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春のクレソン強化週間

束の間のひとりごはん

先週は、最近ご無沙汰だったひとりごはん生活。

すでにお気づきの方も多いと察するが、私はひとりごはんの方が圧倒的に気合いが入る意味不明系酔狂クッカーである。ゆえに、Otto氏が出立する前から「久しぶりに思う存分好きなものを料理できるぞ、わーい!」と、心の中でベートーヴェン第九を鳴り響かせながらソワソワわくわくしていた(そして確実にバレてた)。

月曜日・和いろいろ

月曜夜から始まったひとりごはん生活。買い出しは水曜日と決めているので、家にあるもんでどうにかしようね。

まずはなんといっても和食。4月中旬、俺を連れて一瞬パリに行ったときに深酒ソウルメイトAちゃんがお土産にくれた豆腐があるからこれを使おう。

片栗粉をパタパタつけて、揚げ焼きに。

豆腐は木綿中の木綿な硬さ

あんを作ってかけたら、揚げ出し豆腐一丁あがり。

わさびと生姜をちょこんとのせる

冷凍庫にはいつぞやのヒラメが2匹残っている。軽く塩胡椒してこちらも片栗粉をはたき、低温でじっくり骨まで揚げる。

20分くらい揚げたような

まるっと、ヒラメの唐揚げ。レモンをきゅっと絞っていただく。

レモンに飽き足らず、レモスコもバシャっと

ごはん・豆腐とわかめの味噌汁、箸休めのきゅうりとともに、目を閉じればそこはジャポン。

左上に映り込む花は、知らぬうちに庭に咲いていたので摘んで花瓶に活けた(笑)


火曜日・洋いろいろ

和食を満喫した翌日。移り気な性格上、火曜日はうって変わって洋風といきたい。

料理にとりかかる前に、翌日以降の仕込みをしておこう。ノエル時に仕入れて冷凍庫に放り込んでおいた鴨の胸肉を和風に調理。白ごはんさんのレシピをいつも使っている。多謝。

スペースが余っていたので、半熟ゆでたまごも作って漬け込んでおいた

今にもしおれんばかりのズッキーニを粗く切って、オリーブオイルまぶし&オーブンへ。その間にトマトソースを作って、茹で上がったパスタとズッキーニ、モツァレラ半分を加えて和える。

あと、卵が余っていたので、トッピングで使うことにした。鴨を焼いた時に出た油で目玉焼きに。めっちゃ焦がしたけど。

今にもこぼれ落ちそうな卵黄よ・・・

カプレーゼとただのグリーンサラダとともに、冷蔵庫掃除といわんばかりの食卓。流石に全部食べきれなかったので、翌日のランチへ持ち越し。

ロゼの美味しい季節がようやくやってきそうで嬉しい限り〜


水曜日・まずは買い出し

さて、買い出しの日と決めていた水曜日。マルシェが開催される日である。

ふふふ、俺だよ俺

庭を駆け回ってまっくろくろすけになった俺を久しぶりに念入りシャンプーしていたらあっという間に11時。急いで俺とともに街の中心部に降って魚市場を一瞥したのち、中心部に立つマルシェへゴー。

ここのマルシェは水曜・土曜と開催されていて土曜のほうが規模が大きくて人も多いけど、水曜の割には人がたくさんいた。暖かくなってきたからだろうか?冬は非常に閑散としている古い港町なので、夏が近づくにつれて人が増えてくるのはなんだかうれしい。

アスパラいいなー、いちご高いなー、なんて物色しながら、足が止まったのはいつも行列ができている無愛想なムッシューの野菜マルシェ。

「まだあるの?クレソン!!」

フランスでは本来、冬の寒い時期にマルシェに並ぶクレソンだけど、春先まで並ぶのね〜!ってことで、思わず小目がかっぴらいた。

マルシェで見かける度になぜか買ってしまう野菜ベスト3に入る、クレソン。このパセリ記事でも触れているけど、独特野菜偏愛族ゆえの習性であることは間違いないだろう。


爆発的インフレがかなり財布に痛いフランスナウだけど、お値段も良心的だ。1束1.2ユーロ、3束で3ユーロ。

財布には5ユーロ札一枚。まあ、ひとりだけど激ラブなクレソン様だし、なんとかなるか?

なけなしの現金3ユーロで買うことに決めた。
Bonjour Monsieur, je prends trois bottes de cresson, s'il vous plait?こんにちはムッシュー、クレソン3束くださいな

ムッシューは相変わらず無愛想に、振り返ってクレソンを袋にぶち込むと、
Trois euros!3ユーロ!
とだけ言い、クレソンで膨れた袋を差し出した。

あれもうちょっと微笑んだりなんだりしてくれないものかなあ・・・と帰宅後、袋を開けてみたら、Oh La La…..

4 束 あ り ま す が な !

