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第18回(ひとり)おうちラジオ〜8月の短歌を詠む〜
妻のコンディション不良により、今回は一人で語っております。8月に詠んだ自作短歌の、作品背景、想いなど、30分ほどの内容となっております。【短歌+】のラジオ版。
・収録短歌(12首)
地球から離れた場所に故郷があるんだろうね君の目の奥
流されたボールが海に着くころに飲んだビールはあの夏の味
目印を見つけられない地図上に輝くオレンジ大西くんち
これ以上甘い気持ちにならぬようかき混ぜているブラックコーヒー
やわらかく死に始めてる細胞がわたしの中で弔う夜明け
しばらくは欠けてゆくのを眺めますあなたのいない空に新月
泳げない魚が山手線に乗りぐるぐる周る景色を見てる
同じもの食べて笑って足跡を追いかけながら似てきたぼくら
優しさを育て忘れた人の庭、枯れないように水をあげてる
どこにいくわけでもなくて空港のラウンジにいて心だけ飛ぶ
言葉とは間違いの素なのだから静かな森で星を見上げる
野原家が今年も地球を救うのでせめてわたしも優しくいたい