見出し画像

将棋めしとおやつの旅・神奈川~愛知(12)ガトー・ドゥラ・メール・スリアン

 万松寺対局で毎度名前のあがるケーキの店、ガトー・ドゥラ・メール・スリアン。こちらは大須観音の周辺にある住宅街の中にあり、なんと無料駐車場がある。昨日からのコインパーキング貧乏にあえぐ私たちに救いの手を差しのべつつ手招きまでしているようだ。
 ほんの30分前にカフェ ジャンシアーヌでぴよりん2体の息の根を止めてきたばかりであるが、別腹の使い手としてここを素通りなどできるはずがない。

 まず、タイトル戦対局者の方々のお召し上がりになったケーキを万松寺さんのツイッターでご覧いただこう。

 このように、毎度毎度のご登場で気にせずにはいられないガトー・ドゥ・ラメール・スリアン。名前も一度聞いたら忘れられない人はまずいないほど複雑だ。競走馬の名前にちなみ、カタカナは9文字までしか覚えない私には難しく、ドリアンと言ってしまう。あまりに雑な省略で気が引ける。

 さて、天彦先生の召し上がった「プランタン」はいかにも季節限定なので今の時期には無いだろう。
 では、いつもあるものは「ショコラ・クラシック」(渡辺名人、天彦先生)か「ストロベリーショートケーキ」(渡辺名人)、「プディング」(羽生先生)といったところか。今なら「モンブラン」(渡辺名人)にも出会えるはずだ。

 さて、店先はというと、このようにとても可愛い。バス停「橘町」の真ん前である。無料駐車場は店舗に向かって右10メートルくらいのところにあった。このあたりは大須観音近くとあってかどっちを向いても仏具屋で、この店の隣もそうだった。

画像1

 入店して左手にイートインスペース。奥に向かって細長い。隣接するテーブルが無く、このご時世には安心感がある。

画像5

画像6

 一度着席してからケーキを選びにショーケースの前へ。種類豊富だ。「ストロベリーショートケーキ」と「ショコラクラシック」、「ドームショコラ」を発見。全て渡辺名人が召し上がったものである。

画像2

画像3

 「モンブラン」も見つかったが、渡辺名人の召し上がったものはマロンペーストを中華麺のように細く絞りだしてスポンジを覆っているようなタイプだった。
 それが無かったので選んだのがこちら、「マロンロール」。てっぺんが中華麺状のタイプである。モンブランたるもの、こうでなくちゃ。

画像7

 同伴者には半ば押し付けるように「ストロベリーショートケーキ」を勧めてみた。天彦先生も渡辺名人も召し上がったんだからと口には出さなかったが。

画像7

 栗、半分。
 苺、半分。
 まるまる1個はのっかっていないところから、いい材料を使って丁寧に作られたケーキだと推測する。コストと提供価格のバランスでそうなっているのだろうか。いや、美しさを追及しているからかもしれない。

 「マロンロール」はロールケーキだがしっかりと立つ、弾力のあるスポンジ生地だ。頼りなく寝そべったどこかのロールケーキとは品格の差すら感じる。中のクリームには刻みマロンが入っていて良いアクセントだ。中華麺状マロンペーストはもったりと重めでしっかりとしたマロンの風味がある。
 てっぺんのマロングラッセはしっとり甘々で高級感を醸している。

 「ストロベリーショートケーキ」は、同伴者へのインタビューを文字起こししたので、以下を読んでいただきたい。

 「あんまりしつこくなくて美味しかったよ。ま、日本のケーキだからそんなしつこい甘さじゃなくて、うん、美味しかったな。」

 役に立たない食レポで申し訳ない。こんなことならショートケーキも私が食べておけば良かったが、いくらなんでもそこまで底なし沼ではないので、自分の分だけ頂いて終わりにしてしまった。大変悔やまれる。

 そうとなれば、来年もJT杯東海大会の抽選に当たって、この地を踏むしかないであろう。鍛えて一回り大きくなった胃でその日を迎えたいと切に思う。一発逆転と書かれた扇子をあおぎながら、諦めずに本気で向き合う所存だから、待っていておくれ、ツヤッツヤの「ドームショコラ」と焼き菓子たちよ。

(つづく)

画像8

いいなと思ったら応援しよう!