【オーシャンズ通信Vol.1】水島の救世主、廣畑敦也 2年間の軌跡
三菱自動車倉敷オーシャンズ、投手 兼 非公式広報 の矢部です。
本日は、千葉ロッテマリーンズドラフト3位、オーシャンズの大エース、声出し番長こと廣畑敦也についてお話します。
1. 負け続けた日々
まず、廣畑が入社する前の弊部。
2004年に都市対抗野球大会、2007年に日本選手権
大会に出場して以来、全国大会から遠ざかっていました。
※都市対抗野球大会、日本選手権大会は二大大会といわれていて、社会人野球でもっとも大きな全国大会です。
私は2017年に入部しましたが、1年目はオープン戦も含めて企業チーム相手に年間で5勝22敗という成績でした。
もちろん都市対抗予選も予選リーグ敗退。
2018年は予選リーグで1勝するも、残り2試合を1点差で落とし、またしても予選リーグ敗退。
2019年は1次予選で敗退、、、
もう自チームで都市対抗に出場するなんて不可能じゃないか?補強選手で選ばれるしかないんじゃないか?
と思うぐらいチームに勝てる雰囲気もありませんでしたし、私自身もそう思ってしまっていました。
2. そんなとき、のちの救世主が入部
そして2020年、廣畑が入部してきました。
最初の印象は、球がそこそこ速い変わってるやつ。
前年練習参加に来た際、145キロを投げていたので、球は速いんだな。と思っていました。
(当時の弊部には球が速い投手がたくさんいたので、そこまで驚きはなかったです。)
それより、練習参加生の廣畑がうちの選手にウエイトトレーニングのやり方をがっつり指導していたので、変わってるなーという印象の方が強かったです。
今も変わってますが。
コロナ禍によりJABA大会、日本選手権が中止となり、まず最初に岡山県選手権大会がありました。
(本人はコロナ禍で実戦がないからこそ技術を追い求めることができた、と話しています)
廣畑は先発にリリーフに大車輪の活躍で、
10年振りに優勝
することができました。
ずっと負け続けていたシティライト岡山さんに勝つことができ、
「あれ、今年はなんかいけるんじゃないか?」
みんな思うことができたのかもしれません。
ただ廣畑投手に対する
「ゲームメイク能力が高い投手」
という印象は変わらずでした。
3. そうして迎えた都市対抗予選
2020年、都市対抗予選。
1次予選
・ショウワコーポレーション戦 6回2失点
・福山ローズファイターズ戦 7回3失点
相変わらずのゲームメイク能力を発揮し、何とか中国地区第8代表として2次予選に進出します。
迎えた都市対抗2次予選。
・ツネイシBP戦 12回無失点
・JR西日本戦 9回無失点
・JR西日本戦 11回 5失点
3試合3先発3完投!
チームを16年振りの都市対抗出場に導く快投!!
この頃には、あれ?廣畑えぐくない?
怪物に覚醒しつつありました。
ツネイシBP戦の延長12回無失点がターニングポイントだったと思っています。
4. 都市対抗で圧巻の投球、そして若獅子賞
都市対抗予選で中国地区の社会人野球関係者をざわつかせたものの、全国的にはまだ無名の廣畑選手。
都市対抗前のオープン戦で自己最速を更新する152キロを計測していたので
面白いことになりそうだな、と予感はありました。
そして迎えた都市対抗本戦、1回戦の相手は前年度優勝のJFE東日本さん。
強力打線を誇る相手になんとなんと
154キロ9回1失点完投勝利!
圧巻の投球を見せます。
続く2回戦、序盤で私が打ち込まれ(ほんとに申し訳ありません)劣勢の中
5回裏2アウト満塁からリリーフ。
153キロで三振をとり、ピンチを切り抜けます!
