篠栗の小さなカレー屋にて

Bihun Kota
私達の故郷 ビウンコッタへようこそ
メニューの最初にそう書かれた、ネパールの人たちがやっているカレー屋に来ていた。

福岡県の、市内から離れた糟屋郡の中の小さな町、篠栗で彼らがカレー屋を始めるに至った経緯は一体どういうものだったのだろう。そう考えずにいられないほど、はっきり言って違和感ある場所にそのお店はあった。
日替わりカレーは、かぼちゃのキーマカレー。かぼちゃ感もキーマ感も正直分からなかったけれど、それは不思議と美味しかった。

娘が眠ったのを見計らって、そうっとベビーカーに寝かせてから、カフェや小さな店で食事をとったり、お茶をしながらこうして文章を打つことが、最近の私の楽しみだ。

注文してすぐに運ばれて来たカレーとナンを食べていると、厨房からは聞き馴染みのない言葉が聞こえてくる。それはすごく楽しそうで、こんな小さな町で…などと考えていたわたしを全く同じような孤独感で包んでしまう。

歩いているとお線香の香りがしてくるこの町が大好きだ。