イラストメイキング【3】
イラストメイキングの他に、キャラクターデザインや作品タイトルの話、新しい作品を生み出すことについて書きます。
いろいろと書いているので、ご興味ある項目だけでも目を通して頂けると嬉しいです。
ARTstreet月例イラストコンテストに参加した作品のメイキングです。
2月度テーマ:ファンタジー
▼完成イラスト
▼あたり(下描き)
キャラクターをデザインしていきます。
突然『タバネダキ』というモンスター登場!解説は後ほど。
▼線画
▼着色(キャラに色を置く)
▼影塗り
▼背景の装飾
模様を描くのが好きです。
細かい模様や装飾デザインに憧れを持ち、影響を受けた画家が3人います。
先ずは、アルフォンス・マリア・ミュシャ(Alfons Maria Mucha)。
こちらの画家さんは、ご存知の方も多いのではと思います。
私の部屋に飾っているミュシャのポスターです。
緻密な美しい線画に惚れ惚れします。
そして、現代のイラストレーターで芳住和之さんと翠川しんさん。尊敬している絵師です。
私にしか描けない、細かい模様や装飾を鍛錬中です!
▽実際に使用した素材はこちら!
▼加工して完成!
▼補足と解説
▽キャラ設定やストーリー
◆右の人物
ボサボサの髪、角と翼が描きたかった。
研究や本を読むことが好きで、それ以外に興味がないため自分の身の回りはおざなりに。角が折れても髪や翼がボサボサでも気にしない。
研究中に試しに召喚したタバネダキに、身の回りは任せている。
なので、怠惰(たいだ)を象徴している。
◆左のモンスター
イラストに何か変化を出したいと思い、髪を抱きしめている小型のモンスターって面白いし可愛いなと。突然の思いつきです。
ヒョウモントカゲモドキが自分の脳内にあって、見た目はそれが影響しています。めっちゃ流行りましたよねこのヤモリさん。かわいい。
バラバラになったものを束ねること、抱きしめることが好きという設定で生まれ、『タバネダキ』と名前をつけた。愛着が湧きやすいようにそのまんま!(笑
翼があるので脚が退化(たいか)、代わりに腕が卓越(たくえつ)した。
こういった設定は、一部は後付けです。初めに決めたものではありません。
先ずはイラストをテーマに沿って描いていき、後に設定や要素を肉付けしていく感じです。
キャラクターを作り上げるのに、初めに方向性やしっかり設定を決めると思います。これが、典型的なパターンだと思います。
でも、しっかりとした設定をかため過ぎると、かたいデザインのキャラクターになりがちです。デザインの幅が狭まるという表現が近いでしょうか。
典型的なパターンで行き詰ってしまったら、設定を後付けする方法を試してみてはいかがでしょう。
小さなきっかけから、設定や作品を作り出す連想ゲーム
※これはあくまでも、極端な一例です。
①草生える。
②その草をきっかけに森を描きました。
③その森の奥には謎の建物があります。
④その建物の中に入ってみると、そこに棲むモンスターがいました。
初めのきっかけは草であれ、らくがきであれ、小さなものからどんどん設定を膨らませていく。そんな感じです。
先にキャラクターをデザインして、そのキャラクターを元に世界を広げて一つの作品にしてもいいんです。
設定は後付けして、結果よければすべて良し!
