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サウジアラビアに行く -ビザ・入国・文化・交通-

2023年10月。
サウジアラビアの首都、リヤドにいた。

サウジアラビアの観光開国は2019年。それまで、イスラム教徒の巡礼以外では訪れることのできなかった国。

日本語情報はまだ少ない。ワクワクと不安をごちゃ混ぜに、サウジアラビアひとり旅に行ってきた。どこに行くのも便利なこの時代に、ちょこっと大変だった旅のあれこれを共有する。


ビザの申請と取得

サウジアラビアに入国するにはビザが必要。私はトランジットついでの1泊だったので、本来はトランジットビザが取得できる。

ところが当時はサウジア航空を利用しなければこのビザが取れなかったので、私は観光ビザを取得した。

今は誰でもトランジットビザがとれる!!!めちゃめちゃ羨ましい。観光ビザは申請費用が地味にもったいない。SAR395 (16,000円くらい)かかる。トランジットビザは96時間まで滞在できて無料なので絶対こっちの方が良い。

変なサイトから遷移すると危険なので、ちゃんと公式サイトからビザ申請を。サウジのビザ申請サイトはシンプルでわかりやすいので、順に情報入れていけば大丈夫。

国籍を選択して、Transit or stopover Visaを選択すると申請フォームに移動できる。

96時間以上滞在したい方は観光用のeVisaの申請が必要。こちらも難しくはなくて、上記のサイトでeVisa Onlineを選択してフォーム入力、支払いまで済ませればOK。90日まで滞在できる。

1点注意が必要なのがクレカ決済。私は持っているクレカ (VisaとMasterCard) 3枚全て決済失敗して、不正利用の疑いで使用停止にされた。おそらくサウジでの決済で色々と怪しまれたのだろう。不正利用じゃないですよと報告し、無事決済できた。3日以内にビザが発給され、メールで送られてくる。私は次の日には受け取ることができた。

ギリギリなスケジュールだと決済エラーの際に焦るので、余裕を持って申請するのがおすすめです。

入国と空港

リヤドの空港はキング・リーハド国際空港。広々とした綺麗な空港で、それなりに混んではいるけれど迷うことはない。飲食店、カフェも充実している。お祈りの時間になるとBGMのようにコーランが流れるのが新体験で楽しい。

入国はとてもスムーズだった。イミグレは人が少なくて、すぐに通過できる。ただイスラムの国なので空港の女性たちは目しか見えないし、はじめての私には少し怖く感じた。こればかりは慣れるしかない。

ビザとパスポートがあれば大丈夫。ビザの提出は画面を見せるだけで大丈夫なはずなんだけれど、私はいつも念の為印刷しいていく。スマホが壊れたり充電切れで入国できないのはしんどい。

文化 -服装や注意点、宗教-

空港に降り着いた瞬間から、文化の違いを大いに感じる。男性はトーブという真っ白な衣服にスカーフと黒い輪っかを乗せている人が多い。女性はかつてはヒジャブなどで頭を覆うのが義務だったが現在は廃止。とはいえ現地の人にとっては今も大切な文化だ。ヒジャブ (頭を覆う長いスカーフ) どころではなく、ニカブという目しか見えない真っ黒な衣装を纏った人が多数派な印象だった。

観光客はもちろんそういった服装をする義務はないのだけれど、私は日中外を出歩いている時に向けられる視線が痛くて、結局デパート的な場所でヒジャブを購入した。

たしかトータルで6000円くらいだった。

ヒジャブ関係なくアジア人女性が一人で出歩いているというのが物珍しいのかもしれない。真意はわからないが、少なくとも慣れない旅先で目立つのは危険だ。もしも私を見て不愉快になる現地の人がいるなら居心地が悪い。結局、郷に入っては郷に従えだ。

普段することのない格好をするというのはある種の楽しさもある。その土地でしかできないお洒落を楽しみ、自分へのお土産として持ち帰る。これもまた旅の醍醐味。

この国で「見ることができない」もので印象的だったのはお酒と音楽。イスラムではお酒の摂取は禁止行為。イスラムの国であるサウジではお酒が目に入ることはない。その代わりなのか、お茶やコーヒーが充実している。

このカフェでお土産に豆を買った。深煎りが多め。

地元の男性たちが小さな店の前に集まり、ティーカップを片手に談笑している姿を至る所で見かける。お酒なしの人生ってどんなだろう。私には想像がつかない。

新情報。なんと、つい最近70年ぶりにリヤドに酒販店ができたらしい。観光収入を増やすための緩和政策の一環のよう。

ちなみに、厳格なムスリムにとっては音楽も忌避行為。容認派もいるが、サウジアラビアで音楽を聴くことはほぼなかった。Uberも6台中5台は無音だった。スーパーも、カフェも、デパートも。空間自体に説明し難い不自然さを感じ、いかに自分の文化圏での生活に音楽が根付いているかが感じられる貴重な体験だった。

お祈りの時間になると至る所でコーランが流れるが、これは非音楽。音楽の範疇には入らないらしい。自分の当たり前をリセットするには十分すぎる要素満載の国だった。にしても、歌うのも踊るのも大好きな私にこの国での長期滞在は厳しいかもしれない。

交通は今後に期待

リヤドでの移動はなかなか不便。都市間の鉄道は若干あるけれど、リヤドでの移動は電車なし。地下鉄もない。バスは一応あるけれどカードの購入など短期間の観光客には使い勝手が悪い上に、Googleマップ非対応なのでルート検索が超難しい。

が、なんと、2024年12月にリヤドメトロが開通予定らしい。

これができて、乗り方も簡単ならば便利なのだけれど、利便性は今のところ不明。

私はリヤド滞在中Uberを使った。空港からのUberはなぜかマッチできなくて白タクで大変な目に遭ったのだけれど、それ以外は問題なくドライバーが見つかった。

安心して回るなら現状Uber一択と言っていいと思う。

旅難易度は高めなサウジアラビア

以上、サウジに一人で行くなら気をつけておきたいあれこれをお届けしました。

私にとってはサウジアラビアはちょっと旅難易度高めな国でした。言語が通じないこと、観光開国間もなく情報が少ないこと、車社会なことが理由。

だからって、おすすめしないわけじゃない。正直めちゃくちゃ楽しかった。一人旅にはちょっとしんどいことも多いけれど、そういうネガティブ要素も含めて旅の楽しさだったりもする。

治安は良い方だと思う。行きたいと思った方はぜひ行ってみてほしい。きっと、中東でしか味わえない、あの感覚に出会えるだろう。


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