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ゆういちの一生 第43話 アニマをシオンする(魂を吹き込む)

2015年。ゆういち43歳です。

アニマシオン

この頃、なぜか絵本の読み聞かせに興味を持っていました。読むのは僕ではなく、さよです。前年にさよに心理学の講師になることを勧め、それが上手くいったことから、次はさよに絵本の読み聞かせの講師を勧めようと思っていました。

その中で「読書へのアニマシオン」を見つけました。アニマシオン(animacion)とは、ラテン語で、魂、生命(anima)を吹き込み、活性化させるという意味です。もうその言葉がいいですよね。魂を吹き込む。絵本に魂を吹き込んで、子どもたちが絵本の世界を体験できるようにしていくのです。絵本の中からクイズを出したり、ゲームをしたり、実際に演じてみたりします。

僕がインプロを好きになった理由の一つは、なんだか楽しくないと感じていた演劇のトレーニングを、ゲーム形式で楽しみながらやっていけるところ。「読書へのアニマシオン」も楽しみながら学ぶことができます。

夏休みに子どもたちを集めて絵本の講座を開催することを目指しました。

それを学ぶための講座「子どもが本大好きになる作戦」を開催しました。まねきねこのメンバーだけでなく、読み聞かせに興味を持っている方と一緒に勉強をする講座です。先生を呼んで、一般的な読み聞かせの方法を学んだり、読み聞かせをより楽しくする方法を聴いたり、アニマシオンの先生を呼んで、アニマシオンの方法と考え方を学びました。

思ってたのと違った

しかし、学んでいるうちに、気づくことがたくさん。

僕がこのタイトルを付けたのは「子どもが必ず本好きになる16の方法・実践アニマシオン」という本を読んだからなのですが、東京から呼んだ先生は「読書へのアニマシオンをやっても本を好きにはならない。」と講座内で断言しました。いやいや、そのタイトルで講座やって人が集まっているのに…。自由な人でしたね。

「読書へのアニマシオン」は、日本では国語の授業で読解力を高めるために使われているそうで、読書が好きになるという要素はないそうです。子供たちの意見も全てOKではなく、修正をすることもあるそうです。講座内でそれを指摘したら、参加者の方から「私たちは学校で生きるか死ぬかの環境で戦っているんです。あなたには分からないでしょうけど!」と怒鳴られました。

また、ある日、事務所に電話がかかってきました。

相手「俳優の方が読み聞かせの講座をすると聞いたのですが、図書館での活動を考えられているのですか?」

仲野「まあ、そういう機会があればやりたいと思っています。」

相手「図書館では、感情を表現したりキャラクターを作って読み聞かせをすることは禁止なんですよ。ご存じないんですか?」

僕は、それを初めて聞いたし、「禁止」というのにも驚きました。その時ははずみで

仲野「だからこそ、やりたいと思っています。」

と返事しました。それが、きっかけになりましたね。どなたか知りませんがわざわざ電話して教えてくれたこの方に感謝です。

新しい生物が生まれる

そこから、「読書へのアニマシオン」とは別物の講座「本大好き作戦!」ができあがり、夏休みに開講しました。

たくさんの子どもたちが集まり、キャンセル待ちもたくさん発生しました。
今でも人気の講座です。

さよが俳優として、キャラクターをしっかり演じ、感情表現をガンガンやり、本の楽しさを伝えます。
インプロを応用したゲームで子どもたちは本の世界を楽しみます。
そして、講座の終わりごろには、さよのリードで子どもたちが絵本の中の住人となって演じ始めるのです。

新しい講座が生まれました。それは、いろんな人が否定をしてくれたことによって、その反対側を見ることができたからです。

学校教育という勉強として使われているのだったら、遊びとして使い、
子供の意見を修正するのであれば、子どもの意見を受け入れ、
演技が禁止されているのであれば、演技をガンガンやり、
本を好きになるのではないのであれば、本を好きになるように

逆は僕たちの好きな世界でした。嫌だな~の裏側を見ると好きが見つかるのです。

ある意味、「読書へのアニマシオン」にさらに僕らのANIMAを吹き込んだことによって、生まれたのだと思います。アニマをシオンしたのです。
だから、否定する人たちへは、結果的には感謝なのです。

俳優のための心理学講座

僕が学んだ心理学を、僕がやる意味のある形で生かしたいと思っていました。
そこで、演劇界の方へ眼を向けてみました。

俳優の方たちは、せっかく演技が良くても、素行が悪かったり、コミュニケーションが取りにくかったり、奇行をしたり、メンヘラだったり、いろいろ関わるのが大変です。それは、演技を学ぶという部分とは大きく違う要素があります。

あ、僕自身も含めてなのですが、心理学を学んで実践することでだんだん人との関わりができるようになってきたと実感しています。そこで、俳優の方々が活用できるように、カウンセリング心理学を俳優向けに作り直しました。

そして「俳優のための心理学」が生まれました。

つまり、これも、アニマをシオンしたということですね。

YouTubeで発信。

YouTubeでの発信をしたいな~と思っていまして、前年から少しやっては、くじけてってやってました。

まねきねこTV第7回
(2014年5月14日配信)

で、この年にインターネットTV配信の会社に企画を持ち込んで、やっていくことにしました。

まねきねこのインプロTV第1回
(2015年8月17日)

で、それが今の配信につながっています。

まねきねこのおもちゃ箱!第91回
(2022年12月6日配信)

いろんなもの、しょうもないとか、いまさら古いとか、誰も相手にしないとか、
あなたのなかに眠っているものに
あなたのANIMA(魂)を吹き込んでいきましょう。
新しい生き物として生まれ変わるかもしれません。

おしまい!

今日はここまで。
お読みいただきありがとうございました!

続くよ。

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