なんてったってパステル〜ユイじょり編みコレクション2023春
6月の到来とともに、4ヶ月ぶりにやってまいりました。北フランス在住・酔狂編み人による、作品紹介シリーズ。
春はパステル
私は、春から初夏にかけての時期が一番好きだ。体調を崩すとか情緒不安定になるとかで「春なんて大っキライ」とひとりごちまくっているけれど、本能的には一番好きな季節だと信じてやまない。華麗なる自己矛盾。自身の不調を凌ぐくらい、晴れた日の澄んだ青空とかその辺に咲いてる色とりどりの花々、木々の芽吹きのにおいとかが好きなんだと思う。花粉症じゃなくてよかった。あと野菜も好き。アスパラ万歳。
それに、初春に並ぶ明るい色(=パステル)の洋服とかメイクものも本来大好物なので、自然と購買欲みたいなのも上がる。で、気分も上がる。ハッピー。
・・・というのはかつての話で。
春なのに、パステルというものにまったく興味を示さなくなったのがここ3年ほど。コロナの影響が大きいかな。根暗な性格がさらに悪化して人にも会わなくなったし、あと加齢も?泣ける。
ということで、2019年から再度フランスに定住し始めてからというもの、季節関係なく黒ばかり身につけていた。あとはグレーとか紺とか。明るいのは白か、真夏と真冬に頑張ってピンク。
でも、今年は打って変わり、春の兆しを感じるにつけなんだかパステルな気分がモックモク。なぜだ?自問自答してみると、きっかけは多分、髪色。
年初に一時帰国した際、地元の美容院で思い切って髪色を変えた。多分10年ぶりくらい。ここ数年で染み付いた暗い性格をちょっとでも明るくしたくて、とりあえず髪色から明るくしてみっか・・・という超絶単純思考である。
変えたといっても、地毛色をメインに残しつつ明るい色を所々に入れただけ。20代前半の金髪のお姉さんに念入りに染めてもらって、「めっちゃ色入りやすいですね〜明るいのお似合いです」と言われて気分上々。なんだか顔色も明るくなった気がして、多幸感あふれるコーラル系のチークとかアイシャドーを買い漁るこれまた単細胞。
首から上が少しでも明るくなると、首から下の黒が重いのなんのって。
結果、服はパステル!イコール、糸はパステル!
以下、パステルに取り憑かれたユイじょり2023年春・編みコレをご覧ください。
2月:ベージュのバルーン袖ニット
日本から戻ってきて、2月。秋にちょっとだけ手をつけていたWAK(We Are Knitters)のニットの続きを編み終えることに。
この糸は、メリノメインでモヘアとちょっとキラキラした糸みたいなのも入っている。
懐かしのスウェーデン旅行にも確か一緒に行ったような。
首から胸元にかけてくらいまで編めて一度放り出していたものの続きを、日本から帰国後ひたすら編んで、2月末に完成。
吊るすとよくわからないけど、着るとバルーン状のシルエット。
これは真夏以外年がら年中使えそうな感じで、ナイスチョイスであった。
まあ、料理するときは袖部分が非常に邪魔なので着替えるけど。
3月:パステルグリーンのシルクモヘアニット
3月頭、パステル脳に切り替わりつつある私が頼んだ毛糸たちが届いた。
俺のバースデーグッズなどに気をとられつつも同時に取り掛かるのは、パステルグリーンのモヘアニット。モヘア&シルクの極細糸を2本どりでふんわりと編む。
こちらもトップダウンで首元から編んで、腕の部分は編みこみ模様を。腕に特徴があるのが好きなのかもしれない。
予想以上にオーバーサイズに編み上がった。パトロンと同じ糸&同じ大きさの針を使っても、私が編むと大体大きめになっちゃうんだよな・・・。
ベージュホワイトのショール
昨年秋にアルパカ糸でショールを編んだけど、実家に置いてきた(=母にあげた)ので、北フランスの防寒対策にショールを一本さらに同時進行で編んだ。アルパカメインのホワイト系の糸にベージュのシルクモヘアをあわせて2本どり。
裏表が同じ柄になるように、一番簡単なpoint mousseを採用。底辺の長さが大きくて高さが小さめの2等辺三角形になるように、頂点部分から始めて両端の目を増やしながら編んでいく。
北フランスの港町はなんだかんだでまだ寒いので、外出の際は必ず首に巻いている。
4月:ピーチピンクのウールアルパカモヘアニット
先月頼んだばかりだというのに、また編みたいものがたくさん出てきて、糸を買い足す糸まみれ女。4月頭に頼んだのがこちら。ほぼほぼシルクモヘア。
4月のメインはravelryを巡回していて見つけたこちらのニット。その名も、「Crème anglaise sweater(クレーム・アングレーズ・セーター)」。
3月に買った右側のピーチピンク糸(ウール+アルパカ)に、同系色のモヘアシルクを合わせてみる。
模様とか入ってこないと編んでて暇なのだけど、これは首から編んで首元〜胸下までがっつりと模様が入ってくるからなかなかにスリリング。
模様部分が編み終わったら、あとは分割して身頃の部分と腕部分を編んでいくのみ。このあたり(4月後半)になると、だんだんお天気の日が増えてきたので、夕方ベランダに出て編むことも増えてきた。
4月末、編み終わり。もっとピーチっぽい感じになる予定だったけど、シルクモヘアが思った以上に強めの褐色だったので、なんだか秋らしい仕上がりになってしまった。
着ると結構ジャストサイズ。
シルクの糸、もう一つ迷っていた方にしておけばよかったなあと思いつつ、逆にいえば秋に着られるということで、よし。
5月:パステルブルーのシルクモヘアカーデ
instagramの編みアカウントでフォローしているイギリス在住のニッターさんが作ったこのポンポンカーデがずっと気になっていたけど、パトロンがPDFで手に入らないという難儀。意を決して、版元のサイトでイギリスから輸入しましたぜ。送料が本代の2倍以上したんだけど。
シルクモヘア3本どり(贅沢😭)でふんわりと。裾部分からボトムアップで編んでいく。編んでいるところに俺がいつにも増してひっついてきては、毛玉を枕化。
大好きポンポンを4つ組み合わせてメルヘンチック。
こりゃ楽勝だな〜と思っていたらば、腕の部分でひっかかる。腕周りをピッタリ目にするかはたまたゆったりめにするかで悩んで1度編んだ両腕部分を全解き。あーあー、やっちまったなー。
毎回サイズ調整で苦労するのは、大抵の場合、我が特殊体型によりパトロン通りに作らない(作れない)ことも大きな要因。まあ自分の好みに合わせて編めるところが編みのいいところではあるんだけども。
試行錯誤して、糸はぎりっぎりのぎりっぎりで編み終わる。
Otto氏のアドバイスどおり、あえて腕部分を短めの長さにしたのがよかったな。
ポンポンルックで散歩していたら、エレガントなマダムがお揃い素敵ね!と褒めてくれた。うれしいぃ!
そしてこのカーデ、とにかく軽くて着心地がよすぎる上に防寒もそこそこできるので、春夏の羽織りにちょうどいい。妹に写真送ったら、肉球カーデ🐾と命名されたが。色違いも・・・ほしいな・・・・・・。
去年の春、試行錯誤して編んだ白のニットにはじまり、一体トータルでどれだけ編んだのだろう?カウントするのがちょっとばかり恐ろしい。
最近服全然買ってないし〜とかいってたけど、結局編んでたら服ってどんどん増えるじゃん!まったくもう!ねえ!!