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本当にあったブラック保育園 〜入社編〜

大学を卒業し、ある保育園で保育士として働くことになった。
そこは所謂「ブラック保育園」と呼ばれる類の場所。

入社するまでわからなかった、ブラック園の裏側を少しずつお話できればと思います。

※私の実体験をもとに書いています。
これから保育園に就職や転職を考えている方は、こんな園には絶対に就職しないでほしい。そして、お子様を保育園に預けようと考えている保護者の皆様も、慎重に預け先を選んでほしい。そんな気持ちで書きます。



保育士になりたい

就活生の私

教育系の学部がある大学に通っていた私。真面目に授業を受けて1つも落とさず単位を取り、教育実習や保育実習を全て終え、大学生活最後の年になっっていた。あとは就職先を探すだけ。

大学には近隣の園や施設から保育求人がたくさん届く。その頃私は実家暮らしだったので、地元の求人を探してみた。

地元からはだいぶ距離の離れた大学に通っていたので、自分の住んでいる地域からもこんなに求人が来てるんだなぁ、と驚いたのを覚えている。

その中からいくつかの求人情報を見せてもらい、園見学に行くことにした。


初めての園見学

家から程よい距離で、勤務時間も無理のなさそうな園。給料も悪くない。ホームページも見て魅力的に感じた。

園見学をお願いしようと園に電話をかけ、園長先生と直接電話で話した。
とても明るい、はつらつとした話し方で安心感があった。

園見学当日、園の門についているインターホンに手を伸ばそうとした瞬間、「こんにちは!」と中から保育士さんが声をかけてくれて驚いた。どこから見えてたんだろう?と思ったが、とても明るくて笑顔の素敵な先生の案内に従って、園内に入った。

すれ違う先生たちはみんな明るく元気よく挨拶を返してくれて、雰囲気の良い園なんだなあと感じた記憶がある。
園庭では子どもたちが運動会の練習をしていて、園長先生も園庭に出て子どもたちの練習を指導していた。数分練習を見ただけでも、完成度の高さが伝わってきて感動すら覚えた。

運動会練習の様子を少し見せてもらい、園長室へ。終始優しい園長先生。
園での生活の流れ、年間行事などの話を聞いて、子どもたちが喜びそうな行事や活動が盛り沢山な園で楽しそう!と思った。
(今考えれば、そのすべての準備をこなしている先生たちの仕事量が壮絶なものになっているであろうと想像することは容易だったはずだが、その頃の私は期待に胸を躍らせ、やる気に満ち溢れていて気づくことができなかった。)

その場で面接の日程を決めてもらい、入社試験と面接を受けることに。


入社試験

かすかな違和感

素敵な園だったなあ、ここで働きたいな、と本気で思っていた。園見学から帰宅し、家族にもそう話していた。

面接当日、門のインターホンに手を伸ばすと、前回同様に保育士さんが出てきて門を空けてくれた。(なんでインターホンを押す前にわかるんだろう…?偶然…?)

園長室に入ると、理事長先生がいらっしゃっていた。高齢だがとても凛とした雰囲気を持った明るい先生だった。話を聞くと、園長先生のお母様らしい。家族経営の私立園だった。


面接と実技試験

そのままの流れで面接が始まった。履歴書を見ながら様々な質問をされたが、特に変わったことは聞かれていない。半分以上、世間話をしているような感覚だった。

実技試験はピアノ。

ピアノが置いてある部屋に案内されると、どこからともなくもう1人先生が現れた。主任先生らしい。

課題曲を弾き終わると拍手をしてくれて、園長先生が「ピアノ得意なんだね!もっと聞いてみたいから、他になにか子どものうたとか弾き歌いできる?」と言い、他の先生から楽譜の本を借りてきて私に手渡した。突然のことに驚いたが、ピアノは幼少期から習っていたのでなんとか乗り切ることができて、正直ホッとしていた。(就職後、園長先生の気分や思いつきで様々な事件に巻き込まれていく未来が待っていることなど、この時は知る由もなかった。)


採用通知

面接と試験が終わり、大きな失敗もなく穏やかな雰囲気で終えられたことにホッ胸をなでおろしていた時、園長先生から「是非うちで働いてほしい」とその場で伝えられた。採用通知は後日郵送や電話でされるものと思っていたので少し驚いたが、私は嬉しくなり「ありがとうございます!よろしくお願いします!」と元気に返事をした。

これが壮絶な保育士生活の始まりになろうとは…。



次回、〜入社前研修編〜 更新予定。





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