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ゆういち2歳 赤と青

ゆういちが2歳の頃のお話です。

赤と青

ゆういち、目覚める。


ゆういちの中には
赤のゆういちと青のゆういちがいる。

赤ゆういち

高級化粧品

ゆういち、母の高級化粧品を発見する。

ゆういちを赤ゆういちが支配する。

高級化粧品のビンのフタを取り、逆さまにして、
空っぽにした。


母「ほんまに困るわ。高かったんやから。」
父「子どもの手の届くところに置くのがいかん。」


その後、ゆういちが触ってはいけないものは、
タンスの上に置くようにした。



タンスの上はビンでいっぱいになった。

養命酒

ゆういち、父が養命酒を飲むために
準備しているのを見る。

ゆういちを赤ゆういちが支配する。

さっとおちょこを取って飲む。

すぐに顔は真っ赤になり

そのまま…

寝てしまった。


母「初めての子育てで、
今思えば危機感のない親だったと思うが、
今元気でいてくれてる事がありがたいと思う。」

遠回り

1歳から2歳くらいまでゆういちは暴れ続ける。


母はゆういちが物を壊したりするたびに、怒り続けた。


ある日、ゆういちは母を避けて遠回りをして動くようになる。


母「あぁ、怒りすぎたんや、
って気づかせてくれてな。」


母「それからは気をつけるようになって
妹や弟の時は、ほめて育てるようにしたで。」

青ゆういち

母は本を買うのが好きで、
世界名作全集、世界偉人伝 世界文学全集などを買っていた。

百科事典もたくさんあった。


イワダヌキ

ゆういちは、動物の百科事典を読んでいる。
ライオンやキリンのページは読み飛ばす。

謎のページを見つける。

ツチブタ、イワダヌキ、マナティー、ゾウが載っている。
ゾウ以外はマイナーな動物。
なんと、形状の全く違うこの4匹は同じ仲間だとのこと。

ゆういちを青ゆういちが支配する。

ツチブタをひたすら模写する。


母に見せた。

母「上手に描けとるなー。リス?」

ゆういち「ううん。イワダヌキ。ゾウの仲間。」

母「そうなん?」


その後、母は他の人にゆういちの「イワダヌキ」の絵を見せる。

Aさん「上手に描けてますね~。リスですか?」

母「いいえ、イワダヌキです。」

Aさん「??
イワダヌキ?
???」


[琵琶湖]

ゆういちは魚の図鑑を読んでいる。

淡水魚のページに「ビワコオオナマズ」を見つける。
琵琶湖に住んでいる日本最大のナマズだそう。

ゆういちを青ゆういちが支配する。

父に「琵琶湖に連れてって」と言う。

ゆういちは、出掛けるときにはいつも図鑑をどっさり持ち歩き
図鑑に載っている動物などの写真を見て、
そのとおりに絵を描き、色を塗って完成させる。


20年後

近所の小学校。

図書館。

学生「先生、仲野文庫って何?」

先生「近所の仲野さんが子供が大きくなったからって言うて寄付してくれたんや。」

学生「先生、この動物図鑑、開いたらいつもこのページになるんよ。」

先生「どれどれ、ツチブタ、イワダヌキ、マナティー、ゾウ。…ゾウ以外は変わった動物ばっかりやな。」

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