▽イラストのタイトルについて
タイトルは『怠惰と退化』です。キャラ設定で書いた、象徴しているものをただタイトルにしただけです。
正直、タイトルを決めるのが苦手です。でも、タイトルがないと自分の描いた作品を見分けたり、データを探すのが大変だったりするので私はつけます。
『無題』でも、それもいいと思うんです。
作者がタイトルをつけると、そのタイトルのイメージが観た人に伝わります。
無題の場合、先入観に囚われず観た人がその作品に対して「この作品はなにを伝えたいんだろう」と想像を膨らませるハズです。そういった理由で、作者はあえてタイトルをつけない場合もあるそうです。
pixivなど他いろんなイラストコミュニティサイトでも、無題は存在します。
実際にタイトルをつけるのが苦手だったり、特に深い意味はなかったり、観た人に想像を膨らませて欲しいためなど理由は様々だと思われます。
タイトルに関する、面白いお話があります。
下の動画をご覧ください。とても貴重なお話が聴けます。
西洋の伝統的な名画の場合は、基本的には作家はタイトルをつけない。
西洋の伝統的な絵画は受注制作が基本だったため、誰かに「この主題の絵を描いて」と言われて初めて画家が描く。
なので、古い絵画のその多くは『主題』いわばテーマを持っている。
例えば、〝キリストの生まれた場面を描く〟とか〝ヴィーナスが海から生まれてきた〟など。
テーマが決まっていたので、タイトルをつけるまでに至らなかったのでしょう。
こういった古い伝統的な絵画のタイトルは、覚えやすいように誰かがつけたあだ名だそうです。
それが今、こうして馴染のあるタイトルとして定着しているんですね。
ちなみに、時代とともに絵画の真実が判明して、タイトルが変更される作品は結構あるんだそうです。
▽テーマについて
コンテストのテーマはファンタジーですが、私がパッと思いつくファンタジーのイメージを書きます。
人とかけ離れた種族、翼や角、モンスター、剣や杖といった武器、盾、甲冑(かっちゅう)、ローブ、魔法、呪術、図書館や本、魔導書、細かい模様や装飾、古代天体観測器具、星空など。
こういったイメージが思い浮かぶのは、過去の作品の歴史にあると思います。
どういうことかと言いますと、昔の映画、漫画やアニメ、ゲームなどファンタジーを題材にした作品がファンタジーというイメージを築いてきたということです。
私のファンタジーのイメージは上記に書いたものですが、人によって観てきた作品の影響でイメージは多少変わってくると思います。
そういったイメージは、音楽の世界でもあります。
音楽にも、活気のある街、雪の降る街、洞窟、森、砂漠など他にもいろいろな場面がありますね。
例えば、雪が降っている街のBGMを聴いたとき「あぁ!それっぽい!雪が降っている感じ!」となった場合、それは過去の作品が雪が降っているイメージを築き上げていると考えられます。
先駆者がいるわけですね、いわば先輩です。先輩方が、こういったイメージの歴史を築き上げてきたんです。
新垣さんのお話わかりやすいですし、その場で曲を作ってしまう技術に感服です。ぜひ、ご覧ください!
▼『新たな作品生み出す』こと、それは・・・
パロディでも、パクリでもない。
オマージュは、リスペクト(尊敬)の意味を持った、元の作品をそのまま使うのではなく、独自の表現も合わせもつ表現。
元の作品のいいところを思わせつつ、自分独自の表現をしっかりと加味しているといった感じです。
『オマージュ』『パロディ』『パクリ』の違いは、こちらでわかりやすく説明されています。
『マネる』は人類の進化そのものだ!!
いいね!って思ったことは、マネる!
▽オマージュと思われる作品例①
原神は、オンラインに対応したオープンワールド型のアクションRPG。PS4やPC、スマホでも遊べます。
「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(以下BotW)のパクリ」と言われ炎上したそうです。
※炎上した件については、下部に貼っている動画をご覧ください。
フィールドの雰囲気や岩壁を登れたりするところ、高いところから滑空(かっくう)できる要素は似ていると思います。
滑空するとき、BotWではグライダーで飛びます。原神では、キャラクターに翼が生えて飛びます。形が違うだけで、滑空する要素が似ているだけですね。
BotWのいいところをオマージュ、原神らしいところもしっかり出ていると私は感じました。
ちなみに原神は、中国のゲーム会社miHoYoさんのゲームです。
実は、パクリの件については中国の方で炎上していて、日本では別の件で炎上していたみたいです。
中国は、著作権について敏感ということをこの動画で知りました。
「中国はパクリ文化だ」って散々言いますけど、実際には著作権やパクリに厳しい国ということが広まって欲しいです。
しかし、どの国でも一部のパクリ行為をする人が存在することは否めませんが。
日本で炎上した内容は、こちらの動画を観てみてください。
※オマージュについて書きたかったので、日本で炎上した件は内容的に関係ないので端折りました。
BotWと原神は、ゲーム実況で観た程度の知識なのでごめんなさい。
でも、原神は遊んでみたいんですよね。PCに入れようかな。
▽オマージュと思われる作品例②
どちらもスマホゲームです。
※白猫プロジェクト(以下白猫)が先、ドラガリアロスト(以下ドラガリ)が後です。
当時、ドラガリは白猫に似ていると言われていました。
白猫とドラガリを課金したほど遊んだことがある私から言いますと、デフォルメの感じや3Dキャラで戦うところは似ています。ガチャでキャラがダブったときに貰えるアイテム、キャラの育成も似ている部分はありました。
でも、遊んでいくと別のゲームだなって感じます。やっぱり、実際に遊んでみないとそのゲームの良さや特徴はわからないなって思いました。
▼さいごに
新しいものを生み出すときって、何かの作品に影響されて作られているオマージュだと思います。
最近思うのが、私の絵柄と構図はドラガリアロストやモンスターストライクが影響している気がします。普段遊んでいるゲームだからか、絵柄が好きなのもありますね。
以上です。
長々とここまで読んで頂き、ありがとうございます。