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笑って行って、泣いて帰ってきた。それは、思い出ができたからだ。
5月は、しばらく三重の鳥羽や伊勢、四日市に滞在していた。
そこで過ごした数日間は、忘れない。人生のたいせつな思い出が、また増えた。
帰り道、駅に向かうバスに揺られながら海を眺めた。行きに見た景色と同じ。違うのは、私、泣いてた。
笑って行って、泣いて帰ってきた。それは、思い出ができたからだ。
思い出って、ひとのからだと同じで、ほとんど水分だと思う。いつだって湿度や涙、時には汗、それから、心のうるおいを伴うから。
出会いと別れ、心の変化は本当にあるんだなぁと、そんな風に思わせてくれた時間だった。
*
最近の気候は、いろいろな想いがふくらんだり、でもずっとそのままにしておくと溶けてなくなったりする、そんな気候。はっきり言って、とても好き。
そんな気候だと、ものおもいにふける日和がよく訪れる。
ふと「これまでの人生でいちばん楽しかった時はいつだっけ」と考えた。私にとってそれはいくつもあるけれど、いちばんはきっと、アメリカ留学をしていた半年間だった。
"でもそれは、去年の春卒業した大学でいっしょうけんめい勉強をして、成績優秀者に与えられる返済不要の奨学金を毎月7万円もらって暮らしていたからで……。社会人になったらそんな楽しい日々を送ることができなくても、仕方ないわけで……。"
そんな考えが頭の中で浮かび、それはそれはなんて退屈な考えなんだろうとこころが動き、私は東京を飛び出した。
海の見える街に向かったいきさつは、こんな感じ。
*
いつかまたアメリカに行って、たいせつな友達に会いに行きたい。
いまでも定期的にメッセージのやり取りをするけれど、いつも「miss you」という想いがあふれて、言葉がこぼれる。「あなたに会いたい」「あなたが恋しい」「あなたと過ごしたあの日々が、恋しい」それはそれは、もう、心から。ほんとうに。
数ヶ月でも良いから、アメリカでまた暮らしたいなと思う。場所はまたカリフォルニアが良いな。またアーバインが、良いな。きっとメンバーみんな変わってしまったあのシェアハウスが、良いな。すごく良い。想像するだけで、恋しくて、涙が出るくらい。
ひとりぼっちで降り立ったロサンゼルス国際空港。半年後は、ルームメイトが見送りに来てくれて、あの時も、私、泣いてた。
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そんな夢のひとつを叶えるまでは、日本でしばらく旅を続けて、創作を続けたい。
私はこころで感じたり、言葉を紡いだりほどいたり、写真や動画を撮ったりしたい。
それを旅と旅の合間にぽつりぽつりと誰かに届けたい。
創作には、旅が必要だ。
ブルーライトと創作は、どうも相性が合わない。