将棋めしとおやつの旅~東京・その1(8)都市センターホテル
(2021年12月の記録です)
宿泊に選んだのは都市センターホテル。ここは、2019年、木村九段が初タイトルを獲得する王位戦最終局が行われたホテルである。ところは永田町。千駄ケ谷から歩いて来ることも可能な立地と王位戦ブログで知ったが私には絶対に無理だと思う。ここは都内には珍しく和室のあるホテルだから、よく対局に使われるそうだ。
なお、対局室となった部屋への宿泊はお高いので、普通の部屋で我慢した。
ここの1階にある「和食処梅林」で早すぎる夕飯をとり、19時前には池袋へ行く算段だ。お腹も時間もギリギリではあるが、ここのトンカツ定食を召し上がって王位を獲得された木村九段にあやかって、是が非でも食べておきたい。
ホテルのレストランでいただくトンカツなんて、美味しいに決まっているようなものだ。自分で作ると揚げる作業だけでお腹いっぱいな気分になるが、今もお腹いっぱいである。
トンカツ定食はランチメニューのひとつで、ディナーメニューでは品数が増えてトンカツ御膳となっているため、それを注文した。なお、王位戦の2日目に木村九段が召し上がった鉄火丼もメニューには無かった。
おやつのガトーショコラ、抹茶のガトー、フランボワーズムースなどもカフェが営業中止しており、ありつけず残念だが、満腹のため少しホッとしている。
さっくりとした衣、厚い肉。美味しいに決まっているではないか。そこへ濃厚なソースに少しのからしをつけて。これは白いご飯が進むだろう。腹持ちも良く対局中の補給としては重めだが、どっしりとした手が指せそうだ。
対局前夜の夕食会もここ梅林の個室で行われたそうだが、その時と同じメニューは杏仁豆腐くらいか。それでも嬉しい。
実を言うと、おけいすしで昼食を済ませてから3時間しか経っていない身にトンカツは堪えた。流石に満腹なので、刺身定食を食べている同伴者にトンカツ2切れを分けた。
何しろ、次の予定は今回の旅のメインイベント「折れない心の育て方」出版記念トークショー。出演者および参加者に、己の存在を腹痛や嘔吐による粗相で知らしめることになるのは絶対に避けたい。一生イベントに行けなくなってしまう。ここは色々と辛抱である。
さて、対局場となった和室は最上階の22階だった。エレベーターでその階に行っただけだが、それだけでも場合によっては不審者だろうから、案内板だけを撮って早々に立ち去った。
ここで木村九段が王位を獲得されたのだ。この廊下も記者やカメラマンでいっぱいだったはず。思い起こすインタビュー。流れる涙。そうだ、いつかその和室に泊まろう。
(つづく)