本当の私

皆が思っている私と私が思っている私に差異を感じる経験は、誰しもがあるだろう。もちろん私もその1人である。

ここで、「本当の私は周りが思っている私とは違うのに。」と文句を言うのは少しナンセンスではないかと私は思う。

自分で作った表向きの性格は、自分で落とし前をつける。それは周りの責任ではなく、自分の責任だ。
もちろんそれが出来ない人がいることは私も理解しているし、この考えを誰かに強制しているわけでもない。ただ私は、周りのせいにすることは少し筋違いなのでは？と感じるのだ。

どうして自分を分かって貰えないのだろうかと考える人。裏をかけば、自分を知ってもらうことに抵抗がないということだと私は思う。もちろんそれは承認欲求も関連するであろうし、安心感を得たいという気持ちもあるだろう。

ここで、こんな考え方はできないだろうか。

本当の自分は、自分だけが知っていればいい。
自分で自分を褒めてあげればよいのである。

人はどうしても承認欲求が強いものである。ここで注目するところは、〝誰からの〟承認を得るというところであると私は考える。そして、どうして私のことを分かってもらえないのかという他人任せの意見ではなく、どうしたら分かってもらえるのかと自分を抜本的に見直し考えることが必要である。

誰からの承認を得たいのかを考えたとき、一番得やすいのは誰だろう？それは、自分のことを一番に理解している存在。そう、自分自身ではないか。

そもそも人間は多種多様、十人十色、みんな違ってみんないいという言葉があるように一人一人違う。そして自分と違う人間を受け入れることはそう簡単なことではなく、時間を要する。つまるところ、他人が自分を本当に理解してもらうことなど不可能に近いのである。

本当の自分は、自分の中にしまっておけばいい。
息が吸いづらいほど苦しくなったら、自分を沢山褒め承認するだけでいい。

そう考えるだけで、複雑な問題や環境、短いスパンで発信される情報で溢れかえっているSNSに囚われる私たちの生活は少しだけ明るくなる。