将棋めしとおやつの旅・千葉~オランダ家(1)
将棋めしとおやつの旅の記録をプロローグ無しにいきなり始めよう。
JT杯決勝東京大会(千葉県千葉市美浜区。TDLが東京なら幕張メッセもそうだというのか)のチケット抽選に敗れ失意のズンドコにいた私は、そぼ降る雨の中、徒歩5分の道のりを重い足取りで歩いていた。
心の癒しを求めた先はオランダ家(おらんだや)だ。
2021年の棋聖戦第1局で、藤井聡太棋聖(当時)と渡辺明名人に提供されたケーキがこの店のものだった。
「タイトル戦なのにオランダ家?」と失礼ながら思ってしまう程、千葉県民にとっては身近な菓子屋である。ケーキ屋としなかったのは、煎餅や最中、饅頭も販売しているマルチな存在だからだ。
ベージュ色の平屋建て路面店はガラス張りで明るい店内がよく見える。
ショーケースの中は定番のケーキが並んでいた。買って持ち帰ってから気づいたが、あまりに店舗が身近過ぎて、店舗外観や店内の画像を撮ることすら思いつかなかった。
渡辺明名人が召し上がった、苺のショートケーキ。苺にかかった粉砂糖が雪のようで綺麗だ。
藤井聡太棋聖(当時)が召し上がったガトーショコラは軽いスポンジ生地タイプ。
タイトル戦の時は店名チョコプレートではなく金箔がのっていて高級感を醸していた。
たまたま大穴があいていたのはご愛敬。いや、たまたまではないかもしれない。これがいつものスタイルとも言えるか。(サンスポの画像参照)
正直、この2つのケーキは良い意味で普通。赤くないザク。量産型の安心感に溢れている。
個人的にはずっしり濃厚系のチョコレートケーキが好きなのでちょっと物足りないが、そちらはザッハトルテという名称で季節商品として販売されている。
誰にも求められていないのに記すが、オランダ家での私の一押しは下のパンフレット画像内の左にある落花生パイだ。季節により苺やかぼちゃのパイもある。しっとりしたパイ皮のバターの風味が好きだ。とても美味しい。
なお、落花生は千葉県の特産品である。なので、ピーナツ型の落花生最中も捨てがたい。こちらは画像の右上の方だ。ねっとりした中の餡が本当に美味しい。
できることならタイトル戦で、これらを召し上がっていただきたかった。常温で気軽に取り寄せられる落花生パイや落花生最中に注文殺到で、オランダ家の名が全国に轟いたかもしれない。
ミッフィーちゃんのサブレも人気だ。撮影前にうっかり食べてしまったが、黄色い袋に一体ずつ、割れ防止用プラケースに厳重に守られて身動き一つできない状態で納められている。箱や缶のデザインも、ブルーナさんの描かれたミッフィーちゃんそのもののイメージを大切にしている。
フリーダイヤルが載った画像をおいておく。今すぐ電話してお取り寄せが可能だ。
なお、落花生パイや季節のパイを個包装から取り出した際は、97%の確率で裏側にくっついている脱酸素剤をのけて召し上がっていただきたい。私は何度となくそれを噛んでいる。用心してほしい。
(つづく)