袋いっぱいだったなそういえば

4束3ユーロだから1束0.75ユーロで正味1束あたり4割引きくらいで買えちゃった?などと計算してしまう主婦。なんかどおりで葉っぱのわりに重いなと思ったんだよな・・・。

大きめタッパーに立てて並べて水入れてビニール袋被せて冷蔵庫で保存

無愛想ムッシューありがとう。もう笑ってほしいだなんて言わないわ絶対。

かくして、予期せずクレソン生活がはじまったのである。


水曜夜・おつまみ和プレート

クレソンといえば鴨。鴨といえばクレソン。

火曜日の私は翌日クレソンを手に入れることを予感していたのだろうか・・・?クレソン鴨蕎麦にしようかな、はたまた丼?なんて考えたけども、おかずをたくさん作りたかったので、しっぽりおつまみプレートの一員とすることにした。

まずは鴨。シンプルに、切っただけ。

一晩寝かせたら味しみしみ

クレソンは、洗って葉っぱと茎に分けて、葉っぱ部分はちぎってサラダに。自作玉ねぎ和風ドレッシングとすりごまをかける。

写真でみるとアレだけど、結構量あるんですよこれ

なんだりかんだり和惣菜。長らく眠っているひじきを戻して、ベルギー産のごぼうもどき、にんじん、牛ひきを炒め、ひじきとあぶらあげを合わせて調味してみた。仕上げに唐辛子。なんと名付けようか、きんぴらひじき牛そぼろ?

濃いめの味付けが白ごはんに死ぬほど合う

お得プライスだった白アスパラも買っちゃったんですよね。ってことで、茹でておひたしに。

シンプル・イズ・ベスト

月曜のあまりの揚げ出しなんかも加えて、和のおつまみプレートの完成。

こういうのが一番好きなのである
卵の具合がなんていうか完璧すぎた

ごはんに合うものばかり詰め込んでしまったもんだから、白ごはんも食べたくなるわなあ・・・。白アスパラの茹で汁に玉ねぎとクレソンの茎をぶちこんで、溶き卵を加えて調味した即席余り物スープ、おつまみ満喫中に炊いた白米おむすびにて、締め!

クレソン生活初日、いい感じに締まった!


木曜夜・ヘルシーにサラダとスープ

朝昼で夜に作ったものを消費するという生活。

木曜夜は、土曜のOtto氏帰還も視野に入れて、まずは下準備から入る。
使うのは、鶏むね1キロ、豚肩ロース1枚。

鶏むねは半分を塩糖水に漬け、もう半分はヨーグルト、にんにく、しょうが、カレー粉とか適当スパイスを入れてタンドリー風に。豚肩ロースはにんにくと庭に生えてたタイム、オリーブオイルに漬けて、マリネ3兄弟だゴルァ!

左・鶏むね塩糖水マリネ、右上・豚肩ロースハーブマリネ、右下・タンドリーチキンマリネ

この3兄弟はとりあえず冷蔵庫に眠ってもらうことにして、木曜日はなんとなくヘルシーにいきたい。

クレソンの葉に、薄く切った鴨ローストとラディを加えてドレッシングで和えただけのサラダ。超簡単なのになぜかご馳走風に見受けられる素晴らしいサラダ。

ドレッシングは相変わらず和風たまねぎ

茎はたまねぎとトマトとたまごでスープに。バカのひとつ覚えかよ!

こういうスープがなんだかんだで結局好きなのだと

そういえば炭水化物がないわ・・・パンを作るのは時間が遅いので、戸棚にあったなんか意識高い炭水化物っぽいもの(雑穀系クラッカー?)を添える。

意識高い系炭水化物、まずいんだろうけどなと思ってたけど、
普通に食べられる厚めクラッカーって感じだった

ヘルシーとかいいつつワインがぶがぶ飲んでしまったよね。


金曜夜・ポタージュと豚肩ロース

本来であれば金曜お魚の日だけど、私無宗教なもんでなんでもよしこ。

前日の意識高い系炭水化物が意外にイケてたので、これとクレソンのポタージュを合わせよう。
バターでたまねぎを炒めてじゃがいもと合わせて水を加えてコンソメとともにしばし煮て火を通したら、ミキサーでガーーーー。

