【日本一周 北関東編13】 格安モツ煮定食の店!永井食堂
・メンバー
明石、尾道、釧路、宮島
・永井食堂の流儀 筆者:明石
九州を巡行中に宿のテレビで見た「秘密のケンミンSHOW」で、群馬の人気定食屋として「永井食堂」が紹介されていた。
「これは美味しそうだな、一応メモっとくか」と残した店名が計画途中に掬い上げられ、今回の訪問へとつながった。
旅行中の出来事が次の旅行へと生かされるのは、読んだ本の中で引用されていた一節が気になってその本を手にとるといった、おしゃれな連鎖が感じられて得意になった。
昼時ということもあって、店の前にはアミメニシキヘビ級の列ができていた。しかし、店のおばさんは慣れた立ち回りで大量の人々を次々とさばいていく。
こういうありえないほど人気の店では接客が作業と化していて、料理は満足だけど店の雰囲気や店員の態度に少しだけ嫌な思いをすることが往々にしてある。
しかし、永井食堂は不快を感じさせないぎりぎりのラインが死守されていて安心した。旅行中に前述のような店と遭遇すると、その場で感じる不快よりもそのあとの旅程に小さな爪痕を残すから困るのだ。
モツは今までに経験したことのない柔らかさで、汁もごはんのおともに最適な濃ゆい味で満足だった。
モツの大きさも普段スーパーで買うそれよりも明らかに大きくて、ボリュームもある。なにより、値上げにたいしてガリガリ君と同じスタンスをとっていることが伺える590円という破格っぷりに好感が持てた。
飲食スペースを確保しつつ回転率を上げるために、長方形のお盆を縦のまま食べなければならないという謎ルールには戸惑ったが、総じて幸せなお昼ごはんであった。
・もつを喰らう 筆者:尾道
永井食堂の存在を知ったのは時をさかのぼること3カ月、九州旅行でのことだ。
その日も長大な一日のスケジュールを完遂し、宿のベッドでのんびり寝そべっていたところ、静寂の部屋にささやかな活気を確保するためだけに付けていたTVから流れる『秘密のケンミンショー』が、永井食堂を取り上げていたのである。
興味を引かれた我々は、いつか群馬県を旅行する際は必ず立ち寄ろうと、iPhoneのメモ帳にその名を記録したのだった。
山の中腹に位置する永井食堂は、もとはトラック運転手御用達のご飯処として有名だったらしいが、その安さやうまさが話題を呼び、TVで紹介されるようになってから、観光地としての立場も獲得したらしい。
また、周辺には店が少ないため、ドライバーにとっては貴重な休憩所でもあるらしく、つまるところ、永井食堂はご飯処だし、観光地だし、サービスエリアでもあるように感ぜられるのだった。
我々が到着した時には、既に店の外に長蛇の列が並ぶほどの大盛況だった。
想像を絶する混雑っぷりにここでの昼食を断念しようか、という雰囲気も一瞬立ち昇ったが、店は立ち食い蕎麦屋のような長居禁物スタイルで回っていたため、実際に並んでみると行列はみるみる消化され、気づけば自分たちの順番が来ていた(待ち時間も別れ話を聞いてもらったのはここだけの話だ)。
混雑の事情で、明石尾道、釧路宮島に分けて案内された。店内はカウンター席しかなく、客はコロナなどどこ吹く風といった様子でぎゅうぎゅうに座り、皆一心不乱に名物・もつ煮込みを頬張っていた。
活気にあふれる厨房は、客の回転率が凄まじいため、終始大忙しな様子だったが、闊達な口調と機敏な動きが特徴的なお局を中心に、全従業員がフル稼働し、見事な連携のもとお店を回していた。
周りの客に合わせて我々ももつ煮込み定食を注文した。
注文するや否や、牛丼店並みの驚くべき速さで提供された。大盛の白米に、みそ汁、そしていっぱいのもつ煮がセットになっている。
狭いカウンターを最大限に活用するため、トレーを縦にして食べるという不文律が敷かれているらしく、我々もそれに従った。
コクと辛みがある味噌でプルプルになるまで煮込まれたもつを白飯に乗っけてかっ食らう。このくらいシンプルで粗野な食事が一番旅行情緒を掻き立ててくれるのだ。
明石と味の感想を共有しながら食べ進めたいところだが、食ったらとっとと出ていけ、という雰囲気を痛いほど感じたので、黙々と食べ進めた。
終盤は残った味噌にお米を浸して雑炊のようにしてから、レンゲでかきこんで完食。これでお値段なんと590円。ひゃー最高でした、また来ます。
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