展覧会、幻想のフラヌール
町田、町田市立国際版画美術館にて『幻想のフラヌール』という展覧会が行われていました。
まず、女性の体をモチーフにした作品から始まり、それは単に女性の体を描いたのではなく、草木や水、月といった表象と組み合わせた幻想的作品の版画でした。
そうした後、風景の版画の作品となり、単に幻想というのとはひと味違う自然の神秘をモチーフとした作品が連なっていました。
その後、幻想作家ボルヘスの作品をモチーフにした作品が続いた後、人体の腐敗、崩壊をテーマとした版画と出会いました。版画の中に生の神秘性と人体毀損という二重のテーマが垣間見られました。
再び、テーマが官能美へと移っていき、暗闇と女性のイメージが重なりあった作品が垣間見られ、その中にある種、人の性のイメージをダイレクトに現した作品がありました。屋敷と思われる風景と死のイメージと性のイメージの両方が組み合わさった人体像の絵で深い幻想性を感じます。
終盤に差し掛かると荒々しい自然をモチーフとし、ダイレクトに自然の神秘を図示した作品が現れました。植物と動物の組み合わせに見える作品は荒々しいながらも幻想の情景を描き出しています。
最後に現れたのは死のロマンを探求した作品群でした。死のメカニズムへのロマンを図示した作品は幻想という枠組みを超え、鬼気迫る感覚を、強く感じさせました。
以上が、展覧会『幻想のフラヌール』のレポートです。