攪拌終了したら、牛乳で伸ばして調味して完了。

メインは、前日にマリネしていた豚肩ロースを焼く。

袋からドーンとフライパンに開ける
あらよっと!よき色

生クレソンとラディ、ホワイトアスパラを添えて完成。

本当はホワイトアスパラを色々活用したいのだけど、今はとにかくクレソンに一点集中。

クレソンのポタージュ、ほのかな苦味がたまりませんな。グッドでーす。
冬にも作っておけばよかったな。あったまるし。


土曜夜・フォカッチャとタンドリーチキン

あっという間にひとりごはん生活ひとまず終了で、土曜の夜は久しぶりのふたりごはん。クレソンはポタージュとサラダにて消費。

ずっと作ってみようと思っていた我が唯一のパン教本にある、フォカッチャ。Youtubeもあった。

「あまりこねない」というワードに惹かれてマッシュポテト(フランスだとじゃがいものピュレ)の素を買っておいてはいたのである。

ポタージュもあるし、満を持して作ってみた。
生地がベトついたので、分けるのもメンドイナ・・・と、ただピザ型に流し込んで巨大なフォカッチャにしちゃお。

焼きに入る5秒前

焼き色めっちゃついてるけど、初めてにしては上出来でしょうか。

オリーブ以外でも試したいもんだね

そうそう、メインもある。2晩漬けておいたタンドリーチキン。

タンドリーチキンはサンドの方のこの投稿を見て、脳内タンドリーモード突入していたのでね。

ま、これもただ焼くだけ。

さすがに2人分で500gは多いので、3分の1は明日に持ち越し

レタスにのせて、レモンを添えて、仕上げに恒例のパプリカシュッ。

ひさしぶりのパプリカシュッ。いい着地。

そうそう、クレソンのサラダは、インスタで友人が教えてくれたベトナム風に。本来エビが入るらしいけど買いにいけなかったので、ドレッシングのみそれっぽく。

ドレッシングは、オイル、ナンプラー、砂糖、チリソース、レモン汁など適当に混ぜた

結果、フォカッチャの存在感がすごい食卓の出現。そしてこの多国籍ぶりよ・・・。

🇮🇹🇮🇳🇻🇳🇫🇷
大成功!カリモチで美味しい!!

フォカッチャ、どうみても2人の1食分には多すぎるけど、週末なものでモーマンタイ。日曜日が待っている!

日曜昼・サンドアペロ

日曜の昼は松本の実家に電話することを心がけているので(といっても1ヶ月できてない涙)、ランチは豪華めアペロでいいや。

ジャストアイデアで、フォカッチャを横半分に切ってトーストして、クレソンとタンドリーチキンをほぐしてマヨで和えたものをのせてみる。

サンドの方が1万キロの距離をものともせず憑依したのだろうか

サンドして、仏人男性的ひとくちサイズにカットしたら、チキンクレソンフォカッチャサンドのできあがり。

仕上がりはそんな美しくないけどアイデアはとてもよかった

タコさんウインナーとスナック菓子なども並べて、結局ジャンキー風なアペロに落ち着いてしまったなあ・・・。

久しぶりに家族と話して、日本では黄金週間が始まったってことを知ったよね。


日曜夜・日韓IZAKAYA

翌日にはまた家を離れるので、クレソン生活も終盤。なんだりかんだりな居酒屋風といこう。

これまたインスタで、クレソン大量事情を投稿したらパリのAちゃんが速攻反応してくれて、クレソンのチヂミうまいよと教えてくれた。そりゃ作るよね。

本当はイカとクレソンなんかいいんじゃないかと思ったけど、あいにくイカを仕入れにいけなかったので、野菜のみ。たまねぎ・にんじん・クレソン。

小麦粉・片栗粉・水・鶏ガラ・醤油少々で作った生地と野菜を合わせて焼くだけ。

食べてないけどなんか健康になった気分

焼けた。昨日から円形のものをカットばかりしている気が。

木曜からマリネしていた塩糖水鶏むねをいい加減使おうってことで、さらにニンニク&醤油を足してちょい漬けして片栗粉まぶして揚げ焼きに。これがかなりイケてたからもううちの唐揚げはこれでいいのかもしれない。

塩糖水鶏むねがいいんだよなそもそも

あとはちょこちょこと小皿を。クレソンのナムルと再再登板くらい?ホワイトアスパラのおひたし。

クレソンナムルは無限系ですな

ビール&ウイスキーで、乾杯。

こんな日に限ってワインがなくて、私はビールはそこまで飲まないのでちょっと物足りなかった。結局酒か。


月曜朝・ラストクレソン朝食

最後のクレソンを冷蔵庫掃除とともに。

週初めに作っていたきんぴらひじき牛そぼろ的なもの。これを炊き立ての白米にどーん。混ぜご飯にしちゃおう計画である。

味濃いめなので混ぜたらちょうどいいかと

ここにさらにクレソンのおひたしを投入して、混ぜ込んだら、お茶碗に。クレソンの味噌汁とともに、最後のクレソンを堪能することにしよう。

ズッキーニとにんじんのぬか漬け、最近ハマっているアーティチョークエキス注入オレンジジュースとともに

残りのごはんはおにぎりにして冷凍庫へ。ついでに味噌汁とかポタージュも冷凍してあるからこれでいつでもクレソン生活可能だぜベイベ。




毎日考えて作って食べて、なんとなく色々と健康になった気がする春のクレソン強化週間。来年もまた開催できることを願いつつ、これにて閉幕!


なんかフランス、明日は20度超えで暑くなるみたいですよ奥さん!

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ユイじょり
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