その後3イニングをパーフェクトリリーフ。
(漫画の主人公かよ!と思いました)
2回戦敗退でしたが、全国の社会人野球ファンの方々に強烈な印象を残したのではと思います。
そして大会で素晴らしい活躍をした新人選手に贈られる、
若獅子賞を受賞。
2回戦敗退のチームから選出されることはレアケースで、それほどまでに圧倒的な投球だった、ということなのかなと。
5. 2021年、スポニチ優勝〜2年連続の都市対抗出場
新人での1年、目覚ましい活躍をした廣畑選手。
ドラフト上位候補として注目される中で、まず東京スポニチ大会を迎えます。
東京スポニチ大会での役割はクローザー。
先発は彦坂と私が任され、廣畑に繋ぐまでにゲームは壊せない。と必死に投げました。
チームも1点でも勝って廣畑に繋げ!といった意識で戦っていました。
4試合4セーブの活躍!
チームも初優勝、MVP受賞!!
この活躍で先発もリリーフもできる万能型、という評価が高くなったと思います。
そして日本選手権。
雨の中、非常に難しい条件にもかかわらず、8回途中3失点としっかりゲームメイクします。
順風満帆にきて、ドラフト前最後のアピールの場、都市対抗2次予選。
なんと初戦でノックアウト。
あんなに打ち込まれる姿を2年間で初めて見ました。
ただ、打ち込まれてもいつもと同じようなメンタルで、普通にしていた姿。
後輩ながら尊敬しかありません。
廣畑におんぶにだっこじゃだめだ!
今年1年、その思いでチームとしてやってきましたので、敗者復活戦をみんなで勝ち進み、何とか第2代表決定戦に進みます。
満を持して、廣畑先発。
9回2失点の完投勝利!
最後は美味しいところを全部持っていき、2年連続の都市対抗出場を決めてくれました。
そうした2年間の功績が認められ
千葉ロッテマリーンズ ドラフト3位!
見事NPBへの扉をこじ開けました!!
当日は午後半休で非公式広報としてTwitterやらInstagramやらで発信させて頂きましたが、自分のことのように嬉しかったです。
あと少し、、、
いや、めちゃめちゃ羨ましかったです。
6. 廣畑がチームにもたらしてくれたもの
以前Twitterでも書きましたが、廣畑が来てからチームの雰囲気が変わりました。
先輩後輩関係なく、激烈な叱咤激励(ほぼヤジ)を試合中、練習中にとばしてチームを盛り上げたり。
どんな状況でもマウンド上で笑顔を絶やさず味方に安心感を与えたり。
圧倒的な実力で、負け癖のついたチームに勝つことを覚えさせてくれたり。
なにより
廣畑に引っ張られてチーム全体の雰囲気が
めちゃめちゃ良くなりました。
もちろん他の選手たち個々の頑張りもありますし、平井主将がうまくチームをまとめてくれた、というのもあります。
ただやっぱり、ここまでチームが勝てるようになった中心には廣畑がいました。
2年間ほんとにありがとう。
7. おわりに
廣畑の
野球を楽しむ!
この姿勢は、私自身勉強させてもらいましたし、見習うべき点だと思いました。
他にもたくさん勉強させてもらいましたが、ここでは割愛させていただきます、、、
来年からは一緒にプレーできなくて寂しいですが、NPBという舞台に変わります。
私が行きたくても行きたくても届かなかった舞台です。
いちファンとして楽しみですし、NPBで経験したこと、得たことを岡山に帰ってきた際、みんなに還元してほしいなと思います。
【マリーンズファン、プロ野球ファンの皆様】
廣畑敦也は全然勝てなかったチームをここまで変えてくれました。
この点は他のドラフト指名選手にはない強みだと思っています。
どんなときも野球を楽しむ廣畑選手を、熱く応援してあげて下さい。
よろしくお願い申し上げます。
私たちは廣畑がいなくても、勝ち続けられるようにチーム一丸となって頑張っていきます。
引き続き弊部への熱い応援、よろしくお願いいたします。