イラストメイキング【1】

イラストコミュニティpixivにて、『干支バトルロイヤル2021』という企画に参加したイラストの制作過程です。

スキイチpixiv1月企画「干支バトルロイヤル2021」（イラスト・マンガ部門）

こちらは、干支をテーマにイラストや小説などを制作し投稿する企画となっており部門が2つあります。

丑部門・・・干支の丑がテーマ
チャレンジャー部門・・・干支に入りたい動物がテーマ

私は、競合が少なそうなチャレンジャー部門で参加しました。

▼完成イラスト

干支といえば、猫も干支に入る予定だった話はご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
なので、初めは猫にしようと思っていました。でも、あまりにも安直すぎて面白くない。
そう思った私は、干支について調べました。

干支を調べていくうちに、タイ（国）には干支に猫が入っているというのを知って驚き。おお、猫年ですか！
また、ほかの国でも干支に猫が入っているそうなので詳しくは一番下の参考資料をご覧ください。

その後、タイのことを調べていくうちに最終的に古代インド神話にたどり着きました。
調べものって、どんどん枝分かれしていくので無限にやっちゃいますね。気づいたら、本来の調べものとは違う内容になってることもざらにあります。
ネットって便利だなぁ。ありがたい時代です。

このままずっと資料を集めるのもキリがないので、自分の必要としている情報がある程度集まったので早速デザインをします。

▽以下、長々となりますので画像を見るだけでも結構です。文は気が向いたときに読んで頂けたら幸いです。

▼ラフスケッチ

なぜ、古代インド神話に目をつけたかをお話します。
こちらの神話には、インドラという神様がいます。画像や情報では、白い象にまたがっている姿をよく見かけました。
その白い象がきっかけです。象は動物なので『干支に入りたい動物』というテーマに当てはまるからです。
因みに、この象はアイラーヴァタといいインドラの所有する神の乗り物です。

▼線画

▼下地塗り

▼影塗り

せっかく塗った肌が衣類で消えるのが切なかったので、ここに残しておきますね。

影を塗り終えました。
ですが、なにか違和感に気づきませんか？





そうです、目を塗っていません。
これは私のこだわりで、キャラの目を最後に塗ります。

どうしてこういうことをするのかというと、画竜点睛がりょうてんせいという四字熟語に基づいています。

「画竜点睛」の由来となった物語　【意味・例文・年表・歴史地図】

中国の古いお話で、竜の絵に目を描き込んでしまうと竜が飛んで行ってしまう事故が由来とされています。
物事を成し遂げる最後の大事な仕上げという意味として使われる四字熟語だそうです。

だから私は、キャラの仕上げとして最後に目を塗ります。

目を描いた瞬間、キャラに命が宿った感じがして好きです。

▼設定資料とデザイン解説

【アイラーヴァタ】
インドラの所有するヴァーハナ（神の乗り物）。

◎デザイン解説
個人的に愛らしい感じにしたかった。神の乗り物なので、従来の象と差を出すために爪や角を赤くしたり装飾も豪華に。

【インドラ】
帝釈天たいしゃくてんとも呼ばれる。戦いの神。雷を操り魔神と戦った。
見た目は、戦うイメージから甲冑だったり様々。髪や髭、肌が茶褐色という説も。
【インドラにまつわるもの】
▽マルト神群という従者がいるとされる。この集団は神々の一軍で、みんな兄弟で美少年らしくしかも好戦的な性格だとか。
▽シヴァという神様とつながりがあるらしい。
※従者のマルト神群、インドラとシヴァとの関係についても詳しく調べたいのでメモとしてここに残しておく。

◎デザイン解説
調べているときに『インドラ』と『帝釈天』、なぜ呼び名が違うのだろうと自分なり追求しました。
『インドラ』という名の時は戦いの神というイメージがあり、仏の世界に入ってからは『帝釈天』という名で慈悲深い性格になったのではと私はそういう解釈をしたんです。実際どうなんだろう。
その流れで、インドラの魔神と戦った力強いイメージから若々しい見た目に。そして、イケメンにしてやりました。
帝釈天として描くときは、落ち着いた素敵なおじさまの姿で描きたい。（心の声）

褐色肌や長髪、癖ッ毛など自分の好みを入れたかった。ポニーテールの毛先は雷をイメージ。
仏様＝蓮の花というイメージから、蓮の花のモチーフを入れてみたり。
胸に目がありますが、体中に目が複数ある画像を見かけてその影響を受けました。
『第三の目』という精神的で神秘的な表現がありますが、そういった意味合いも込めて。真の力の開放時、開眼する感じです。あと、何かカッコイイじゃないですか。

【インドラの武器】
インドラの矢（という雷の名前？）、金剛杵こんごうしょ、独鈷杵どっこしょ、蓮の茎など。

◎デザイン解説
金剛杵をモチーフに、雷を操って戦ったとされていることから避雷針のとがった感じを表現。

▼あとがき

先ずは、ここまで読んで頂きありがとうございます。
キャラデザイン、ポーズや構図を考えたり、実際イラストに起こして、メイキングとして文字に起こす作業も楽しかったです。有意義な時間でした。

そうでした、背景について触れていませんでしたね。
これは光が差した雲で「インドラが雷で魔神たちを倒し勝利した」というイメージです。

以下、おまけです。

髪の色を赤茶にしてみました。がらっと雰囲気がかわりますね。
しかし、今回は黒髪がしっくりきました。

つい、あれやこれやと語ってしまう癖がでました。
あまりくどくど書いてたらキリがないので、今回のメイキングはここまでにします。
長々とお付き合い頂き、ありがとうございます。

▼参考資料

えとに猫がいる国もあるって本当？ 十二支の動物の意味、教えます　｜　和樂web 日本文化の入り口マガジン

帝釈天 | 仏像ワールド

金剛杵とは

収蔵品データベース｜奈良国立博物館

とても参考になるので、シェアさせて頂きます！