナを後にし、やって来たのはラピンラハデン・ラハデ・サウナ。
歴史の始まりは1841年に完成した、フィンランド初の精神病院、ラピンラーティ病院。
患者用につくられたサウナ・洗身施設を改築して一般用としたのが、この公衆サウナだそうだ。
メンタルヘルス促進にサウナを使うこと、そしてそれを患者だけでなく市民にも開放すること、どちらもフィンランド人の価値観が表されているように感じた。
先客に、「さっきソンパサウナに行ってきた」と言ったら、oh, you're already…みたいな反応。
フィンランド人もハシゴはあまりしないようだ。
サ旅をしてると伝えると、"sauna gathering"というフレーズをいただいた。言い得て妙である。
サウナ室でタオルを頭に巻いてハット代わりにしていたら、professionalみたいだね、と言われた。
たしかに職人スタイルである。何を目指しているのかは自分でも分からない。
驚いたのは、ソンパサウナよりも裸の人が多いこと。3割ほどは裸だ。
裸の男女が隣り合って談笑する姿は、平和そのもの。心身ともにオープン。
お互い肌が触れないように自然と気を遣っているように見えるのもまた、配慮が現れていて美しい。
Cafe Kuusijärvi(クーシヤルヴィ)
5月2日
先日のLöylyで会った日本人が教えてくれた、クーシヤルヴィ。観光客も多く訪れる有名スポットのようだ。
「静かな湖畔の森の影から…」という歌があるが、「静かな湖畔ってこういうことね!」というのを理解できた、静かで美しい場所。
サウナ室は電気サウナが2つ、スモークサウナが3つの計5つ。
スモークサウナはLöylyとKuumaでも入ったが、ここのが一番本格的な感じがした。
ストーブの火は消えており、熱せられた石の余熱でサウナ室を温めているのだが、余熱とは思えないくらいアツかった…。
サウナの後はクーシヤルヴィ湖で体を引き締め、
揺れる水面と白樺の木々を眺めながら、涼風に吹かれ、外気浴を楽しんだ。
Sompasauna(ソンパサウナ)2回目
すっかりファンになってしまったソンパサウナ。
クーシヤルヴィの後、予定をねじ込んで2回目の来訪。
今回は、思い切って裸で入ってみた。
あと、これまでは安全のために飲酒していなかったが、現地人の勧めでサ室ビールデビューした。
tryするって、大事。
Sompasauna(ソンパサウナ)3回目
5月3日
3日連続、ソンパサウナ!
私のフィンランド旅も、残すところあと2日。
数多くのサウナを巡る中で、「広さもいいが、深さもあってもいいのでは?」と思い始め、新規開拓のみではなく、同じところに複数回行って経験に厚みをもたせる&解像度を上げるというのも面白そう、と思って通ってみました。
今後の益々の平和と繁栄を願ってやみません。
Kulttuuri Sauna(クルットゥーリ・サウナ)
ソンパサウナを後にし、やって来たのはクルットゥーリ・サウナ。
こちらは、日本人デザイナーのツボイ・ネネさんとフィンランド人建築家のトイヴォネンさんの共同経営。
ネネさんと直接お話しすることもできて、感激。
Kulttuuriとは「文化」という意味。
人々の交流の場としてのサウナを造りつつ、サウナという文化を発展させていくための試みなのでもあるそう。とにかく思想がカッコいい…。
サウナ室は言わずもがな、建物全体が素敵な空間でした。
木とコンクリートの質感が見事にマッチしていて、静かで無骨だけどオシャレで洗練された魅力がありました。
参考記事
Kotiharjun Sauna(コティハルュ)2回目
クルットゥーリサウナを後にし、最後にかけ足でやって来たのはコティハルュ。
私が初めてフィンランドサウナを体験したこの施設でサ旅を締め括ることができるとは、何と美しいラストか。
ここでも現地の人と会話を楽しむことができ、体だけでなく心も温まりました。
相手の国の言葉を使うというのは、友好的な態度を示す有効な手段だと再認識。
今後フィンランド人に会ったら、私も今回覚えたフィンランド語を積極的に使っていきたい。
宿
チープスリープホステル
ホステルダイアナパーク
ヤードホステル
泊まったことがあって安心安全のチープスリープに加え、
他のところにも泊まってみたい!と思い、ダイアナパークとヤードホステルにも1泊ずつ。
どちらも素敵な宿で、気持ちよく滞在できました。ヘルシンキ中央駅に近く、立地もグッド。
帰国日
5月4日
最終日はサウナには行かず、普通に観光&お買い物。
何やら前日にゼレンスキーがフィンランドに来ていたとかで、街の一部が封鎖されていた!が、なんとか迂回して船着き場へ。要塞島として有名なスオメンリンナへ行きました。
普通に1日中いられる広さで、かつ景色が本当に美しくて、駆け足でのスタンプラリー的な観光になってしまったのが悔やまれた。が、それでも行けて良かった。
スオメンリンナを後にし、ヘルシンキ中央駅から電車で空港へ。
早めに搭乗手続きを済ませ、最後のお土産購入タイム。事故もなく、ぶじ帰国できました。
総括
出会ったサウナ施設:14
サウナ施設に行った回数:17
セット数:72
総支出:50万円弱(渡航費、宿泊費などすべて込み)
本場のサウナを体験するということにとどまらず、現地の方との会話や、豊かな自然、機能的で温かみのあるデザインなどを通じて、フィンランドの価値観や文化にもたくさん触れることができました。
サウナは「裸で、赤の他人と、閉鎖的な空間で、心身のリラックスを享受する」という少し変わった場です。(日本の銭湯と似てますね)
それを成り立たせるには、みんなが安心できる場であることが不可欠です。
「たとえルールに縛られなくても、お互いに信頼・配慮しあい、自律的に秩序・平和をもたらす」という空気感を身をもって体感できたのは、自分にとってとても意味のある経験となりました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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